居住空間の冷暖房
世界的にみて住居の冷暖房はエネルギー消費の中で大きな割合を占めている。EUでは27%、中国では31%、アメリカでは40%(いずれも2005年)である。
これらは、太陽光の受光を考慮したデザイン、外断熱の採用、二重ガラス窓の採用、天井構造、ドアなどの隙間の改善による気密性の向上などで最低でも30%の省エネが可能である。
従来の典型的な天井断熱のみの150平米の住宅では平均18.4kWの冷暖房の為のエネルギーを必要とする。外断熱、屋根断熱、コンクリートスラブの外断熱、気密性を時間当たり0.5回の空気交換に高めることにより5.7kWの冷暖房の為のエネルギーで済み70%の省エネが可能である。
夏季の早朝の気温が17℃を上回らない地域においては、早朝の冷気を取り込む事で上で述べた住宅では1日中エアコンを使う必要が無い。もっと暑い地域ではエアコンを太陽光パネル等の再生可能エネルギーで運転する事で温暖化ガスの排出はゼロに保つ事が可能である。
写真は英国、ウエスト・バークシャー、ニューバリーの文化遺産保護区にあった1560年建築の家屋が2007年12月に焼失したものを、この地方の建築様式をそのまま引き継いで、地元産のオーク材で建築されたコテージであるが、ゼロ・カーボンを達成している。 |