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04 Dec 2011 02:39:19 pm |
超高速鉄道 |
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世界が注目日本の新幹線技術
持続可能性社会における中距離交通機関として超高速鉄道が注目されているが、ファクター5では日本の新幹線技術を最大に評価して紹介している。
超高速鉄道の手本とすべきは長年の実績を誇る日本の新幹線技術である。2011年から営業を始めた東北新幹線の「はやて」は次世代新幹線とも呼べる技術革新が行われている。E5シリーズでは東京―新青森間713.7kmを最高速度300km/hで、3時間10分で営業している。この路線の設計最高速度は360km/hであるので将来360km/hの営業運転となれば2時間40分となる。投入されている車両は、新しい車両傾き制御とサスペンションシステムにより安全性と乗り心地が改善されている。車両は15mのスレンダーな設計で空気力学的な抵抗が最小となっている。車体はアルミ軽金属を用いた構造で軽量化が図られエネルギー効率アップされた。トンネル突入時に発生する超音波騒音やパンタグラフの摺動音は先頭車両とパンダグラフをバイオミミクリ―(ブログ10月1日参照)を使った設計で最小化して周辺住民への配慮がなされている。新車両には最新の航空機のビジネスクラス並みの座席を1車両16席配置したスーパーグリーン車も投入されている。
米国のオバマ政権は2008年4月16日に高速鉄道網建設計画を発表した。200km〜1000kmの間隔を持つ大都市間を接続する高速鉄道網の計画である。8000億円を投資して始められ、5年間にわたり毎年1000億円が投資される。
「この高速鉄道網は人々を海外からのエネルギー源に頼る自動車交通から鉄道利用へ乗り換えさせるものであると同時に、地球にも優しくする事に導くものである」と副大統領ジョー・バイデンは語っている。
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Posted By : dantesforest |
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03 Dec 2011 12:43:27 pm |
ビデオ会議 |
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顔と顔を合わせての対話は重要しかし、
15年前に発刊された「ファクター4」では飛行機や自動車を使って出張する代わりにビデオ会議を使えば省エネになりGHG(地球温暖化ガス)の排出量も99%以上も低減できると提唱した。
今はインターネットに接続されたPCを使う事で、誰でも簡単にビデオ会議を行う事ができ、相手の顔や表情を見ながらの対話が殆どの場合全くの無料で可能である。Skype, MSN Messenger, Yahoo Messenger, NetMeeting, SightSpeed等のいずれかがたいていのPCに既にインストールされている。ビデオ会議に必要な機材であるUSBカメラやマイクなどは小額の出費で購入でき、誰でも即座に世界中の相手とテレビ会議が出来る環境が整っている。
次に挙げる例は企業や団体がビデオ会議で省エネをしている例である。
■会計監査法人プライスウオーターハウス・クーパース(PwC)全体が排出しているGHGの50%は出張によるものである事が分かった。同社はGHGを低減する目的に出張をビデオ会議に置き換える事を推進した。その結果2008年7月から2009年12月までの間にPwCは2000トンのCO2排出量低減を達成した。同時に200万ポンド(約2億4千万円)の経費の削減ができた。
■ドイツの大手電話会社ドイツテレコムとその傘下のTモバイルは2004年から2007年の間に4万回のビデオ会議が持たれ7000トンのCO2排出量の低減が行われた。同時にのべ20万時間の移動の為の拘束時間が減った。
■英国政府国際開発局(DFID)では2005年に735回のビデオ会議が持たれ、GHG排出量を303トン低減した。
■ボーダフォンは世界中に200のビデオ会議ユニットを配置した。そのうち6つは「ラウンジ」である。このシステムの導入と同時に同社では出張申請の際に事前に最低一回のビデオ会議を行った報告をつける事になっている。この方式が始まって2007年2008年で17,388トンのCO2排出を低減した。出張は20%少なくなった。
航空会社には痛手かも知れない。
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02 Dec 2011 06:02:50 am |
鉄道貨物輸送(2) |
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更なる鉄道貨物輸送の効率アップ
昨日は鉄道貨物輸送の効率アップが行われている現状を述べたが、今後さらに次の様な効率アップの戦略が立てられている。
