ひどすぎるG7報道
ブログ管理人
G7サミットが終わった。今回のサミットは世界第二の経済大国中国と、中東情勢でのキープレイヤーであるロシアを除いておいて、いずれの問題の解決ができるとは考えられない、いわばお金持ちのサロン的なものでとても真剣に国際問題の解決をしようとの緊張感を持って開催されたとはお世辞にも考えにくいものであった。
それを報じる日本の大手メディアはそれを安倍政権の成果として報じ、国内世論を安倍寄りにして来る参議院選挙を政権側に有利にしようとの意図が丸見えである。
NHKはG7サミットは「各国が状況に応じ政策総動員」とあたかも意見が一致したような表現をしているが、ステートメントの原文を読むと「各国は各国の状況に応じ対策を講じる」とそれぞれ勝手にやるとしているだけである。
NHKはG7サミットがアベノミクスの三本の矢を世界が景気回復のために行うかの錯覚を起こすような表現をしているが、英文の原文にはアベノミクスも三本の矢も一言も触れられていない。
会議の冒頭安倍首相は世界経済がリーマンショック直前の状態に似た「危機的状況」であるとしたのに対し、ドイツのメルケル、英国のキャメロン、米国のオバマ、カナダのトルード、フランスのオランドが「現在の経済はそれほど悪くない」と言い安倍首相の発言は取り上げられないことになった。安倍首相はG7でこの文言が取り入れられることで消費税10%の再先送りの理由にしようとしたが、その目論見は外れた。
また、安倍首相が財政出動で景気回復をと主張したが、ドイツのメルケル首相は債権を財源にした財政出動には明らかに反対を示したことは報道されていない。
G7声明は英文で32ページある。そのうち経済は4ページであるが、地球温暖化には8ページを割いている。しかし、日本のメディアでは地球環境問題がG7で話されたとは全く書かれていない。
この様に日本のメディアはG7発表のステートメントの原文すら無視して、政府発表のみをひたすら報道している。今や日本の大手メディアは報道機関ではなく政府の広報媒体となり下がっている。報道の自由度世界71位は当然のことである。こんなメディアに金を払うのはバカらしい。 |