リフォームによるファクター5
ビルの改築でファクター5を達成した例は新築ビルに較べて少ない。しかし、ビルのリフォームでも省エネは十分可能である。
オーストラリア、カールトンの60Lビルディングはその代表例である。このビルは1876年に建てられたレンガ造り3階建てである。2002年に一部4階に増築されグリーンビルとして生まれ変わった。ビルはそこで働く人の為にあるとの考え方を基に、このビルのリフォームには特別に省エネ対策チームが作られ設計にあたった。リフォームには出来る限り産業廃棄物を出さない為に、徹底的に建築資材の再利用が図られた。床材は全て再利用され、ドア、ドア枠、窓枠、レンガは再利用された。新しく使われる材料はリサイクルに適した材料を厳選した。
●パッシブとアクティブのハイブリッド空調システムが採用され、集中式のエアコンではなくテナント毎に制御が可能なシステムにした。熱排出シャフトにより自然対流を発生させ、自動換気システムとの相乗効果で19〜26℃の温度調節を行う。
●中央アトリウムと6つの採光シャフトは自然光の取り入れと換気時の空気通路となる。
●明るい彩色を採用し自然光の拡散と細かく制御できる人工光照明の併用で証明の為の電力の省エネを図った。
●無水小便器の採用と、雨水を利用した中水道で、省水型大便器の洗浄を行う。
●屋上には庭園とソーラー発電機が作られ夏場の太陽熱が室内に伝わるのを防いでいる。庭園用の水は雨水を集めた中水道を使う。
これらの結果、照明電力は80%の節電、上水道は75%の節水ができ、全体で70%の省エネルギーを達成している。次のURLで詳細がわかる。(英語のみ)
http://www.acfonline.org.au/articles/news.asp?news_id=3100
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