クラウドとヴァージュ( Convergence )
クラウドコンピューティングはITビジネスの最先端技術である。コンピュータ相互で高速、簡単に大容量の情報交換をするのを目的にしている。もともとは持続可能社会を実現する為に開発された技術ではないが、クラウドを通じてオフイスビルが「会話」する事が可能となる。クラウドを通じて事なった分野のコンピュータが情報を共有し、分析することで省エネルギー、省資源を目的にする製品やサービスの提供が可能になる。
例えばある会社を車で訪問しようとする時に、相手先のビルの駐車場に空きがあるのか、もし無ければ近くのビルの駐車場の空きを探して車に教えてカーナビで教えてくれる。そうすることで一方通行に悩まされながらビルの周りをぐるぐる回る事も、それにより渋滞を招く事もなくエネルギーの節約ができる。これがビルと車がクラウドを通じてヴァージュした結果生み出された新しいサービスである。
最近の例ではクラウドを使う事でオフイスの使用状況を細かく把握してビルの冷暖房や照明用電源の使用を調節するすることで10%もの電力使用量を節約できる。このために必要な投資分は約18カ月で償却が可能である。ニューヨークのエンパイアステートビルディングでは建築後80年の2007年に大改築が行われこのシステムが取り入れられた。このプロジェクトの目玉は数千ある窓をトレードマークの赤い窓枠の外観を変えることなく高断熱性の窓枠と窓ガラスに変えることで38%の省エネを達成することであった。9千300万ドル(70億円)を掛けたこの改築はわずか3年分のエネルギー費の節約で元がとれる。そして年間10万トン以上のGHG(地球温暖化ガス)の排出を減らす事ができた。2011年9月にはLEED(アメリカの建築物の持続可能性を査定する基準)の金賞を受賞した。
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