ダンテの森    
24 Sep 2014   04:44:53 pm
石油財閥が石油離れ
世界最大の石油財閥、ロックフェラー兄弟財団が、石油・オイルサンドなどの化石燃料投資から撤退宣言(AFP)
Finance GreenWatch 2014-09-23

【9月23日 AFP】世界最大の石油財閥であるロックフェラー一家が22日、化石燃料に対する投資を止めると発表し、米ニューヨークで23日に開かれる国連の気候変動サミットにとって大きな後押しとなりそうだ。

 サミットを翌日に控え、民間機関や個人、地方自治体などによる連合はこの日ニューヨークで、化石燃料に対する計500億ドル(約5兆4000億円)以上の投資撤退を宣言した。この連合には資産規模8億4000万ドル(約900億円)のロックフェラー兄弟財団(Rockefeller Brothers Fund)も含まれており今後、化石燃料との関わりを可能な限り減らし、また環境に最も有害なエネルギー源とされる石炭灰と油砂(オイルサンド)へのすべての投資を止めると発表した。

 ロックフェラー兄弟財団は、ジョン・D・ロックフェラーの子孫たちによる財団。石油王ロックフェラーが創始したスタンダード・オイルの後身である世界最大級の石油大手、米エクソンモービルは、気候変動に関する取り組みの敵となることが多い。

 化石燃料産業全体の規模に比べれば投資撤退の規模は小さいが、気候変動問題に取り組む人々からは歓迎の声が上がっている。南アフリカのデズモンド・ツツ元大主教は、この宣言を歓迎するビデオ・メッセージを発表し「私たちはこれ以上、化石燃料への依存を支えるわけにはいかない」と述べた。
原文URL: http://financegreenwatch.org/jp/?p=47061

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 安倍首相は、日本の大学で14,000人の環境の専門家を作り、世界に環境問題解決の為の人材を提供すると国連で演説をぶったらしいが、京都議定書第二約束期間から離脱した言い訳も、米国、中国を始め各国が掲げている2020年までのCO2削減目標を策定していないことについてもだんまりを決め込んでいる。肝心要の事には触れず、大言壮語をまるで目つぶしのように投げる。アメリカを代表する石油資本のロックフェラー家が化石燃料から距離を置くと言う時代を感じる事ができないのが日本の指導者である。

 最近、数名の教育者と懇談する機会が有ったが、学校の教育現場では311の発災以降環境問題から距離を置く傾向がはっきりと表れていると言う。子供たちにつけさせていた節電や、資源の無駄使いを無くすための「チェックシート」等も教育指導要領から消えてしまっているとのことである。2005年から始まった国連環境教育の10年の最後の年であるが、特に何の動きもないらしい。この国は、どうも間違った方向に進んでいるように思えてならない。
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20 Sep 2014   11:51:25 am
私たちの地球
クリスティアナ・フィゲレス(Christiana Figueres)
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長

<国連環境計画(UNEP)の日本での広報活動は、宮内淳さんが主宰する公益財団法人地球友の会 http://www.aoe.or.jp/ が行っている。その広報誌の一つOur Planet(私たちの地球)の最新号からの記事である。>



2014年は気候変動の目標を達成する年であり、そうすることが求められています。大気中の温室効果ガス濃度は過去80万年で最も高く、この10年間に毎年平均およそ2.7%も上昇し続けています。70億人という世界の人口は90億人を超える勢いで増加しつつあり、これらの人々を新たな転換の軌道に乗せるためには、この濃度の上昇を劇的に食い止めなければなりません。
それには、人々のニーズと地球のニーズを一致させなければなりません。今年は、とりわけUNEPと世界気象機関(WMO)が主催した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第5次評価報告書において、これまでになく冷静かつ詳細に科学的な現実が概説されています。
しかし今年は、ありのままの科学や暗い影響に目を向ける年であるばかりでなく、驚くべき飛躍を遂げる年でもあります。実際には現在のところ、今世紀の地球の気温上昇を摂氏2度以内に抑える結果にはなりそうにありません。しかし、多くの政府が新たなレベルの目標を示しており、仮にそれらが拡大・加速されれば、すべての人にとってより安全かつ健康で豊かな未来への最初の架け橋となるかもしれません。以下に、そのごく数例を挙げます。

