何がなんでも再稼働させる気の自公政権――経済第一・安全第二
ブログ管理人
昨日のニュースに浜岡原発の防波堤の両端の部分の盛り土工事が完成したとあった。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)は2014年2月に4号機、2015年6月に3号機の再稼働申請を原子力規制委員会に出している。
まず皆様には2011年3月11日の東日本大震災の時の釜石港の写真を見てもらいたい。
一番目の写真は、当時世界最強と言われギネスブックにも登録された釜石港防潮堤の写真である。全長1960m水深63m海抜5.6mで、1896年の明治三陸沖地震、1933年の昭和三陸地震、1960年チリ地震による津波被害から釜石市のマイナス4m地帯を守る目的で1500億円を掛けて建設された。写真で分かるように幅は平均で20mもある堂々たるものであった。
しかし、二番目の写真はその巨大なコンクリートの塊は津波の前には難なく根こそぎ流されてしまっているところである。この時の衝撃はジャンボジェット機250機が時速1000kmで突っ込んできたのと同じであったと言う。人類が築ける最大限のコンクリート建築物もなんなく砕く自然災害の力は、科学者と技術者がスーパーコンピュータを駆使しても想像できなかったとすれば、我々の知力の限界であったのであろう。
三枚目の写真は浜岡原発の防波堤の写真である。まるでふすまを立てたような薄っぺらな防波堤である。厚さは2mしかない。ジャンボジェットで無くとも小さなセスナ機でも突破できそうな壁である。さらにエイプリールフールなみのジョークは、昨年8月に出された新基準に合わせるためにもともと18mだった高さを4mかさ上げしている。このかさ上げ部分たるやまるでブロック塀である。大きなハンマーでなら壊せそうだ。これで津波の巨大なエネルギーをどうやって防ぐと言うのだろうか。これを、設計し構造計算しシミュレーションした技術者はきちんと説明ができるのであろうか。大手の建設業者が行ったものであろうが、中部電力の予算に合わせて作ったもののように見える。浜岡原発は津波対策に1500億円掛けたので万全だと言っているらしい。
この素人目にも薄っぺらで頼りなさそうに見える防波堤で22mの津波に対処できると原子力規制委員会が判断を下し、再稼働に許可を出すことになるのが安倍政権におけるこれまでの前例である。そして事がいったん起きると想定外であったと逃げる。経済第一・安全第二がこの政権のモットーである。安倍氏は何度も「経済成長、これしかない!」と叫んでいる。これしかない!と言う人は危ない。
御前崎市の市民の皆さまには誠にお気の毒であるが、東海沖大地震が来たらこの原発はまず無事には終わらないことを知るべきだ。直ちに廃炉処分を始めるべきである。廃炉工事は4〜50年間は掛かる巨大なプロジェクトになるので十分地元への経済効果も見込める。その間に、別の原発以外の産業を見つけることも可能になろう。 |