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02 Oct 2019 04:07:41 pm |
北極海氷、2番目の小ささ |
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北極海の海氷面積が衛星観測を始めて以来一番小さかった2012年に次いで2番目となった。
今年夏の北極の最小海氷面積は過去2番目の小ささを記録したと米雪氷データセンターなどが発表した。最少を記録したのは9月18日で415万平方キロ。
北極の海氷は地球全体の気候を穏やかにするのに一役買っている。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書は、北極の海氷面積は地球温暖化の影響で減少しており、今後も減り続けると指摘している。人工衛星による観測記録がある1979年以降で最も縮小したのは2012年の339万平方キロ。今年は07年と16年に並ぶ2位。
北極の海氷面積の年最少記録が小さい年は07年以降に集中している。毎年9月に最も縮小し、今年の記録は81〜10年の最小の平均値と比べて3分の2だった。【ワシントン共同】
毎日新聞2019年10月2日 東京朝刊
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以上は今日の毎日新聞の記事である。
北極の氷が解けても海面上昇は殆どないので心配ないと言う人たちがいる。確かに北極海の氷はもともと海の水が凍ったものであるのでそれが溶けても海面上昇にはならない。
しかし、氷で覆われると太陽光のエネルギーは殆ど反射されるが、氷が無い海面は太陽光エネルギーを吸収し海水温度が上昇する。海水温度が上昇した分だけ冬に結氷する量が減少すると言う負の連鎖が起きる。地球温暖化を進めることになる。
https://ads.nipr.ac.jp/vishop.ver1/ja/vishop-monitor.html?N
このサイトでどなたでもJAXA提供の北極点の結氷状態を見る事ができます。 |
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カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
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25 Jun 2018 08:11:47 am |
地球環境の救世主になるトランプ? |
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パリ協定離脱、海洋プラスチック憲章反対など地球環境問題には全く無関心を装うトランプ大統領が連発している貿易不均衡是正策は、地球環境にとって恵みの雨となるかも知れない。
本年3月トランプ大統領は、中国、日本、ロシア、台湾からの鉄鋼・アルミに25%の関税を掛けたが、その時EU、カナダ、メキシコ、韓国は除外されていた。しかし、6月1日EU、カナダ、メキシコをその除外から外した。それに対抗しEUはバーボンウイスキー、ジーンズ、ハーレイダビッドソン、オレンジジュースなどに25〜50%の報復関税を掛けるとしている。
それとは別に中国からの輸入製品500億ドル(5兆5千億円)に対し7月6日から25%の関税を掛けるとした。中国商務省はそれに対し直ちに対抗し米国がこれを実行した場合には340億ドル(3兆円)分の米国製品に25%の報復関税を掛けると応酬している。それに対し米国は中国が対抗措置に出た場合2000億ドル(22兆円)に対して制裁関税を掛けるとしている。
現在IMFの予測では2018年の世界経済は3.9%の成長が予測されているが、この報復関税による世界経済戦争が勃発し世界経済の成長が阻害されることになり、2%の悪化が予想されるとの見方がある。
これまでGDPとCO2排出量はずーっと正比例の関係で増加し続けてきた。昨今の再生可能エネルギーへの転換はその関係に終止符を打ち経済成長に必要なエネルギーを化石燃料から太陽光や風力などの再生可能エネルギーに置き換えるものであるが、その割合はまだまだ小さく未だに世界全体で見るとGDPとCO2排出量はほぼ比例の関係に有る。(図参照)
もう一つトランプの功績が有る。それはアメリカのイラン核合意からの離脱である。これにより中東情勢は一気に不安定化し原油価格の値上がりが始まっている。これまでもそうであったが、原油価格と原油の消費量は反比例の関係に有り、原油価格が上がると消費は下がる。これもCO2排出量を下げる方向に働く。
