ダンテの森    
23 Apr 2015 11:53:51 pm
全原発を再稼働
全ての原発を再稼働させるつもりの安倍政権
公明党―自民党―内閣官房―経産省の連係プレーで党公約も反故に
ブログ管理人

温室ガス削減、目標高く 菅官房長官に提言
公明党対策本部と環境部会

公明新聞 2015/4/22

 公明党の地球温暖化対策本部(斉藤鉄夫本部長=幹事長代行)と環境部会(若松謙維会長=参院議員)は21日、首相官邸で菅義偉官房長官に、2020年以降の日本の温室効果ガス削減目標に関する提言書を手渡した。
 斉藤本部長は、6月の先進7ヶ国首脳会議までに、欧州連合(EU)や米国など主要先進国に見劣りしない温室効果ガスの高い削減目標と、具体的な行動計画を提示するよう強く要請。
 エネルギーの電源構成に関しては、政府がエネルギー基本計画で示した、2030年時点で総発電量に占める再生可能エネルギーの比率2割を「更に上回る水準の導入」について、その実現に努めるべきと協調。その上で公明党内で「30年時点で30%にすべき」との議論があったことを踏まえ、「さらに意欲的に再エネ導入に取り組んでほしい」と訴えた。
 具体策としては、温室効果ガスである「フロン」を使用しないノンフロン製品の開発・普及や、省エネ設備の購入促進、工場から出た二酸化酸素を回収して地中に貯留する技術の実用化などを提案した。菅官房長官は「提言を十分踏まえ、計画を立てたい」と応じた。
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 以上が22日の公明新聞の記事であるが、公明党は去る2012年12月の総選挙の際に党公約として、再エネ比率を2030年に30%にすると国民に約束している。同じ選挙公約ちらしの大見出しは「公明党は原発0の日本をつくる」である。このチラシはA4カラー8ページ建てで、支持母体の創価学会の支持者に配布され選挙運動に使われた党が作った正式な資料である。
資料URL: https://www.komei.or.jp/campaign/nipponsaiken/nuclear0/
ここで、具体的に再エネ比率を2030年に30%と明記されており、これは斉藤鉄夫氏が菅官房長官に述べている「議論があった」と言うレベルのものでは無い事が明白である。何をいまさら数値は取り下げた上で仰々しく「提言」などと言うのか、数値目標のない提言など単なる白紙委任状に過ぎない。支持者に約束した公約はどうなってしまったのか、この党の理想はどこに行ってしまったのだろうか。

 次は、自民党の資源・エネルギー戦略調査会の提言である。

再生エネ:2030年目標「3割以上」…自民委員会が提言
毎日新聞 2015/04/22 11:13

 自民党の資源・エネルギー戦略調査会の再生可能エネルギー普及拡大委員会(柴山昌彦委員長)は22日、2030年に再生エネ導入量3割以上を目指すとの提言をまとめた。2030年の総発電量に占める電源ごとの割合(エネルギーミックス)の検討では、経済産業省が電力料金上昇などを理由に20%台半ばに抑える方針だが、再生エネの拡大を求める地方自治体からも高い導入目標を求める声が相次いでおり、今月末の取りまとめに向けた攻防が激しくなっている。

 同委は再生エネ導入を推進する理由として「再生エネは純国産のエネルギーであり、地域経済にも好影響をもたらす」と提言した。

 再生エネ導入には、地方自治体からの要望も増えている。岩手県町村会は17日、「2030年に電力需要の30%」を目指すよう望月義夫環境相に要望した。森雅志・富山市長も同日の記者会見で「30%程度を再生エネでまかなう高い目標を」と述べ、近く国に要望する方針。黒岩祐治・神奈川県知事は20日の全国知事会議で「いま認定されている太陽光発電が稼働するだけで20%いく」と述べ、35%の目標設定を求めた。

 2030年の電源構成を巡っては、環境省が今月、再生エネを最大35%まで拡大可能だとする試算を公表したが、宮沢洋一経産相は記者会見で「(環境省試算を)電源構成を決める議論で用いることはできない」と否定している。【渡辺諒】
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 以上は毎日新聞の記事であるが、公明党の提言には数値目標が設定されていないのに対し、自民党からの「提言」には2030年に30%とある。その上ぴったりの両党のタイミングが同じで、丁々発止と息の合っているところを見せ付けてくれた。そしてその翌日の経産省からの最新のニュースは、原発を以前のようにフル稼働させると言う計画の発表である。

経産省、原発比率20〜22% 2030年の電源構成比
東京新聞TOKYO Web(共同) 2015/04/23 21:56

 宮沢洋一経済産業相は23日、エネルギー政策の焦点である2030年の電源構成比率をめぐり首相官邸で関係閣僚と会談し、原発を「20〜22%」とする経産省案を提示した。再生可能エネルギーは「22〜24%」とした。
 宮沢経産相は会合後、記者団に「(電源比率は)全く決まっていない」と述べた。経産省は28日に開く有識者委員会にこの案を素案として示す。政府は5月の取りまとめを目指す。
 安倍晋三首相周辺は当初、原発比率を18〜19%とする方向で検討を進めていた。福島原発事故前と同じ2割台では、世論の理解が得られないとの懸念もあり、経産省や環境省との調整を進める。

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 この一連の与党の動きは、要するに原発は全て稼働させるのだとの安倍政権の意志は固いと言う事を表している。ストーリーは公約を大っぴらに翻すわけには行かない公明党がまず、数値は決めないがもっと高い努力目標を出すことにしましょうと政府に勧めた形を取り、すかさず自民党が政府に対し、2030年には最低でも30%は再エネ比率をと、提案する。それを聞いた経産省が、再エネが20%を超えると電気代が上がるぞと脅し、CO2を出さないためには原発を以前なみに動かす必要があると結論付ける。公明党の主たる運動員である家庭の主婦は電気代が上がってはたまらないと、原発再稼働も認めるだろうとの読みである。原発ゼロの日本を作るはずの公明党はこれによって消え去った。緻密に考えられた広報戦略は大手の広告代理店が考えたものだろうか。

 因みに、日本は国際世論から要求を突き付けられていた去る3月31日までに2020年以降のCO2の削減目標も出していない。CO2削減目標策定に欠かせない基本的なデータであるエネルギー需要見通しも確定していない。今あるのは、2030年まで増え続けるエネルギー需要を前提とした2009年策定のものだけで、生産人口減少による経済活動の低下によるGDP低下などを考慮した、現実に沿ったエネルギー需要見通しはできていない。4月16日の国会エネ調(準備会)での、資源エネルギー庁の話しによれば、現在検討中とのことである。この基本データなしに議論されている○○%の議論は、国民を騙すための芝居である。これら3本の異なる媒体によって報道されたニュースから、このようなストーリーを組み立てるのはブログ管理人の深読み癖によるものかも知れない。
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