ゼロエネ・スカイスクレーパー
中国政府は成長経済の中で一歩一歩低炭素社会へと踏み出している。中国広州は大気汚染の街との汚名返上にやっきである。昨年完成した珠江大厦はSkidmore Owings & Merril (SOM:アメリカ最大の設計事務所)の設計になる71階建て310mの超高層ビルであるが単に省エネに留まらず、世界一のゼロエネ・スカイスクレーパーとなるかも知れない。60%の省エネを達成し、更に再生可能エネルギーによりゼロエネを目指している。
高温高湿のこの地域の気候に適応した技術が取り入れられており、この地方の季節風の特徴を利用して南北面の外壁構造から起こされる上昇気流(ビル風)が2つの風力タービンを回し発電する。同時に敷き詰められた太陽電池パネルが発電する。
オフィスタワーのパッシブ送風システムは壁内に張り巡らされた冷却パイプの中を流れる水により冷やされた天井、壁により室内に起きる対流を使っている為最低限のエネルギーしか使わない。
暖められた空気は二重構造のガラス壁の中間を昇って空調設備階に集められる。そこで熱交換器により集熱されタービンを回し排気ファンを駆動した後、湿気を多く含んだ空気はビル外へ排出される。
壁の中で暖められた水はさらに加熱されビル内で使用される温水となる。
南北面は2重のガラス壁構造で、間にはブラインドが設置されビル内の調温と自然光を取り入れた調光システムをコンピュータにより制御している。東西面は3重構造のガラス壁でやはりコンピュータ制御ブラインドが設備されている。 |