・モロッコは最近、2020年までに42%とする再生可能エネルギー目標を発表した。太陽光関連のプロジェクトだけでも90億ドルとなる見込みだ。

・欧州連合(EU)は2030年に向けた目標として、二酸化炭素排出量40%削減、再生可能エネルギー割合27%を提示した。

・メキシコのラパスでは、発電容量30メガワットのプロジェクトとして、ラテンアメリカ最大と目される太陽光発電所の建設がスタートした。

・今や世界最大の風力発電国となった中国だが、昨年は記録的な12ギガワットもの太陽光パネルを導入し、今年はさらに14ギガワットを導入する予定である。

・ジャマイカは2030年までに電力の20%を再生可能エネルギーでまかなう計画である。

・発電容量21メガワットのジャマイカのウィグトン風力発電所など、多くのクリーンエネルギープロジェクトは、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の支援を受けています。実際に、2011年に行われた途上国の再生可能エネルギー投資の半分はCDMプロジェクト関連でした。

・発電容量21メガワットのジャマイカのウィグトン風力発電所など、多くのクリーンエネルギープロジェクトは、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の支援を受けています。実際に、2011年に行われた途上国の再生可能エネルギー投資の半分はCDMプロジェクト関連でした。<以下略>

原文URL: http://www.ourplanet.jp/PDF_files/OurPlanet_Vol35.pdf

 このように各国、CO2削減の努力をしているが日本のとっている態度は次の通りである。
2012年12月、カタール・ドーハで約2週間にわたり行われていた気候変動枠組み条約第18回締約国会議(COP18)は8日、温室効果ガスの排出削減など世界的な気候変化に対処するための京都議定書の効力を2020年まで8年間延長することを決めて閉幕した。
 会議には195カ国の代表が出席し、欧州連合(EU)をはじめとする38カ国は20年までに温室効果ガスの排出量を、1990年に比べ最大20%削減することを約束した。08−12年の削減目標は8%だった。しかし、これまで議定書に参加していた日本、カナダ、ロシア、ニュージーランドの4カ国は「延長後は法的な削減義務を負わない」として京都議定書から事実上離脱した。米国は議定書発効時から削減義務履行を拒否していたが、2014年からの約束期間には批准した。
 日本は東日本大震災からの復興が最重要課題であると言うのが議定書からの離脱理由であるとしているが、復興がなぜCO2削減の阻害要因となるのかは全く不明である。ちなみにこの決定に対し、日本の産業界は大歓迎の意志を表明している。
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12 Sep 2014   09:22:30 am
都市のグリーン化
エネルギーの都をグリーンに――ヒューストン市の取り組み
アニス・パーカー(Annise Parker)ヒューストン市長

UNEP広報誌OurPlanet2014年4月号より

計測できないものは管理できない。これは古い格言ですが、今も真理を語っています。重要な成功要因を測定しなければ、計画やプログラムが改善されているのか悪化しているのかはわかりません。

ヒューストン市は温 室 効 果 ガス(GHG)排出量削減の進捗状況を評価するうえで、エネルギー利用、輸送、廃棄物という3つの分野を非常に重視しています。

2007年のコミュニティレベルのGHG 排出インベントリを見ると、58%は建築・産業エネルギー部門、32%は輸送部門、10%は廃棄物部門から排出されていることがわかります。私たちはこの3分野の排出量削減を重点的に行い、大きな成功を収めています。ヒューストン市の市営業務による排出量は2007年のインベントリから26%減少しました。私たちはこれを大変誇りに思っています。

私は南アフリカのヨハネスブルクで開催された「C40(世界大都市気候先導グループ)市長サミット」で、ヒューストン市は2014年と2015年にGHG排出量を5%削減し、2016年までに全体で10%削減することを公約しました。そのためには、引き続き市の建物についてエネルギー効率化とLEED認証の取得を行っていきます。ちょうど今年、さらに1,000万ドルの予算を投じる市立図書館のプロジェクトを発表したところです。そして、これらの建物のために再生可能エネルギーの購入を増やしていく予定です。また、LED街路灯やスマートエネルギーなどの新技術を活用して、エネルギーの使用を削減していきます。

さらに、ハイブリッド、電気、CNGなどを動力源とする車の使用も増やしていく予定です。ところで、私たちはどうやって26%もの削減を達成できたのでしょうか?

