この憲法学者の発言が流れを変えた。ぼくらもこれに続こう。
去る6月4日に審議中の安全保障関連法案について国会に招かれた憲法学者3人がそろって「憲法違反だ」と断じた。憲法審査会で、内閣の出した法案の正当性について専門家の意見を求めたものであった。
与野党の協議によって選ばれた長谷部恭男、笹田栄司の両早大教授、小林節慶大名誉教授が参考人として招かれた。その3人全員が「違憲である」としたことを受けて、140人の法学者が反対アピールを出したり、戦争法反対デモが起きている。14日には2万5千人が国会周辺でデモをした。
やっとここに来て、メディアも無視できず少しずつ報道するようになってきている。その、きっかけとなった3人の憲法学者の二人が6月15日有楽町の海外特派員協会で記者会見を行った。その内容がYouTubeで見ることができる。
YouTube URL: https://www.youtube.com/watch?v=1pcUEXsCcSc
記者とのやり取りの中から抜粋した。<抜粋と書き起しはブログ管理人>
Q: 安倍首相を取り巻く「日本会議」と言うのはどういう集まりか?
小林節: 第二次世界大戦に負けた事が受け入れられない人々の集まりです。明治憲法下で日本が世界の軍事大国となって行こうとしていたころに、指導的立場にいた人たちの子孫の集まりです。明治時代の日本に戻して米国と世界をリードして行きたいと考えており、自民党の中に深く広く浸透している。
Q: 山東昭子氏が、長谷部先生を推薦した人は処罰されるべきと言っていた。また、高村氏は学者の意見を政治家が聴いていたのでは国は亡びると言っていいたが、両先生はどう反論するか。
長谷部: 憲法学の専門家として推薦されたと思っている。私は立憲主義者である。
小林: この安全保障法案は国を危険な方向に導くので、政府は学者の意見を聞くべきである。
Q: 日米防衛ガイドラインで日米政府が取り決めた事に対し、政府はその約束を履行しようとしているのだと思う。もし安全保障法案が成立しなければ、日米間関係が悪化することにはならないか。
長谷部:ガイドラインは日米安保条約の枠を超えている。約束してはならない事を約束したのだから、成立しなくて当然だ。その為に一時的には日米関係が悪化することもあるかもしれない。
小林: 日米関係は悪くならない。なぜなら日米の官僚は大変頭が良くて「ガイドライン」に法的拘束力が無い事を良く知っている。彼らの希望を話し合ったまでで、ガイドラインの上には安保条約が有り、更にその上には両国の憲法が有る事を知っているので、できなければ「やっぱり駄目だったね」で終わるだろう。
Q: 違憲であると言うのであれば、裁判所に訴える事ができるのではないか。しかし、最高裁判決は政府側判断と思われるものが多いように思うが。
長谷部: 最高裁は最近少し変化してきているので期待はできる。しかし裁判に頼るだけでなく、次の総選挙で政権をひっくり返しこれらの法案を無効にする法律を作るべきである。
小林: 弁護団として訴訟の準備は進めている。この法律が効力を発した時点で、憲法で保障されている「平和に暮らす権利」が侵されるので、これを裁判に持ち込む事を検討中である。実際にはいろいろと困難があって簡単では無い。実際には、海外派兵命令を拒否した自衛隊員が、命令拒否で懲罰を受けた時に「違憲訴訟」ができると考えられる。また、派遣された自衛隊員が死亡した時には家族が「違憲訴訟」を起こす事ができる。これらの為に今準備をしている。
小林: 狂ってしまった政治は次の選挙で潰せばよい。
小林: 憲法違反がまかり通ると、憲法に従わないでルールを作ると言う北朝鮮と同じになる。安倍家と金家は同じになる。自衛隊が米軍の二軍になり傷つき損害を被り、何も良い事は無い。何としても選挙で落とさなければならない。
Q: 内閣法制局と言うのが理解できない。憲法は最高裁判所が判断するのではないのか。三権分立はどうなっているのか。
長谷部: 内閣法制局はフランスの制度である。以前はそれなりに機能していた。
小林: 憲法の入り口は内閣法制局、出口は最高裁判所と役割が決まっていた。内閣法制局の独立性は過去の政府では保たれていた。しかし安倍政権は内閣法制局を内閣官房の部局に格下げし、法制局長官の人事権を掌握した。これは歴史的な重大変革であった。
Q: 菅官房長官は憲法学者の中には、この安全保障法案が合憲であるとする学者も大勢いると言っている。両先生は何%位いると思うか。また、大多数の憲法学者が違憲としているのであれば、当然最高裁判事も憲法の専門家であるはずなので違憲の判決が出るはずではないか。そして、違憲判決が出た場合は政府はどのようにすべきと考えるか。
長谷部:憲法学者の95%は違憲であると言うと思う。弁護士の方は小林先生に聞いてください。最高裁で違憲判決が出た時には恐らく政府は別の顔ぶれになっていると思う。その政府の罪は、違憲と分かっている法律をそのままにしていた罪となる。もちろん法律を作った過去の内閣も有罪となる。
小林: 弁護士のほとんどは、その憲法学者から学んだ学生なのでもっと割合は高くなると思う。しかし、最高裁訴訟と言うのは最低4年は掛かる。判決が出た時には別の政権になっている可能性が高い。それよりもまず、次の参議院選で野党が過半数を取ることで、参議院で与党を過半数割れに持って行く事だ。その上で、国民世論を盛り上げて衆議院で逆転させることが大事だ。
以上は、YouTubeからのブログ管理者が要約したものであるので、できれば皆様には是非YouTubeを見て戴きたい。
やっと、少し国民にも動きが出てきた。この流れを止めずに国民運動へと大きな流れにして行くのは、我々一人ひとりの今後の行動に掛かっている。私はいつも言っていることは「戦争ができない変わった国の方が、戦争ができる普通の国より好きだ。」である。 |