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24 Sep 2011 06:01:27 am |
持続可能社会への道(1) |
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強制するか協力を求めるか
エネルギーの効率化には非効率な古い技術を効率的な新しい技術に置き換えて行く事が必要である。その方法は法律で強制力を持って行うか、推進を図るかのいずれかの方法が有るが、国情により異なる。
世界で初めて白熱電球を禁止したのはキューバである。2007年中に全ての白熱電球が蛍光灯に交換され、白熱球の製造と輸入は全面的に禁止された。米国ではそのペースはずっと緩やかである。カリフォルニア州は2007年に制定された州法により2018年までには白熱球が州内から消える。連邦政府は2007年制定のエネルギー法により310〜2600ルーメン(40〜150Wに相当)の白熱球の製造を禁止している。カナダは2012年までに白熱電球を無くすだけでなく、蛍光灯依り更に効率の良いLEDへの転換を進める。手始めに交通信号機をLEDに切り替えている。EUもこの流れに乗っており、2009年には100W以上の白熱球をその後、75、60Wと交換して行く。電球以外の家電製品においてはアメリカでは”Energy Star”のラベルをメーカーが自主的に定め適合商品に貼って販売している。電気料金が値上がりしている折りから消費者は買い替えにはこのラベルを判断基準としている。EUではDIN EN15000がエネルギー効率化の標準化を推進している。日本では家電製品18品目に目標を定めている。例えばエアコンは2008年には省エネ率63%が課せられメーカー各社は適合商品を出した。政府はエコポイントで消費者に省エネ商品購買するようにインセンティブを与えた。中国は1980年には早々と省エネを打ち出しているが、現在のところ世界の水準には達していない。
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Posted By : dantesforest |
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23 Sep 2011 10:12:35 pm |
航空機に替る高速鉄道 |
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大都市間輸送手段の効率化
今日は、ブログのアップロードが夜になってしまいました。お詫びします。
航空機に替る大都市間輸送手段は超高速鉄道である。特に二つの都市の距離が800km以内の場合その効果は著しい。IPCCによるとパリ―ロンドン間338kmの場合、ユーロスター高速鉄道の方が飛行機を使うより早く、確実であるとしている。2008年上半期の統計によるとユーロスターの定時運行率(15分遅延までを定刻とする)は92.6%で飛行機は62.3%であった。この2都市間では現在7割の旅客が鉄道輸送を利用している。
日本にはこの形式の輸送システムの草分けである新幹線が有り現在総延長2620kmでほぼ全ての重要な大都市を繋いで、最主要路線の東京―大阪間では1日11万7千人が利用しており、繁忙時間帯では5分間隔で運行しているが、開業以来40年間無事故を誇っている。
野田首相は国連で日本は「安全」な原子力発電所を開発し世界に推進すると発表したが、日本はもっと、新幹線を国を挙げて官民一体で世界に推進する方が、地球温暖化対策には貢献できると思う。
最も、野田首相の国連演説を取り上げているメディアが世界に見当たらないので、いずれにせよ効果は期待できない。
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22 Sep 2011 05:40:54 am |
自動車(3) |
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重すぎる自動車
台風一過、爽やかな秋空に空気が冷たい。こんな日は郊外にドライブが良い。しかし、地球温暖化ガス(GHG)の23%は運送分野から出ている。OECD国では2005年には62TJ(テラ・ジュール=17GW)が消費されたが2030年には73TJ(20GW)に年率15%で増える。このうち63%が乗用車である。非OECD国は2005年には33TJ(9GW)であったが2030年には70TJ(20GW)が消費され、この殆どが乗用車と予想される。
これはインドと中国だけで2005年に3千300万台であったのが2030年には3億2000万台になると予想されているからである。
我々は自動車の構造を緊急に、根本的に見直す必要に迫られている。現在の自動車はタンクに入れた燃料がエンジンの効率、アイドリング、伝達系ロスで87%が失われ残りの13%が駆動系に伝えられる車軸に伝わるのは6%になる。更にタイヤとブレーキが摩擦熱になって大気を温めるのに5%が費やされる。最終的に車(人と荷物を含む)を動かすのは1%である。高効率エンジン、ハイブリッドエンジン、アイドリングストップ、エコタイヤ等で最新の車はリッター30kmまで燃費が上がって来てはいるが更に70%の効率アップが必要である。
1993年にRMI(ロッキーマウンテン研究所)は「ファクター4」でリッター66kmの燃費の車を発表している。その一番のファクターは車重の軽量化である。カーボンファイバーを用いて安全強度を損なうことなく57%の軽量化を達成し、それにより52%の燃費アップができたとしている。最新のコンピュータに依るデザイン(CAD)による軽量化、空力性能のアップ、センサー技術とコンピュータ制御に依る安全性向上が可能にする軽量化は緊急の課題である。
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21 Sep 2011 04:52:28 am |
スーパーマーケット |
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ウォールマート(WALLMART)
アメリカ消費文化の象徴とも言えるスーパーマーケットも温室化ガスの排出を抑える目的でエネルギーの効率化を目指している。世界15カ国7800店舗を展開し200万人の従業員を雇用するウォールマート(日本では西友ストアとして展開)は2005年に年間360億円を投資して3年間で25%の燃料効率のアップしこれにより30%のGHG(地球温暖化ガス)の排出を減少する事を決定した。
各店舗でのエネルギー消費は30%、産業廃棄物の排出量を25%カットを目標とする。
テキサス州マッキ二―に建てられた実験店舗では、暖房には食用廃油と自動車廃油が使われる。コロラド州オーロラとネバダ州ラスベガスには太陽光発電パネル、風力発電機、バイオ燃料使用のボイラー、水冷式冷蔵庫そして地下点滴灌漑を用いた庭園も造られている。これらの店舗では従来店舗の60%のエネルギーしか消をしない。その他次の項目は共通して取り入れられている。
●屋根のペイント色を白色にする事で、夏季の冷房電力量を15%カット。
●駐車場下に張りめぐらした15kmのパイプ中を通った水を冬季の床暖房に使用する。
●冷凍庫、冷蔵庫の冷媒にはCO2を使う事で、悪質なGHGを大気に放出しない。
●電力網からは100%グリーンエネルギーを購入。
●日中はできるだけ太陽光を光源に取り入れる設計で証明用電力の節減を図る。
●冷凍庫、冷蔵庫の照明は発熱が少なく電力使用量が少ないLED照明に交換する事で、電力を節減する。
●無用な照明、特に駐車場照明の削減。
細かい事の積み重ねで効率化を図ろうとしているトップの真剣さが伝わってくる。
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20 Sep 2011 05:44:18 am |
農業の省エネ(2) |
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小規模簡易地下点滴灌漑
昨日に引き続き地球温暖化ガスの18%を排出する農業の省エネの話である。小規模簡易地下点滴灌漑の方法について簡単に説明する。詳細は次のURLのウィキペディアに掲載されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%B9%E6%BB%B4%E7%81%8C%E6%BC%91
図に示すような方法で約100株までの作物に水やりができる。バケツを高い位置に置く事で重力を使って水を送るためにポンプも必要としない。作物は常に一定の水を必要としている訳では無く必要な時のみ水やりをする事で収量を増やす事が出来る。特に果物は適当な時期に水の量を少なくする事で果実の糖分が増える。また適量適時に農薬を水に混ぜるだけで良いので農薬は95%節約できる。家庭菜園をやっている人には是非試して結果を教えて戴きたい。
昨日と今日の写真・図表を間違えていました。訂正してお詫びします。 |
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