それは建築物のエネルギー消費の削減です。
ヒューストン市は2008年から600万平方フィート(=約55.8万平方メートル)の建物を改修し、6,000万ドルを投じてエネルギー効率化を行ってきました。その結果、現在は年間2,200万キロワット時以上の電力を節約しており、単純計算すると、10年以内に元金を回収できます。ヒューストン市は毎年623,000メガワット時のグリーン電力を購入して年間の電力需要量の半分をまかなっており、都市が購入する再生可能エネルギーの量としては国内最大を誇ります。

さらに、信号のある2,450カ所の交差点のすべての白熱灯をLEDに交換したため、360万ドル以上の電気代を節約でき、エネルギー使用量が年間9,821,496キロワット時も削減されました。私たちは300を超える市営施設を基準に照らして評価し、それらの施設のエネルギー使用強度を監視しています。また、23件の建物についてLEED認証取得プロジェクトを完了し、2014年にはさらに4件のプロジェクトを実施する予定です。<以下略>

原文URL: http://www.ourplanet.jp/PDF_files/OurPlanet_Vol35.pdf

 このように、CO2削減の基本は省エネである。省エネと言っても現在使っているエアコンの使用量を我慢して減らすとか、照明を暗くして電気を節約するのではない。建物を低エネルギー化改築する事で、快適さはより以上になり消費エネルギーも少なくなる。低エネルギー化改築に掛かる費用は、ほぼ新築の10%程度のものである。ヒューストン市の例に有るように約10年で改築費用のもとが取れる。先日、ブログ管理人の住む東京都町田市の石阪市長にお会いした時に聞いた話であるが、現在町田市の小学校の低エネルギー化改築を進めているとの事で、その結果電気代が30%以上安くなったと話していた。

 日本は省エネ先進国ですでに乾いた雑巾状態であるので、もう省エネの絞り代が無いと言う人がいるが、それは間違った認識である。建築部門に於けるエネルギー浪費は大変に大きく、低エネルギー化改築は進んでいない。まず建築の低エネルギー化改築を行えば、すべての原発は廃炉にできる。

 ヒューストンと言うとテキサスの石油資本の御膝元で最もグリーン化に疎いと思われがちであるが、さにあらず。グリーン・ヒューストンのホームページに詳しい(英文)URL: http://www.greenhoustontx.gov/index.html
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04 Sep 2014   07:12:46 pm
加州はレジ袋を禁止
カリフォルニア州議会はレジ袋の使用の全面禁止法案を可決した。
米国カリフォルニア州サクラメント2014-08-28発
EWS-Newswire

 カリフォルニア州議会は8月28日、44対29の賛成多数でプラスチック製の使い捨てショッピングバッグの使用を禁止する法律SB270を可決した。同法案は同州選出の上院議員で民主党のアレックス・パディラ(Alex Padilla)氏他2名により提出され、この法律は2015年7月からスーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどで使い捨てのプラスティック製ショッピングバッグの配布が有償/無償を問わず全面禁止される。

 これらの店舗では、紙のショッピングバッグや使い捨てでは無い厚手の生分解性プラスティック製ショッピングバッグを最低価格10セント(10円)で販売する事ができる。この法律の目的は、消費者が自分のショッピングバッグを持って買い物に来ることを教育する事に目的がある。同法は、事業者に対し最大2百万ドル(2億円)までの従来のレジ袋から新しい法律に適合するために出た損失を補てんするための特別貸付を用意している。

 パディラ議員は語る「レジ袋は、海岸での問題だけではない。レジ袋は山岳、砂漠、河川、せせらぎ、湖沼、公園、道路など、州のどこに行っても目につく。現在もロスアンゼルス市とサンフランシスコ市では既に同様の法が施行されているが、これでカバーされるのは州の総人口の35%に過ぎない。全州に渡った対策が必要なのです」。

 共和党はこの法案に反対で、このような法は増税と同じで、地元のビジネスを邪魔するだけで何の効果も無い。その上雇用も減らすとしているが、州内の数多くの環境保護団体や労働組合はSB270に賛成である。

