ダンテの森    
18 Jul 2012   09:53:40 am
メルケル首相のあせり
経済問題は数年に時間をかければ解決できても、地球環境は今すぐ手を打たなければ取り返しが付かなくなる。

 7月16、17日にベルリンで世界環境大臣会議が開かれた。この会議はドイツのメルケル首相と本年12月7日開催される国連環境会議の議長国であるカタールが世界に呼び掛けて開催されたものである。

 開催に先立ちメルケル首相は地球温暖化対策の目標に掲げている2℃はそう簡単に達成できるものではないとし、参加各国の代表に対し社会や政府の抵抗に打ち勝つ努力を求め、「世界には環境問題を議論することから距離を置こうとする勢力が多く存在する。」この難解なテーマをさらに難しくするのは「環境保護そのものが、その形態を変化し続けることにあるからです。」と訴えた。

 また、彼女は世界のこの問題に対する姿勢の変化にも触れ、「私が環境大臣であった1994年頃は世界中が環境問題に強い興味を持ち挑戦的であったが、今は環境問題を論ずることすら戦いになっています。これを元に戻さねばなりません。」と語った。さらに2009年のコペンハーゲンの国連環境会議を振り返り、首脳レベルの会合は「誰が、どの程度のことならやっても良いと言うかを観察する、興味深い演習だった。」とし、京都議定書の期間終了の2012年から2020年までの新たな枠組み作りをしなければならないとしている。

 この会議は本年カタールのドーハで開かれる国連環境会議が実りあるものとなるようにと、メルケル首相が旗を振って各国の環境大臣を招待した結果31カ国から大臣級の参加があった。目的は各国の環境大臣にやる気になってもらいドーハ会議での議事の進行がスムースに運ぶ事と、各国の積極的な関与が必要である事を訴える為である。このところの国連環境会議にはテンポが欠けて来ている。世界に広がっている経済不況、各国の財政状況の悪化、ユーロ危機等の経済問題の陰に環境問題が隠れるような事がないようにする為である。

 経済問題は何年か時間をかければ解決できても、地球環境はこの数年で我々がしかるべき手を打つことをしなければ永遠に取り返しがつかなくなってしまうのである。

 ドイツは独自に1990年を基準にして2020年に40%、2030年に55%、2040年に70%、2050年には80-95%の地球温暖化ガスの排出削減を決めている。
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15 Jul 2012   10:39:03 pm
家電のリサイクル
プラスチックの70%をリサイクル


 家電製品は年間60万トンが廃棄されている。2001年に施行された家電製品リサイクル法により全ての家電製品は生産メーカーが責任をもってリサイクルしなければならなくなった。

 家電製品の約20%はプラスチックである。金属やガラスは以前からリサイクルが確立しており分別後再生されているが、プラスチックは種類も多く、使用されていた個所により、変質や劣化も激しく、手解体で大きなプラスチック部品として取り外せるものは別にして、純度が悪くても使えるプラスチック製品などの用途しか無く、殆どは燃料として燃やされ本来のプラスチックとしての再生はされていなかった。

 三菱電機のホームページに家電製品のプラスチックの本格的リサイクルが紹介されている。三菱電機が設立した㈱ハイパーサイクルシステムズ(HCS)は三菱電機が回収する年間56,000トンの家電廃棄物を処理する。うちプラスチックは10,000トンである。手解体で大きな単一種類のプラスチックは600トン分離され、それはそのまま原材料にリサイクルされる。残りの9,400トンは破砕機にかけられ、金属を分離した後さらに微破砕され細かい混合プラスチックの粒の状態の中間製品として出荷される。

 この中間製品は、やはり三菱電機が設立した㈱グリーンサイクルシステム(GCS)に送られる。GCSはこの中間製品を3大プラスチックつまり、ポリプロピレン(PP)、ポリプロスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)に分別して回収することで70%のプラスチックを純度の高いプラスチック原材料として回収し、三菱電機の家電製造の材料として使っている。つまりこれらのプラスチックは新たな地下資源を使っていないプラスチックである。大変好ましい取り組みである。
次のURLで詳しく見ることができる。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/eco_sp/plastic_sp/index.html

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13 Jul 2012   05:57:44 am
個人の環境問題意識
日本では環境問題は政府や企業が考えること

 EEA(European Environmental Agency)は6月20日欧州域内の乗用車から排出されるCO2に対する規制を発表した。2011年には1280万台の新車が登録されたが、その一台当たりの平均CO2排出量は135.7g/kmで、2010年に較べて4.6g(3.3%)減少した。