トランプ大統領は地球環境政策など糞くらえとと思っているのかも知れないが彼の打つ手は全て地球環境を保護するCO2削減の方向に動いているようである。ノーベル平和賞と共に環境のノーベル賞と言われているブルーリボン賞や日本国際賞の候補にしてはいかがであろうか。ルーブルの絵画になるのも現実となるかも知れない。
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Posted By : dantesforest |
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31 May 2018 03:15:11 pm |
Oceans’18Kobeを訪ねて。 |
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5月29日〜31日までの3日間、神戸市のポートアイランドの神戸コンベンションセンターでOceans’18Kobeと題する海洋先端技術を披露し議論する国際会議が開催された。これはOTO’18 / OCEANS’18 MTS / IEEE Kobe / Techno-Ocean2018 と言う4つの学会が共同で開催したもので、初日の29日に参加してきた。ブログ管理人
このイベントの事務局の一つとなっている海洋物理学会の監事をされているタキオニッシュ・ホールディング株式会社の小梨さんのご招待での参加となった。神戸ポートアイランドの国際展示場、神戸コンベンションセンターを訪れるのは久しぶりの事であった。新幹線で小田原から新大阪に、そしてJRで三ノ宮にそこからはポートライナーで10分ほどである。市民広場の駅を降りて会場に向かうと小梨さんと(一社)再生エネルギー支援機構の横田代表が入り口で迎えてくださった。お二人とも私が所属する(一社)環境未来研究会のメンバーである。
IEEEの国際会議の方はさておき、併設の展示会場に入った。入口には選考で学会発表には至らなかったが優秀な研究がポスターセッションを掲示されており、その前で発表者と参加者が熱心にディスカッションをしている。今回の論文発表の選考にも加わられた小梨さんによると、2000以上の論文の応募が有り選考には大変に苦労をしたとのことである。その4割は中国からであると言うので驚いたが、実際ポスターセッションの6割は中国勢で占められていたと思う。他に目立ったのは韓国で、欧州、アメリカと続き日本は残念ながら余り目立たない。
会場内には100社以上が展示をしていた。一番目を引くのは自立型無人潜水機(AUV)である。その次は水中グライダーと呼ばれる翼を持ち深海から海面に浮きあがる時に海流に乗る事で何千キロもエネルギーを使わずに航行しながら計測を行うことができる探査機である。次に多いのはプロファイラーを呼ばれる座標上の一点において海面から深海までの縦方向に一定間隔で計測を行うものである。このプロファイラーをGPSにより一定間隔に水平移動し沈み又浮きすることで細かい網の目のデータが集める事ができ、大洋を3次元データで読み取ろうとするものである。
これらの全ての技術が向いている方向は資源探査である。それはメタンハイドレートのような新たなエネルギー源となる化石燃料であり、レアメタルであり、ひいては新しい食料としての深海生物の探査である。地上から採掘が可能な化石燃料の開発に飽き足らず、地球の2/3を覆う海洋から次世代のエネルギー源やレアアースや食料を得ようとの熱気が感じられた。いずれの国でも新しい資源の開発には研究予算が付きやすいと言うのも資源探査をテーマにする大きな動機ではあろうと思われる。
私は、いくつかのブースでこの探査機は海水中のCO2濃度は測れますかとか、マイクロプラスチックの分布は計測できますかと、聞いて見た。それに対しては殆どの場合予想をしていなかったようで戸惑いを取って見る事ができた。彼らにとって海洋は未知の資源の宝庫であり、CO2の吸収(廃棄)が行われている場所でも、プラスチックゴミの廃棄場所であり、我々が出す排熱の廃棄場所(水の熱量の吸収は大気の数千倍である)であると言う認識は持っていないように思えた。
