ダンテの森    
29 Nov 2014 06:57:39 pm
環境関連の出版物
少なくなる一方の環境関連書籍の出版
ブログ管理人

 ファクター5の出版が終わった4月から、ほぼ週2〜3回の割で図書館に通っている。図書館ですることは、まず主要日刊紙に全て目を通して環境関係の記事を読むことである。ついでに必ずチェックするのは、新刊書の広告と書評欄である。どの日刊紙の題一面の下の3段は新刊書の広告と決まっている。今年の3月から今日までチェックした中では、環境関係の書籍の広告は殆ど無かった。統計を取ったわけでは無いが、一番多いと感じるのは健康関連でこれが無い日はまずないと言っても良いくらい多い。つぎはライフスタイル関連、歴史も結構多い、ハウツーもの、ノウハウもの、旅行関連、時事問題などが多く、文学作品は意外と少ない。繰り返すが環境問題関連の本は皆無と言って良い。

 図書館には、コンピュータ端末が備えて有り図書館内の蔵書検索ができるようになっている。この端末でキーワードを「地球環境」「地球温暖化」「省エネ」などとインプットして蔵書を調べる事ができる。その本が何時図書館の蔵書となったかも分かる。これで調べて見たら、環境関連の本が一番多く図書館に入ったのは2005年でこの年だけで100冊以上の本が入っている。2006〜2007年には急激に減り続けているが、それでも2007年には30冊位の本が入っていた。それが2008年には数冊となり、それ以降は毎年数冊かゼロの年が続いている。リーマンショックが起きたのが2008年であるので、それと符合する。景気の悪化がピークに達すると同時に、環境に等構っては居られなくなったと言うところであろうか。

 アマゾンで調べても2007年以降は、地球温暖化などの本はほとんど出ていない事も分かる。経済のデフレが始まった2001年から景気刺激策が始まったことと環境問題に蓋をしたことに関連が有ると思われる。政府は、エネルギー消費が減少する事は景気の後退を意味するとの解釈から、環境問題への取り組みは景気を刺激せず、それどころか景気を後退させかねないと考えて、国民を環境問題への真っ向からの取り組みをさせないような誘導策を講じた兆しが有る。それが、クールビズやワームビズと言う服装を夏は軽装にして冷房温度を上げ、冬は暖かいものを着込んで暖房温度を下げると言うキャンペーンである。

 これは、一見正しい事を言っている事が味噌である。確かに夏の無駄と思える程の冷房は、軽装にして冷房設定温度を上げるのは理に適っている。一時TVコマーシャルに、女性が家で厚手のソックスの重ね履きをして、暖房温度を下げると言うのが有った。しかし、これは人に環境に優しい事は幾分かの苦痛を伴うものであると言う潜在意識を埋め込むのが目的で有ったのではなかろうか。

 それが証拠に2008年から「オール電化」がキャンペーンされるようになる。これは、電力需要が減る夜間にも発電量の調整ができない原子力発電から出る余剰電力を、家庭で消費させるための政策で夜間電力割引料金が設定され、熱効率が悪い為に、すでに欧州では使用禁止となっていた夜間電力利用のタンク式の電気温水器で暖房と給湯をさせるものである。空気を汚さないクリーン暖房とのキャンペーンが功を奏して、3年後の2011年には、東京電力だけで原発三基分の200万kWの夜間電力消費が増えている。

 そして、2011年3月11日の東日本大震災以降は、災害からの復興も加わり、ますます経済の復興のみがまるで、日本人の目標のようになってしまい、環境問題は全て棚上げとなり、京都議定書からは2013年から離脱、CO2排出量目標は大幅に下げて、現在の目標は2020年において1990年に比べて+3%と言う
なんとプラス目標である。ちなみにドイツは2020年には1990年に比べマイナス40%を達成しようとしている。生物多様性を決議した名古屋議定書にも日本は産業界からの反対を理由に批准していない。

 官民一体となって反地球環境保護政策を進めているのが日本であるので、おおよそ国民の殆どは環境問題の存在すら意識をしていない。その為に、出版社は環境問題の本は出版しても売れないので出版もしない。作家も環境問題を扱っても売れないと思い本を書かない。新聞にも定期的に環境問題を載せる環境のページは無いし、環境の問題は一過性のトピックスとしか扱われない。そして日本国民の環境問題意識は薄くなって行く。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
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