フロン問題を覚えていますか?
我々の知らないところで産業界も努力をしていると言うお話です。
フロンが温室効果ガスの悪玉として有名になった事はかなり昔の事ですが、最近フロン以外の性質の悪い物質が半導体産業で使われている事が分かった。NF3、三フッ化窒素と言うもので、LCDやソラ―パネルの製造工程や製造設備の洗浄に使われているそうである。炭酸ガスの17200倍の温室効果を持ち、大気中での寿命は550年と長寿命である。このNF3もフロンと同じく自然界には存在しない物質である。1997年に作られた京都議定書のリストには生産量が微少であるとの理由で載っていない。ところがLCDやソラ―パネルの製造の増加に伴いNF3の使用量は2007年に4000トン、2010年には8000トンになっていた。これはCO2換算で1億3700万トンになる。2009年の日本のCO2総排出量が11億5千万トンであるのでほぼ12%に匹敵する量である。これに気付いた半導体産業はフッ素を用いる代替技術を開発し東芝、パナソニック、LG電子は自発的にNF3の使用を控えている。このような産業界の姿勢と努力は心強い限りである。
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