ダンテの森    
15 Aug 2011 09:20:21 am
ダンテの森の管理人です
ダンテの森の管理人の吉村皓一です。
1947年生まれの団塊世代です。バブル時代を謳歌し、何度かの経済ショックも乗り越えてきました。その間に自分に刷り込まれた、経済は発展を続けると言う右肩上がり思考はなかなかぬぐい去ることはできませんでした。しかし、そのうち経済成長ありきの考え方に違和感を感じるようになったのは、1999年にウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士の「ファクター4」を読んだ事がきっかけだったのかも知れません。ファクターは倍率のことです。エネルギー効率を上げること=消費を下げることで同じ仕事やサービスをより少ないエネルギー消費で行える方法が多岐にわたって書かれています。当時、この本には何十もの地球温暖化の解決策が書かれており、それらは全て今すぐにでも実行可能なものに見えました。それを実行することで地球温暖化を止める事が可能だな、と半ば勝手に安心した気になりました。しかしその反面、それを実現すると数多くの既得権益が消え去る事になり、産業、金融、教育、ひいては国民の価値観まで変えてゆかねばならず、政治体制の根幹から変化しなければならないので、実現は難しいなと私なりの結論に達し、この本の事も忘れていました。その後911があり、リーマンショックがあり、私の中に巣くっていた成長経済万能の考え方は間違っていると考えるに到りました。その後、民主党政権となり何か政治に変化が現れるのかとの淡い期待も破れ、焦燥感は増すばかりでした。
2010年5月に東京で開かれたワイツゼッカー博士の講演会を聴く機会が有り、続編の「ファクター5」が上梓されている事も知りました。その後「ファクター4」を再読して驚かされたのは、提案されている数十の実現可能と思われる項目の内、実現されたのはハイブリッドカーくらいしか無かった事です。増え続けるエネルギー消費にブレーキを掛けるような政策は無く、それどころか増大するエネルギーを供給し続ける為に日本では「原子力立国構想」がぶちあげられていました。そして3月11日を迎えました。その直後ワイツゼッカー博士は「100年後200年後に、人類が原発から別離するきっかけとなったのはフクシマだったと言われるだろう。」とのコメントを出していました。
私は今「ファクター5」を英語、ドイツ語版で読んでいますが、和訳が出るとの情報は得ておりません。どなたかご存知なら教えて戴きたいと思います。この本は出来るだけ大勢の方に読んで戴きたいのですが、400ページ以上もあるハードカバーでどちらかと言うと学術書に近い本ですから、どうしても取っつき難いのでは無いかと思います。
そこで、私が一念発起してブログを立ち上げ「ファクター4」と「ファクター5」の内容を私なりに消化して毎日少しずつ紹介して行こうとしているものです。どこまで続けられるか分かりませんが、頑張りたいと思っています。
最後にブログの題名について一言。ダンテは「神曲」の中で森の中に迷い込みます。この森とはいわゆる娑婆世間の事であり、悩めるダンテ本人の心の中であり、現代社会そのものと言って良いと思います。それで「ダンテの森」としました。何故ダンテなのか?私の同居人で今年10歳になるアメショーの男の子の名前だからです。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
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