地下点滴灌漑は数万円から始める事ができる
温暖化ガス排出量の18%は農業から排出されておりその内80%は農業用水を作り送り灌漑するために使われている。
殆どの国では農業用水は90%が単純に用水路から取り込んでいるか、地上から散布されているだけである。8月19日にも少し触れたが、作物に合わせた方法で地下点滴灌漑をおこなう事で水は80%が節約できる。作物の地下茎のすぐ近くでホースの穴から点滴状に灌漑する、この方法を全面的に取り入れているのはキプロスだけである。それ以外はアメリカで4%、農業大国のインド、中国では1%程度しか行われていない。水の使用量が減るだけではなく収量も100%増収(倍の収穫)が可能である。それ以外にも次のような利点がある。
■高低差の多い地形の灌漑に適している。
■農薬添加量の精密な調整が可能で農薬量は最大95%節約が可能である。
■用水路が無いために農業機械の運転が容易になる。
■コンピュータ化が容易なために農場の自動化が進む。
点滴灌漑には多額の初期投資が必要と考えられているが、小規模農場用の簡易版は設備費用も小額ですむ。世界11億の農業従事者の95%は2ヘクタール以下の農場に属している事から殆どは簡易版で間に合うことになる。この程度であればバケツ、ビニールホース、チューブ、栓、フィルター等で作る事ができその初期投資は数万円程度であるが十分な効果を上げる事が実証されている。
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