ダンテの森    
29 Dec 2011   09:57:02 pm
海外の省エネ家電
英国のエコケットル

 お正月をすっきりした頭(外見だけでも)迎える為に行った床屋さんのマスターは当ブログの読者である。ブログの内容がだんだん難解になって来て理解し難いとのお話を戴いた。

 ぼくの表現力の不足の為と反省した。今日は身近なテーマを取り上げる。海外ではどんな省エネ家電が有るのかを紹介する。

 英国のDEFRA(環境・食糧・農業部)はケットル(ヤカン)は考えられているよりも多くのエネルギーを消費しており、もし全ての人がお茶を飲む為にお湯を沸かす時にケットル一杯ではなく、コップ一杯分の水を沸かすようにするだけで英国全土の街灯を点けるだけのエネルギーを節約できるとお茶好きな英国国民に訴えている。

 それに応えるように市場には最新の省エネケットルが出て来ており、それらは主に次の3つの機能を強調した製品である。エコケットルと呼ばれ省エネ性能は30%以上である。

1. 簡単な操作で必要なカップ数分の水を沸かす事ができる。
2. 保温構造や魔法瓶構造で保温性能を向上させている。
3. 温度表示を付ける事で無駄な再沸騰を防止する。

 このような身近な家電の改良は国民の省エネ意識の向上にも役立っている。
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28 Dec 2011   05:37:02 pm
CO2排出量のリバウンド
リーマンショックでの減少は翌年回復

 アメリカ、テネシー州にあるオークリッジ研究所(Oak Ridge National Laboratory)によると、2009年のリーマンショック後の経済危機の影響で急激な落ち込みを見せたCO2排出量であるが、翌2010年にはすぐに回復していた事が分かった。

 2009年には、86億トンであったCO2排出量は翌年の2010年に91億トンとなった。落ち込みは先進国に依るものであったが、回復分は開発途上国からの排出増加ぶんで、消費財とサービス分野で6.1%増加した。

 2009年に初めて開発途上国のCO2排出量が先進国を上回り、従来言われていた先進国の方が開発途上国より多くCO2ガスを排出していると言う時代の終わりが告げられた。今後はこのトレンドがますます進んで行く。

 開発途上国の開発にファクターファイブを取り入れる枠組み作りが緊急課題である。

 添付の図は実線が生産する事によるCO2の排出を示し、破線が消費することによるCO2排出を示す。先進国では消費が生産を上回り、発展途上国では生産が消費を上回っているその間の色で埋めて変化を示している。黄色の点は2009年であるがこの時点で発展途上国の消費が先進国の消費を上回った。

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27 Dec 2011   06:34:42 am
再生可能エネルギー
太陽光も風力も十分なエネルギー源となる

 IPCC(地球温暖化に関する政府間パネル)は対策の第4番目の戦略として再生可能エネルギーをあげている。自国の政府からGHG(地球温暖化ガス)の削減目標を課せられた企業や団体は電力供給網からの電力供給量を減らすために、(1)省エネ、(2)燃料転換、(3)熱とエネルギーの回生を行って来たが、更なる削減を行うために再生可能エネルギーが次の戦略となる。ファクター5ではこの本の目的ではないので、再生可能エネルギーについて深く議論はしていない。

 再生可能エネルギーは分散型のエネルギー供給減で、太陽光、風力、波力、潮力、地熱それに水素によるものがあげられる。また、これらを用いたコジェネも指す。これらは2002年以来原子力発電を抜き去り成長をし続ける市場である。この分野は過去30年間に市場の拡大に従い発電コストが下がり続けており、高騰している原油価格に較べ十分な競争力も付けてきている。

 現在既にアメリカ、カリフォルニア州では総電力の1/4が、スウェーデンでは1/3が、ノルウェーでは1/2が再生可能エネルギーによって賄われている。デンマークでは2002年に風力発電が20%を超えた。最新の研究によれば80%まで再生可能エネルギーの割合を高める事が可能であるとされている。

 再生可能エネルギーの不連続性が産業には適していないとの考え方がいまだに強いが実際には風力発電も太陽光発電も異なる地形に配置して適切に管理する事で殆ど途切れなく電力供給が可能な事が実証されている。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
26 Dec 2011   05:54:42 am
コ・ジェネレーション
工場の熱源を利用した発電所

 たくさんの燃料を燃やして発電された電力は長い送電線を伝わって使用者に届けられる。使用者はその電力の多くを熱に変えて使う。

 大規模な産業では熱源となるのはボイラーである。ボイラーは産業のエネルギーの20〜60%を担っている。ボイラーの熱効率は70〜80%が普通で、最高の状態に整備され調整されたボイラーの場合90%まで熱効率を高める事が可能である。

 この工場熱源であるボイラーと発電機を組み合わせ、工場内で電気を発電するのがコ・ジェネレーションあるいはコジェネと言われている。

 発電機は工場のボイラーと同じ場所にあるので長距離の送電によるロスは無い。

 コジェネは工場内から出る排熱を細かく再生利用でき工場全体の熱効率のアップに貢献する。最近は燃料電池を使ったコジェネも増えて来ている。

 コジェネ先進国はデンマークで2003年には52%をコジェネで発電している。コジェネの発電量のトップはアメリカで85GWを発電しているが国全体では10%に満たない。ドイツは2005年には13%であったが、政府は57%まで増やしたいとしている。


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25 Dec 2011   05:34:11 am
エネルギー変換効率
1のエネルギーを使うと2のエネルギーが無駄になっている。

 これを読むと、不思議に思う人が多いと思う。

 国連開発計画(UNDP)の2005年の世界エネルギー・アセスメントによると、まずエネルギーを消費者が使える状態に加工する段階で26%が消え、消費者が目的を達する為にエネルギーを使う機器の中で37%が消えている。消えたエネルギーは全て低温〜中温の熱となって大気を暖めている。

 2005年に地球全体で115億トンの原油換算のエネルギーが消費されたが、そのうち63%は消費者の役に立つことなく熱となって消えている。

 この無駄となったエネルギーを回収して再び使う事ができれば地球の温暖化を遅らせるだけでなくGHG(地球温暖化ガス)の排出低減もできる。

 捨てられている熱は、例えばセメント工場のキルン(回転焼結窯)、製鉄所の高炉や平炉にはじまり、パン屋のパン窯、レストランのオーブン、スーパーマーケットから出る熱、さらには各家庭の冷蔵庫の排熱や台所のコンロの熱まで数限りない。

 電気は蒸気タービン、ガスタービン、ディーゼルエンジンなどで発電機を回して発電するが、発電プラントの効率は25%〜45%である。つまり75%〜55%は熱となって消えてしまう。

 発電された電気は長い距離を送電線を伝わって送られてくるがその間に9%が熱になり消えている。

 このように、1のエネルギーを使うと2のエネルギーが無駄になっていると言うのは決して大げさではない。

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