Boston MA 2012-08-23 ENS
ロムニー氏のエネルギー政策は20年前に戻そうとするもの
共和党大統領候補のミット・ロムニー氏は8月23日エネルギー政策を発表した。それによると、石油、ガス、原発を推進する一方再生可能エネルギー予算はカットするとのことである。ロムニー陣営によると、これにより300万人の雇用を増やし、1兆ドル(87兆円)のビジネスが増え、北アメリカのエネルギー政策を海外依存しないものに転換するとしている。
メキシコ湾のBP深海油田事故を受けて、開発が停止されているノースカロライナ州とバージニア州沖の油田開発を再開するとしている。また、自然環境と動物保護の観点から米国議会の決定により25年間停止されていた、アラスカ沖の海底油田の採掘も再開するとしている。
オバマ大統領の報道官Jay Carney氏によると、この発表は共和党が100%オイルアンドガスに依存している事の現れであり、これこそ民主党を大きく異なる点であるとしている。
ロムニー氏は、まずエネルギー政策における規制の撤廃とエネルギー関連の政府機関の縮小をして政府のスリム化を行うとしている。また、空気浄化法の改定を行う必要があるとしており、その理由として、石炭、石油、ガス等の化石燃料を燃やす事によって出されるCO2は、地球を取り巻いて、太陽光エネルギーから地球が温暖化することを防ぐ効果があると言うものである。(かつてアメリカはこの主張でIPCCの地球温暖化が人類の営みに依るものとする考えに真っ向から反対した。)
オバマ大統領はニューヨークの有権者を前に「ロムニー氏が望む未来は、我々が子供や孫たちに引き継ぎたいと思う未来では無い。」と語った。
ロムニー氏のエネルギー政策はアメリカを20年前に引き戻そうとしている。
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