ブログ再開宣言
今日は911である。2001年9月11日ニューヨークのWTCが2機のジェット旅客機を乗っ取った過激派アルカイダにより激突炎上し3000人以上の尊い命が失われると言う空前のテロが行われた。テロ事件は今も続いている。貧困と格差社会がテロの温床となっていると言われて久しいが、それは改善されるどころか悪化の一途である。地球環境の問題も似ており、最近の気候の凶暴化は地球のテロと言えなくはない。
ブログ管理人が当ブログを開設したのは2011年8月15日である。当時の私は定年退職を1年後に迎え、以前から考えていた地球温暖化の緩和に役立つ運動を残りの人生のライフワークとしようとしていた矢先に、ドイツの環境学者で現ローマクラブ共同会長のエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー教授との出会いが有り、さらに311の東日本大震災に続く東電福島第一原発事故があった。この2つの出来事が現在の私の進む方向を決定的なものにした。ドイツ語版「ファクター5」(2010年刊行)を読むうちにこの内容をブログで書いても良いかとヴァイツゼッカー教授に許可を求めた事からメールによる親交が深まり、来日の際には必ず会って話をすると言うお付き合いとなった。そして、2012年5月に突然、W教授からファクター5の日本語版の翻訳と出版を委託するとの署名入りの書面が届いた。それまで本の翻訳などした経験は無くましてや、出版など全くの初めての経験であった。サラリーマン時代の先輩が近隣に居住しており、その人がドイツ語の翻訳をしていた事を思い出し相談に行った。そこで、何人かの名前が上がりチームを作って分業でやれば何とかなると言う結論になり、W教授には2012年9月に定年退職した後と言う条件で承諾の返事をした。
翻訳をするのは私を入れて5名となり「ファクター5プロジェクト(F5P)」と名乗り、仕事の無い週末毎に九段下のドイツ商工会議所の会議室に集まって打ち合わせを行って、翻訳部分の分担などを話し合った。私は代表として出版社を見つけると言う事になった。かの有名はW教授の名前を出せばどこの出版社も大喜びで扱ってくれると思いきや、さに非ず大手の出版社は環境と言うだけで門前払いであった。前著「ファクター4」を出版した省エネルギーセンターは、時の民主党政権の目玉であった仕訳にかかり環境省予算がカットされ出版どころでは無いとけんもほろろで、政権交代のとんだとばっちりであった。監修をお願いした当時名古屋大学教授(現中部大学教授でローマクラブ会員)の林良嗣博士のご紹介で明石書店に決定するまでに、ほぼ一年を費やした。今、思い起こすと2012年と言うとリーマンショックがまだ後を引いており、政権交代、311と続き、続く出版不況で出版社としては売れるあての無い環境問題の本など出すところが無くって当然であったのだろう。
2011年8月15日から始まったブログ「ダンテの森」は2014年3月25日に「ファクター5」が刊行されるまでほぼ毎日更新され約1000回書かれている。本が出来上がるまでの緊張が解けて時間は前より有るはずなのにブログを書かなくなってしまった。
2015年中には10数回の「ファクター5」のレクチャーをさせてもらう事ができた。今年に入ってからはまだ数回しかレクチャーの依頼が来ていない。一年以上前にレクチャーを聞いて下さった地球環境問題に取り組んでおられる企業家の方に、先日再度お会いする機会があった。その方は私のレクチャーの後とにかく読んでみようと、1週間のカナダへの海外出張の往復の飛行機とホテルでの時間を使って読んでいただいたとお事であった。まずこの本は腰を据えて読む気にならないと読めない本であると言われ、読んだすぐあとに思ったことは実現はまず難しいいなと思われたそうである。しかし、この本の内容は1年間頭の中で整理されてくると全体像が見えて来て「やはりこの方法しかないな」と言う結論になったと言われた。それを聞いて私は涙が出るほど嬉しかった。しかし、その方が言われるにはこの本ではせっかくの素晴らしいい提案が世の中に広がって行かない、もっと簡単に読み切れる言わば「入門書」のようなものが必要だ。それを一日も早く書くべきだと言われ、その為の資金援助まで申し出て下さっている。その話を聞いてから既に3ヶ月が経とうとしているが、まだ「入門書」の構想すらまとまっていない。
2012年当時の緊張感を取り戻す為にはまずブログを書くことから始めようと決意して今このブログを書いている。明日から挑戦の日々の再開である。
<ブログ管理人=吉村皓一> |