オーストリア第二の都市グラーツは静かな大学都市。
ブログ管理人
7月27日から1週間ドイツとオーストリアに行ってきた。晴天に恵まれカラッとした欧州の夏を堪能することができた。後半に訪れたオーストリアのグラーツは25万人のウイーン(人口180万人)に次ぐ第二の都市でそのうち4万人が学生で1万人の大学関係者がいる若さを感じさせる街である。
13世紀にハプスブルグ家の支配下におかれ都市国家となり、街の中央に位置する小高い丘の上にある城を中心に栄えた典型的な中世都市である。2003年に欧州文化都市に選ばれておりその時に国の補助で作られたものがいくかある。100mの高さの丘の上まで垂直に昇れるエレベーターやグッケンハイム美術館に似た奇抜な外観の美術館が、突然中世の街に舞い降りた巨大な海洋生物のようで奇妙な感じを与える。市電が発達しており縦横に走っている。
街は中世の街並みが美しく保たれており、音楽大学の学生らしいストリートミュージシャンが奏でるメロディーがどこにでも聞こえている。犬はたくさん見かけるのに、滞在中一匹の猫も見かける事が無かったのが残念である。良く猫が居そうな路地の奥や、中庭、階段、坂道ものぞいて見たがとうとう最後まで一匹も見つける事ができなかった。グラーツの猫について知っている方がいらっしゃれば教えてほしい。
写真はグラーツのゴミの回収容器である。このように整然とならべられている。左から黄色いフタはPETボトルやプラスティック包装などを入れる容器、黒いフタのひときわ大きな容器はその他のごみ、赤いフタは古紙で、茶色のフタは有機ゴミで残飯や食品ごみを入れる。ガラス用の回収容器はここには写っていないが、透明ガラス、茶色、緑、その他の色ガラスに分別されて回収される。
これらはほとんどがリサイクルされる。特に注目したいのは茶色のフタの容器で回収された食品ゴミで、これらはバイオガス、ビオディーゼル、有機肥料にリサイクルされる。回収された食品ゴミは粉砕機にかけられ、プラスティック袋やプラスティック容器が分別される。その後巨大な発酵槽で処理されてバイオガスとバイオディーゼルが作られる。ガスは同じ敷地内の発電所に送られ電力となる。バイオディーゼルは更に蒸留されて脱臭された後、市内を走るバスの燃料に使われている。日本ではバイオディーゼルと言ってもまだB5(バイオディーゼル5%含有)しか作られていないが、ここグラーツ市内を走るバスが使っているのはB100(バイオディーゼル100%)であるが、バスの後ろに立っても異臭は全くない。残りは液肥として牧草地に散布され、沈殿物は乾燥されて固形肥料となる。このように殆ど残されるものなくリサイクルされ、焼却されるものはほんのわずかである。オーストリアでは埋め立て処理はゼロであり、焼却場は全国に4基しかない。ちなみに日本の焼却場の多さは異常で全国に1600基以上ある。
日本に帰って連日35℃を超す気温と90%近い湿度が続くのには閉口した。このいやな夏の気候は性格を歪めるのかも知れない。 |