アメリカ人と自動車
テネシー州ナッシュビルからほど遠くない小さな町に来てから今日で2週間になる。ぼくが仕事をしている会社の広大な駐車場を見ると止めてある車が全く日本とは異なる事に気がつく。こちらで一番多いのはピックアップトラックで運転席と助手席、後ろに狭い2人掛けの座席が有り、短い荷台が後ろについている。大きさは日本なら2トン積みトラックぐらいだろうか、背も高いしなにしろ大きい。エンジンも5〜6リッターV型8気筒を積んでいる。トラックであるが荷物を運ぶのが目的ではなく通勤や買い物に普通に使っている。
今、アメリカの自動車産業は明るい兆しに沸いている。アメリカ人の所有する自動車の平均保有年数が15年になっており、不景気で我慢し続けてきた人たちも我慢の限界に来ているので買い替え需要が今後3年〜5年間は有るだろうと言うのがその理由だ。
一緒に仕事をしているビルはデトロイトから出張で来ている。デトロイトは都会だからこんなトラックには乗らないよねと言ったら、彼もトラックに乗っていると言う。ハマーに乗っていると誇らしげに言う。CSIマイアミと言う刑事ドラマをご覧になった事の有る人はご存じだが主人公のホレイショが乗っているあれである。1ガロン7マイルの燃費だそうだ。日本式に言うとリッター3キロ弱である。この間人の胸ほどもある沼を通り抜けたよ、ビクともしなかったぜと自慢している。馬車を駆っての西部開拓時代のDNAがそうさせるのか、この広い大地に続くフリーウエイがそうさせるのか、この国には軽量、小形、低燃費の次世代小型車など受け入れられるのだろうかと心配になった。
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