その点私を今回、招待して下さった小梨さんが所属するタキオニッシュ・ホールディングは異なっており異色の存在であった。今回、発表した「江戸っ子2号」と言うプロファイラーは、海水のCO2濃度、ph値、酸素量を瞬時に計測し一旦数千メートルの深海まで到達した毎秒一回の計測しながら浮かび上がり計測値を一旦PC内に取り込み浮上した後はGPSデータと共に衛星通信でデータを送る。これによりCO2の分布図を作る事ができる。すでに2000mでの実証実験も終わり、今後は更に深海でのテストを重ねて行くことになっている。これまで人類は産業革命以来2兆トンのCO2を排出しその30%は海洋に吸収されたことが分かって居る。現在も海洋はCO2を吸収し続けているが、科学者はそれがいつの日か吸収から放出に切り替わる「ティッピングポイント」を迎えることを恐れている。それを我々に示してくれる、このプロファイラーが持つ使命は重大である。(弊プログ2016年11月1日参照)
我々人類は本当に必要としているエネルギーや資源の5倍も浪費をしているのが現代の産業であり経済構造である。エネルギーも資源も現在の1/5の消費で現状の生活や食料生産、産業を動かすことは可能である。それには何も新たな技術の開発は必要なく、既存技術をシステマティックに組み合わせることで可能である。それは筆者の環境の師であるローマクラブ共同会長のヴァイツゼッカー博士の著書「ファクター5」に詳しい。
いま海洋を調査するのであれば新たなエネルギー源や資源の探査を目的にするのでは無く、いかに海洋が人類の活動によりいかに傷つけられているのか、いかに海洋を現状より悪くしないで済むのか、を目標とするべきでは無いだろうか。それは、研究や調査に携わる一人ひとりが意識として持つべきことであろう。それが、科学者、技術者の良心と言うものではないだろうか。 |
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29 Dec 2017 03:49:22 pm |
第三回国連環境総会 |
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第三回国連環境総会(UNEA3)に参加して
筆者が地球温暖化問題に真剣に取り組むようになったのは2010年3月にドイツの環境学者、エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー教授と出会い、彼の著作「ファクター5」を4人の仲間と一緒に翻訳する事になったところからであることはこのブログの読者ならとっくにご存知のことである。この本を翻訳したお蔭をもって現在は環境未来研究会、日本ペンクラブ、国連環境計画日本協会と言う三つの一般社団法人でボランティアの役員を務めさせて戴き、時々講演などをさせていただいている。
国連環境総会と言う国連加盟193ヵ国が全て参加して地球環境の問題を討議する会議に出席してきたので、そこに至るまでの手続き、道中、会場、ホテル、会議の様子そしてホスト国ケニアとナイロビ市のことなどを書こうと思う。
国連環境計画(UN Environment)の活動を日本国内で啓蒙し広めて行くことを目的に国連環境計画日本協会は2014年に設立された。これまでに国連環境計画フォーラムを2015年に第一回、2016年に第二回を東京青山の国連大学の大ホールで行った。第三回は2018年3月に開催予定である。その他、この会の顧問で元国連環境計画情報局長の平石尹彦さんによる連続勉強会は既に通算13回開催しており、述べ参加者数は優に200人を上回っている。ここでは、環境問題の基礎、歴史、国際機関の枠組み、国連環境計画の仕組みや活動について、氏の豊富な経験談を交えた生の話を聞く事ができる。又、年2〜3回発行する国連環境計画の広報誌Our Planetの日本語版発行などを行っている。筆者はこの協会の国際協力委員会と言う委員会の担当理事をさせて戴いている。
https://j-unep.jp
第三回国連環境総会(UNEA3)は、加盟国193ヵ国のうち今回は160ヵ国の政府代表、関連国連機関、NGO、企業その他のステークホルダーの4600人が参加して国連環境計画本部があるケニア・ナイロビで開催された。今回筆者は初めての参加であるが、目についたのは中国からの参加者の多さだった。政府高官と思しきグループ、企業のグループなどはたいてい10人ほどのグループで動いているため特に目につくが、個人での参加者も多かった。特に学生さんを数多く見受けたが、政府の援助が有って参加していたのであろうか、筆者の目分量では少なく見ても500人は下らなかったと思う。その次に目についたのは、意外に多かった米国からの参加者である。NGO、企業、研究所、学校など幅広く多くの参加者が来ており、会場のあちこちでディスカッションをしている姿が目に付き、こちらも100人位は来ていたと思われる。トランプ政権の動向をよそに熱心に問題と取り組んでいる様子が見て取れ大変に心強い思いをすることができ、やはり米国では民主主義の成熟度が進んでいると感じた。それに引き換え不甲斐ないのは日本である。日本からの参加は外務省から3名、環境省から2名、学生さん2名、それにNGOから我々2名の合計9名の参加しか無かったことである。
