リーマンショックはエネルギー問題だった
ここでファクター5が2008年のリーマンショックへ到る道程の仮説を立てているのを紹介しよう。
エネルギー価格が低く抑えられた事は2つの結果を生んだ。ひとつはデトロイトがSUVと言うリッター5kmも走らないファンシーなトラックを作った事。2つ目は車に依る長距離通勤に依存する低価格の住宅地が郊外に作られ大都市のドーナッツ化現象が起きた事である。
1980年の初めの5年間で自動車用燃料の消費が飛躍的に伸びた。価格は2000年までガロン1ドル(1$=100円換算でリッター26円)前後が相場であった。しかしこれが2006年から2008年にかけて原油価格は4倍の1バレル140ドルを超えた。その原因を中国とインドの急激な需要の伸びとするが、それは半分の要因で他の半分は投機筋(証券市場)に依る石油への投資であった。
2007年の原油価格の高騰によるガソリン代の値上がり。
↓
長距離自動車通勤の減少
↓
郊外の新興住宅地の宅地価格の急激な下落
↓
低所得者相手のサブプライムローン(住宅金融)の破綻
↓
大手住宅金融(Fannie Mae, Freddie Mac, Countriwide等)の破綻
↓
ハイリスク金融商品を巧みに組み込んだ「優良証券」が下落しリーマンショックとなった。
これがリーマンショックはエネルギー問題であったとする仮説である。
|