 同法案は昨年もパディラ上院議員によって提出されたが、過半数に3票届かず廃案となったもので、1年間のロビー活動の結果今回の可決となっている。昨年反対した2名の議員は、レジ袋工場を経営しており労働者を解雇することを恐れて反対したが、彼らの地元の環境運動団体からの強い働きかけで今回は賛成票を投じた。<以下略>

原文(英文)URL:
http://ens-newswire.com/2014/08/28/california-assembly-passes-statewide-plastic-bag-ban/
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29 Aug 2014   03:06:38 pm
1950年〜増加の一途
世界の発電所のCO2生涯排出量を初算出
ナショナルジオグラフィック ニュース 2014-08-28

 カリフォルニア大学アーバイン校およびプリンストン大学の科学者らが発表した新たな研究結果によると、世界中に既存する発電所は、今後大気中に3000億トン以上の二酸化炭素を排出しようとしているが、現行の観測基準はしばしばこうした長期的な排出量を考慮に入れるのを怠っていると指摘する。

 8月26日付け科学ジャーナル「Environmental Research Letters」に発表された研究は、世界中の発電所がその一生のうちに排出する二酸化炭素の量を複数年に渡って評価した初の報告書である。

 いまだかつてない急成長を続ける世界のエネルギー需要を満たすため、世界の電力セクターによる温暖化ガスの予想排出量、つまり現在稼働中の発電所がその一生のうちに排出する量は、1950年以来一度も減少したことがない。研究によると、これらの、いうなれば預託排出量は年に4%ずつ増加しており、2012年には3070億トンにまで達した。

 この研究が発表される数週間前、アメリカの環境保護庁(EPA)は初めて、既存の発電所からの二酸化炭素排出量を規制する案を発表、来年6月までに最終的な調整を行う予定だ。

 研究者らは、現行の国連による計算方法が、年間の二酸化炭素排出量を表にまとめただけのものであるとして、地球温暖化の影響についてより正確な図を描くなら、発電所が一生のうちに排出する量の予想も含めるべきだと指摘する。

「国際的な取り組みは、我々が毎年何を排出しているかにばかり焦点を当て、重要な点を見逃している」と、カリフォルニア大学アーバイン校の地球システム科学者で、報告書の共著者のスティーブン・デービス(Steven Davis)氏は述べている。

◆増え続ける化石燃料発電

 報告書は、国際的に石炭火力発電所への投資が増加傾向にあることを示唆している。西洋諸国では1980年代以降その建設は減少しているが、中国、インド、その他の開発途上国では増加している。

「二酸化炭素削減に世界的な努力がなされる中、実際にはその量は衝撃的な速さで増加している。発電所を建設すれば、40〜50年は稼動するだろう。その間、大量の二酸化炭素が排出されることになる」。

◆不完全な計算方法

 報告書はさらに、地球温暖化防止への国際的な取り組みに暗い見通しを示し、気候変動に関する協定で取り決められている排出制限に合わて排出量を計算する方法に疑問を呈している。

 現在、国際目標として、産業革命以前と比較して地球の気温が2度以上上昇するのを防止する気候モデルが設定されており、報告書の執筆者らは、現在稼働中の発電所が一生のうちに排出する二酸化炭素の量が、その許容量の大部分を占めていることを発見した。

 例えば、各国には排出削減目標として、全ての排出源からの量を合わせた許容割当量があるが、中国およびアメリカにある既存の発電所からの排出量は、その割当量のうち中国で53%、アメリカで21%を占めている。

 この研究では、EPAの提案した二酸化炭素排出削減規制は考慮に入れられていない。デービス氏は、この規制が報告書の中で予測している発電所の一生の間の排出量にわずかな影響しか与えないだろうと見ている。アメリカの発電所の平均年齢は36年である。報告書の中では発電所の耐用年数を40年と見積もっており、新たな規制案がこの研究で考慮された排出量へ影響を与えるには時間がなさ過ぎるのだ。

 現在、預託排出量は急速に増加しているが、デービス氏は必ずしも確定したものではないとしている。発電所が二酸化炭素を取り込む技術を導入するか、発電所自体が早期にリタイアすれば、排出量は減少できる。しかし、デービス氏はその可能性は低いと見ている。


記事原文URL: http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140828001
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