パリ協定離脱、海洋プラスチック憲章反対など地球環境問題には全く無関心を装うトランプ大統領が連発している貿易不均衡是正策は、地球環境にとって恵みの雨となるかも知れない。
本年3月トランプ大統領は、中国、日本、ロシア、台湾からの鉄鋼・アルミに25%の関税を掛けたが、その時EU、カナダ、メキシコ、韓国は除外されていた。しかし、6月1日EU、カナダ、メキシコをその除外から外した。それに対抗しEUはバーボンウイスキー、ジーンズ、ハーレイダビッドソン、オレンジジュースなどに25〜50%の報復関税を掛けるとしている。
それとは別に中国からの輸入製品500億ドル(5兆5千億円)に対し7月6日から25%の関税を掛けるとした。中国商務省はそれに対し直ちに対抗し米国がこれを実行した場合には340億ドル(3兆円)分の米国製品に25%の報復関税を掛けると応酬している。それに対し米国は中国が対抗措置に出た場合2000億ドル(22兆円)に対して制裁関税を掛けるとしている。
現在IMFの予測では2018年の世界経済は3.9%の成長が予測されているが、この報復関税による世界経済戦争が勃発し世界経済の成長が阻害されることになり、2%の悪化が予想されるとの見方がある。
これまでGDPとCO2排出量はずーっと正比例の関係で増加し続けてきた。昨今の再生可能エネルギーへの転換はその関係に終止符を打ち経済成長に必要なエネルギーを化石燃料から太陽光や風力などの再生可能エネルギーに置き換えるものであるが、その割合はまだまだ小さく未だに世界全体で見るとGDPとCO2排出量はほぼ比例の関係に有る。(図参照)
もう一つトランプの功績が有る。それはアメリカのイラン核合意からの離脱である。これにより中東情勢は一気に不安定化し原油価格の値上がりが始まっている。これまでもそうであったが、原油価格と原油の消費量は反比例の関係に有り、原油価格が上がると消費は下がる。これもCO2排出量を下げる方向に働く。
トランプ大統領は地球環境政策など糞くらえとと思っているのかも知れないが彼の打つ手は全て地球環境を保護するCO2削減の方向に動いているようである。ノーベル平和賞と共に環境のノーベル賞と言われているブルーリボン賞や日本国際賞の候補にしてはいかがであろうか。ルーブルの絵画になるのも現実となるかも知れない。
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