■長大な貨物列車を停止させる際のブレーキエネルギーの回収技術の向上である。ブレーキング時に発電してその電力をバッテリーに蓄え再利用する事で燃費の向上を図る。現在EVやHEVで開発されているリチウムイオン電池や次世代バッテリーを使用する事で短時間に大電力をチャージする技術を開発しブレーキングエネルギーを無駄なく蓄え再利用する。
■IT技術とGPS技術を使用して運行速度の最適化を行う事で燃費アップを図る。列車重量とGPSと地図情報から高低差を予測し最適速度制御を行う事で無駄な加速や減速を減らし燃費の向上を図る。
■貨車の積載率の向上で効率アップを図る。ロジスティックをIT技術を導入して行う事で貨物移動距離の最適化、空貨物の移動の低減を図る事で燃費アップを図る。
■貨物車編成ヤードでは専ら貨車をレール上での水平移動により編成作業が行われているが、これを港湾のコンテナヤードで行われているような立体的な横方向移動を使って行う事で効率のアップを行う。これについては15年前のファクター4で述べられている。
■従来から貨車の構造材料は鉄と決まっていたが、軽金属や新素材を使って軽量化する事で燃費のアップを図る。
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01 Dec 2011 09:20:00 pm |
鉄道貨物輸送(1) |
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最も効率の良い陸上輸送システム
近・中距離輸送の1トンの貨物を1km輸送するのに必要なエネルギー(単位メガジュール)を比較すると、小型トラック21.07、大型トラック2.95、超大型トラック0.98、貨物列車0.09と格段に鉄道輸送の燃費が優れている事が分かる。本質的に鉄輪とレールの摩擦はタイヤとアスファルト摩擦に較べて小さいからである。その上多数の貨車をけん引する事で更に効率が上がる。
鉄道輸送事業者は図に示すように1980年〜2007年にかけて燃料消費は殆ど横ばいなのに輸送量はほぼ2倍になるような努力を重ねている事がわかる。
スイス鉄道はその最も先端を行っており、エンジンの効率アップ、回生制動技術の向上、車両重量の低減、摩擦の低減などで合計60%の省エネを達成している。
さらに鉄道事業者は貨車編成、経由ルート計算、貨車編成作業の効率化、出発地点から目的地までの貨車の移動距離の最小化などロジスティックの研究により単位輸送距離当りの全体コストの低減化を図っている。現在までに実施されている鉄道貨物輸送における省エネは次の通り。
1.エンジン効率はエンジン構成部品の材質改良による軽量化、最新燃焼技術の導入に依るディーゼルエンジンの効率を55%向上させた。これは全体の燃費を20%向上させた。
2.アイドリングストップにより10%の燃費改善を達成した。貨車編成ヤードで使うディーゼル機関車をコンピュータ制御された小型700馬力ディーゼル搭載のものにし、自動アイドリングストップにした為にヤード内での燃費が50%向上した。
3.ヘッドライトや運転席内の照明をLEDにした事で照明電力はバッテリーからのみで行えるので照明を点灯する為にエンジンをかける必要が無くなり燃費が向上に寄与した。
4.空の貨物台車は空気力学的に空気の流れの乱れを作り抵抗を増やす。これを防止する為のカバーを取り付ける事で25%の摩擦低減ができた。
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30 Nov 2011 06:46:42 am |
水資源(3) |
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警告段階の世界の水資源枯渇
穀物の生産に世界で7130立方キロメートル(7兆1300万トン)の水が消費されている。これは地球上の70億人で割ると一人当たり日量2740リットルになる。
FAO(国連食糧農業機関)の発表によると2000年から2030年までの30年間に開発途上国において穀物は67%の増収が必要であるとされており、その為には農業用水を14%今以上に確保する必要があるとしている。しかし、ワールドウオッチによると2025年には多数の河川や湖沼からの農業用水の取水は30%減少するであろうと予測されている。中国農業科学アカデミーは2050年には14〜23%の水不足が起きると指摘している。
世界の水事情は逼迫しており水不足警報が出されるのは時間の問題である。地下水の過剰な汲み上げにより湿地帯面積は半分になった。アムダリヤ、コロラド、ガンジス、インダス、リオ・グランデ、マーレイ、黄河では既に断流が発生している。又、水量の分布と人工過密地帯の分布が異なっている為に余計問題を深刻にしている。
今後の開発途上国の計画には水利計画が優先されるべきであるし、水資源利用の効率化が灌漑計画や都市計画段階で取り上げて行かれなければならない。
水資源の70%は農業用水であり、23%が産業で使われており、8%が家庭用水及び飲料水である。
ファクター4で紹介され、このブログの9月20日に書いた点滴農法を実施することで農業用水の使用は80%低減され、農薬の使用は95%節約できる。
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