日本では政府のリーダーシップが必要
昨日、次の日本の首相となる民主党代表となった野田さんの愛読書は司馬遼太郎と藤沢修平との事だが、ワイツゼッカーの「ファクター5」も加えてもらいたいものである。
1998年に出版された「ファクター4」にはリッター80kmを走る車を開発すべきだと書かれていた。ところが現実世界ではその直後トラックをカッコ良くしたようなSUVと言う車種がでてきて、これが一世を風靡することになった。中国が世界の景気のけん引役を務めるようになり原油価格は低迷した。SUVユーザーが増え、一時期公共交通機関を利用していた人たちも車通勤にもどり車通勤者も倍増した。つまり「ファクター4」に書かれた事は何も起こらなかったのである。サブプライムローンにより、見掛け上可処分所得が増えた人達により好況感はますます増し世界の人たちは「何だ、このままいけそうじゃないか」と言う気になった。地球も耐えられなくなれば何か言ってくるだろう位に考え地球温暖化に危機を感じる気持ちが遠のいていった。2004年に原油価格が1バレル50ドルを突破したことを契機に石油製品価格が上がりはじめると、また地球温暖化が問題視しはじめられる。2006年に顕在化したサブプライムローン問題は2007年にリーマンショックとなった。この間、地球温暖化は人々の意識の「考えたくない問題を置く棚」に置かれていたように思う。
2010年に株式会社NTTデータスミスから発表された「世界24カ国地球温暖化意識調査」と言う調査がある。これによると、地球温暖化は世界に共通して問題意識があること。この調査で現れた日本の特徴は、対地球温暖化政策が経済に好影響をもたらすであろうと言う期待感が79%有り、世界平均の63%を大幅に上回っていること、緊急課題とする日本人は52%で世界の61%に比べすくないこと、また、日本人にとって地球温暖化対策は大企業や政府がやるべきことであるとの考えが強いことである。
日本では他の国よりも政治のリーダーシップが求められていると言うことである。南極のオゾンホールがこれ以上大きくなる前に。
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