保育園落ちた日本死ね!はマスコミが取り上げ、政治も動かした。
ブログ管理人
話題となり実際に政治が動き、保育士の待遇改善や保育所の待機児童削減への動きをはじめている。この全文をまずお読みいただきたい。
2016-02-15
■保育園落ちた日本死ね!!!
何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?
何が少子化だよクソ。
子供産んだはいいけど希望通りに保育園に預けるのほぼ無理だからwって言ってて子供産むやつなんかいねーよ。
不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。
オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。
エンブレムとかどうでもいいから保育園作れよ。
有名なデザイナーに払う金あるなら保育園作れよ。
どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。
ふざけんな日本。
保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。
保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。
国が子供産ませないでどうすんだよ。
金があれば子供産むってやつがゴマンといるんだから取り敢えず金出すか子供にかかる費用全てを無償にしろよ。
不倫したり賄賂受け取ったりウチワ作ってるやつ見繕って国会議員を半分位クビにすりゃ財源作れるだろ。
まじいい加減にしろ日本。
3月4日付けの朝日新聞によると、これを書いてツイッターに投稿したのは30歳半ばの女性でご主人と1歳の坊やの三人暮らしだと言う。正社員で一年間の育児休暇ののち職場復帰をしようと思ったが保育園に落ちたためにそれができなくなりこのツイッターとなった。このツイートは3000回以上リツイートされたと言うから、同じ思いの人が多くいたと言うことだろう。
それにつけてもブログ管理人が思うことは、いまさらながら文の底知れぬ力である。この文を読むと確かに書き手の憤懣やり方ない憤りがダイレクトに伝わってくる。今風の言葉遣いとリズム感は正にヒップホップである。現代アメリカを代表する音楽と言えばヒップホップであり、日本のポップスにも多大な影響を与えている。ヒップホップは元来アメリカの下層階級に渦巻く怒りをリズム感のある言葉で紡いだもので、この内容にぴったりと合う。
もし、このツイートが普通の文章で書かれていたとしたらまず見向きもされず、マスコミにも取り上げられることもなかっただろう。恐らく同様の意味の書き込みはそれこそゴマンとあるはずである。また、厚労省や地方自治体の窓口には同様の苦情は山と積みあがっているはずである。国会議員や有識者の先生方はこの文のハシタナサを非難するが、それゆえに取り上げられていることに気付いていない。
地球環境を破壊してきたのは人類が始めた消費経済に他ならない。産業革命以降150年間徐々に上昇をし続けてきた大気中のCO2濃度は1950年を境に急角度にその上昇の度合いを増す。消費経済が台頭したからである。消費経済を大きくけん引したものは広告である。広告は、短いキャッチコピーと周到に考えられた文章とビジュアルで構成されている。広告は消費者に本来必要がないと思っていたものを買わせることを目的に作られている。短い言葉で消費者をその気にさせる力を持っている。広告は言葉で人の心をうごかす。
環境保護の広告やコピーも数多くある。国連・政府・公共団体や環境保護団体がポスターやTVスポットなどを作って流している。しかしそのどれもが教育的であり、受け取り手から見ると「上から目線」に見えて心に訴えるものが少ないのではないか。一人の母親が子供を育てながら社会で活躍しようとしていたものがぶち壊された思いをストレートに表現した「保育園落ちた日本死ね!」と同じように、地球を破壊し続ける経済社会に対して抱く憤懣やり方ない思いと地球環境を母親のように慈しむ気持ちをダイレクトに表現できるような文が書けない自分が情けない。
文章には底知れない力がある。地球環境を壊すほどの消費経済をけん引してきたことがそれを証明している。地球環境を守る為には文章の力は欠かせない。いまこそ文学の出番である。 |