30年間も保管の謎
カネミ油問題で有名になったPCB(ポリ塩化ビフェニール)は我が国では1974年に使用禁止となった。今、全国に政府発表で54,000トンのPCBが保管されている。2001年にストックホルム条約により世界的にPCBの処理をして行く事が決まった。日本は同年に批准・加盟している。2004年に日本環境安全事業株式会社と言う政府100%出資の会社が作られ、PCBの無害化処理を一手に引き受ける事になった。現在、北海道、東京、愛知、大阪、福岡の5か所に処理工場が有り日量で合計8.4tonのPCBの処理が可能であるので、年間250日操業するとして、その処理には25年以上かかる計算になる。1974年から2004年までの30年間なぜ保管をして無害化処理をやらなかったのか疑問が残る。保管場所が地震などの災害を受けてPCBが流出するような事は想定されていなかったのであろうか。311の津波で沿岸部に保管されていたかなりの数のPCB含有機器が流失しているが、その実態すら明らかではない。
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