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09 Sep 2011 05:59:48 am |
貨物船 |
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日本の地形に最適な船舶輸送
ドイツのニュールンベルグと言う内陸の街に港があり、立派な港湾施設もあるのに驚いた思い出がある。ここはライン・マイン・ドナウと言う3つの河を接続する運河が有り北は北海のオランダ、ロッテルダムからラインに入りこの運河で分水嶺を越えドナウでルーマニアの黒海までつながっており貨物船の往来が激しい。
船舶輸送はトラック輸送に較べて同量の貨物を同距離輸送するのに1/4の燃料しか消費しない。しかし、年間3億トンの燃料を消費するセグメントであるので、効率アップは必要である。
現在使われている重油を天然ガスに切り替えることでCO2排出量を50%削減できる。低摩擦塗料で船体塗装をすることで推進時の水と船体の摩擦を40%低減することが可能である。居住区の断熱処理を改善することで居住区が消費するするエアコン用エネルギーを90%削減することができる。これらを行うことで80%のエネルギー削減、つまりファクター5が達成できる。日本のように細長くて海に囲まれた地形は海運を利用しやすい。長距離は海運、中短距離は鉄道、短距離はトラックとベストミックスを考えた輸送システムを構築する事で更なる効率アップが可能である。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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08 Sep 2011 05:17:44 am |
トラック輸送 |
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効率が悪い大型トラック
トラック輸送は増加している。このまま進むとこのさき2050年には倍増する。特に15トン以上の積載量の大型貨物の増加が著しい。アメリカでは大型貨物の台数はトラック全体の台数の5%に過ぎないが燃料は68%を消費している。
特に大型トラックは効率が悪く燃料を100%のエネルギーとして最後に車を動かす駆動力となるのはわずか1%でしかない。
エンジン効率は現在44%であるが、現有の技術を総動員することで55%まで上げる事が可能である。アイドリングの12%は運転席部分や貨物室のエアコンを補機で動かすことで80%の効率アップができる。回転摩擦によるエネルギーロスは車重を軽くする事で可能となり新設計のトラックは約1トンの軽減が可能で、これら全てを実現する事で80%の効率アップつまりファクター5を達成できる。
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Posted By : dantesforest |
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07 Sep 2011 06:30:12 am |
ジオポリマーセメント(2) |
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CO2を80%削減できるジオポリマーセメント
人類が消費する資源の中で水に次いで多く消費されているセメントは、2005年には世界で1年間に2.5GT(ギガトン=25億トン)のセメントが生産されており、さらに増産が続いている。金額に換算すると2008年には1,810億ドル(1ドル77円として13兆8千億円)で年率5%で増加している。2030年には5GTになるだろうと予想されている。セメントを生産するために2005年には18億トンのCO2を排出しこれは約8%である。現時点で最大の生産国は中国で2000年から2006年まで年率13%で生産量が増えている。2008年には世界の半数を中国が生産している。2030年において5GTのポートランドセメントを生産するためには36億トンのCO2を排出することになるが、これをジオポリマーセメントに全て置き換える事で4億5千万トンのCO2排出量(80%の削減)とする事ができる。中国、インドに続く発展途上国の建設に欠かせないコンクリートは必然的にジオポリマーセメントに置き換える必要がある。
図は1990年から2050年までのセメント生産量の推移を発展途上国、インド、中国、発展完了国(OECD諸国など)に分けて示したものである。
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06 Sep 2011 06:20:47 am |
再生可能エネルギー(2) |
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優良エネルギー源「地熱発電」
地熱発電は石炭、石油、バイオマス、原子力にかわる、もう一つの有力な連続性の有るエネルギー源である。地熱は再生可能ではないが最小の環境負荷のエネルギー源である。地熱の持つエネルギー量は地球全体の消費を100年いや1000年もの間供給する事ができ、発電設備は従来の火力や原子力の発電設備とそのインフラや技術をそのまま使う事ができるので、近年たくさんの国々で積極的に地熱発電所を建設している。2001年にはアイスランドは75%、フィリッピンは27%、ケニヤは12.4%、コスタリカは11.4%、エルサルバドルは4.3%を地熱発電から得ている。オーストラリアは世界で最も巨大な乾燥滞熱岩盤(Hot Dry Rock)を有しており、全オーストリアを数千年に渡り供給し続けるだけの熱を蓄えている。この地下深くに有る滞熱岩盤に達する縦穴をボーリングしてその一本に高圧の水を注入して別の一本から熱せられた水を取りだす。熱せられた水は熱交換器を介して蒸気となり発電用タービンを回して発電する。熱交換器から戻された水は又地下へと注入され水資源の無駄にはならない。この方法は既に実証されている。日本には言うまでもなくたくさんの地熱発電候補地があるが、開発は大幅に遅れている。
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05 Sep 2011 06:05:00 am |
再生可能エネルギー(1) |
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風力発電は途切れるので使えない?
ファクター5は再生可能エネルギーを説明する事が目的に書かれた本ではないが、再生可能エネルギーは地球温暖化対策の大きな柱である事は議論の余地が無いので触れている。
CO2排出量取引の制度化により大口、小口を問わず電気のユーザーはそのエネルギー源を風力、太陽光、波力、潮力、地熱、水力などから求めて行く事になろう。再生可能エネルギーは発電コストが高いと言われているが、発電量の増加と共にその発電単価は着実に安くなってきている。(グラフ参照)しかし、太陽光、風力等はその非連続性から基本エネルギーとしては使えないとされている。しかし実際には異なるロケーションに設置されている風力発電所がパワーグリッドにつながれているために心配する程の不連続性では無い事が実績として報告されている。英オックスフォード大のグラハム・シンデン(Graham Sinden)によると、異なる再生可能エネルギーを消費パターンに合わせて最適にミックスすることで不連続性を十分カバーでき、バックアップ用の火力発電所の規模はかなり小さなものにできる。
Source: IEA 2000 (from Factor Five) |
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