UNEA3では本会議の他にサイドイベントが数多く同時並行で開催されている。その中に「サステイナブル・イノベーションEXPO」と言うのがある。この会場となる大型テントには、世界から環境関連の41の企業やNGOなどが展示をしていたが、デンマーク政府とデンマーク企業がスポンサーをしている為に出展料は全て無料である。ここでも中国企業は多く出展しており、アフリカ企業への技術・資本参加も目についた。その他は欧州企業やNGOの展示もあった。ここでも残念なのは日本企業の影もNGOの姿も見えないことである。
本会議で、日本政府として環境省から高橋地球環境審議官が声明を発表したが、その中で「日本は公害問題を克服した経験がある。それを生かして国際社会に貢献して行く。」とあったが、その声明とは裏腹に日本の姿は今回のUNEAを通してはみる事ができなかった。世界の有力メディアは殆ど目にしたが、日本メディアはついに見かける事は無かった。国内におけるUNEA3の報道も見かける事は無かったと聞いている。
次回は、ホテルとナイロビの様子を書きたい。 |
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10 Oct 2017 09:44:20 am |
気候変動は国際社会の責任 |
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自殺的とも言える開発を止めるのは国際社会の共同責任
ハリケーンの巨大化と気候変動の関係は明らかーー国連事務総長
2017年10月9日St. John’s発dpa(Der Farangより)
ハリケーン“イルマ”はカリブ海に破壊の帯をもたらした。国連事務総長は小アンティル諸島の被害状況を検分して国際社会の責任について触れた。
10月9日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、カリブ海のハリケーン地域における荒廃を見るにつけ、気候変動に対する更なる戦いを次のように国際社会に対して求めた。
「気候変動とこの被害の関係性は明らかなものである。この自殺的ともいえる開発を止めるのは、国際社会の共同責任である。パリ議定書が尊重される事が大変に重要である。しかし、パリ協定で決められた義務は決して十分なものでは無いことを銘記したい。」とし、最後に事務総長は米国のパリ協定離脱にも言及した。
ハリケーン“イルマ”の通過した一か月後事務総長は被害の大きいアンティグア、バーブーダとドミニカを視察した。バーブーダを一巡した事務総長は「私はこの様な規模の大災害を見た経験が無い。私はこれまで紛争地域にも行ったし、自国の大地震も経験しており、数々の大嵐も見て来た。しかし、このバーブーダのようなクラスの災害を目の当たりにした事は無かった。」
9月初めハリケーン“イルマ”はカリブ海に破壊の帯を残した。このハリケーンは最大級のカテゴリー5(風速70m以上)となり家屋倒壊、道路の水没、田畑の壊滅をもたらしバーブーダ島は全滅、住民は近隣の島に避難している。国連の試算によるとカリブ諸島の再建には1島あたり1000億ドル(約1.1兆円)が必要であるとしている。
グテーレス事務総長は国際社会がこのカリブ海のハリケーン被害に対し十分な援助をしていないと指摘し「残念なことに全てに渡り対応が悪い。来週、十分な援助ができるように呼び掛けたい。」と語った。
アンティグアでは事務総長は避難所を訪れた。ここには近隣のバーブーダの住民も避難している。避難所長のサマンサ・ブルネットさんは「バーブーダの方々は口々に、バーブーダにはもう何もない。戻る所も無いと言っている。彼らは再建の見通しが立った後で無いと帰れない。」と語っている。
グレーテス事務総長は富裕国に対し更なる援助への取り組みと再建への革新的な金融メカニズムの構築を訴えている。国際社会の援助なしにはアンティグア・バーブーダなどの小国には自立再建は不可能であるからであるとし。「これは国際社会の義務である。彼らは気候変動の結果として大被害を被っているがその原因国ではないからだ。」と語った。 |
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