 2011年は現在の規制期間の最終年である。次の規制は2012年に始まり2015年に最大130g/kmに、さらに2015年には95g/kmにするとしている。

 EEAの調査によるとCO2排出量削減ができた理由の第一は消費者のマインドの変化、第二にはエンジン等の技術革新であったとしている。

 本年三月に開かれたジュネーブのモーターショーでもECOの文字は消えて、今は大きく書かれた120g/kmとかCO2排出量が最もアピールされていた。欧州の消費者は自分の乗る車が1km走る毎に何グラムのCO2を排出しているかを気にするようになったと言う事である。

 日本では、従来省エネや環境対策は大企業がやるべき事と決まっていた。1970年代の石油ショック以来、日本の大企業はこぞって資源利用の効率アップを改善提案運動等により進めて来て1990年代には世界で最も省エネが進んだ産業構造を作った。文字通り環境先進国となったがそれは政府と産業界が作り上げたものであった。バブル崩壊後の日本は、大企業は省エネはやり尽くし、国民に省エネを問う事は景気の後退につながるとの恐れから、環境問題はおざなりになり、20年間の足踏み状態が続いて居り、国民の環境問題意識は低いままである。

 欧州では環境問題=エネルギー問題は国民レベルに広がり、一般市民の環境問題意識の啓蒙が盛んになり、国民の圧力が政府を動かし、企業を動かしている。

 アメリカと日本の自動車ユーザーはガソリン代を気にし、欧州の自動車ユーザーはCO2の排出量を気にする。結果は同じでもその動機の違いは自ずと環境問題=エネルギー問題への取り組み方の違いに現れる。

EEAの報告の原文:
http://ec.europa.eu/enterprise/newsroom/cf/itemdetail.cfm?item_id=6021&lang=en
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08 Jul 2012   11:36:06 am
大都市とEV
EVは都市の環境をきれいにする事は間違いないが、EVが現在の自動車の量よりも増えないように歯止めが必要。

By Derek Top GreenBiz.com Created 2012-06-28 15:46

 最新の調査によると環境問題に積極的に取り組んでいる世界の大都市がEVによってCO2の排出量を削減しようとする取り組みは、2020年までに2000万台のEVを都市では走らせようとしている事が分かった。

 「EV都市ケースブック」と題するこの調査は、世界の代表的な都市の開発状況の現状、EVインフラのケーススタディー、EV優遇政策、市民教育プログラムについての調査が行われた。この報告書はIEA、ロッキーマウンテン研究所、クリーンエネルギーEV研究所とC40が発行しており、世界の16の都市について行われた調査報告である。

 対象の都市は、アムステルダム、バルセロナ、ベルリン、ブラバントスタッド(ニュージーランド)、ハンブルグ、ヘルシンキ、神奈川県、ロスアンジェルス、ニューヨーク、北東イングランド、ポートランド(オレゴン)、リサーチ・トライアングル(ノースキャロライナ)、ロッテルダム、上海、ストックホルムでこのうち1/3の都市では既にEVが走っている。

 報告書は、補助金制度、税制上の優遇措置、登録費用免除、道路通行料金優遇、駐車場優遇、充電設備への投資補助措置について調査している。これらのいくつかの都市では都市が発注する車両をEV化する事で市場の立ち上がりを援助しようとしており、公用車、公共交通、タクシー等をその対象にしている。幅広い納税者の立場と言う意味で、計画者、自動車メーカー、インフラへの納入企業そして一般市民に対して、技術的、経済的、EV導入に当っての問題点について理解を得ることが重要であったと述べている。

 実施にあたり重要な戦略はやる気のある市長と、その下で公共と民間とをいかに結びつけるかである。

 今後、これらの都市はデータをネット上で共有する事で、リアルタイムな情報交換を行って、それぞれのプロジェクトの促進に役立てる。この報告書はこれからEVを導入することでCO2排出量の低減を図ろうとしている都市にとっては大変参考になる報告書であると思われる。

 ファクター5の立場としては、EVは確かに車一台あたりのCO2排出量は1/10に減らす事ができるが、その為に車の数が現在の10倍に増加したのでは、それはまさしくリバウンド効果となってしまう。

この記事の原文:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/06/28/global-cities-share-secrets-ev-readiness
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29 Jun 2012   05:58:31 am
リオ+20を終えて
持続可能性社会は民間がリード

GreenBiz.com 2012-06-25 By Tensie Whelanの記事から

 リオ+20は6月22日で閉幕した。予想通り開発途上国と既開発国との利害が一致することは無く、政治的には全て先送りとなったが、民間セクターの成果や活動を一堂に見ることができ、グリーン経済への移行への民間の取り組みが進んでいる事を感じることができた。

 NGOと企業が協力しての持続可能性への国際的な取り組みは成功の道筋を示唆しており、各国政府には企業やNGOを見習ってもらいたい。

 20年前のリオサミットは歴史的であった。持続可能な開発、生物多様性、森林保護、そして気候変動について数々の野心的な宣言や条約が採択され、近い未来とは言わないが何か未来に明るい見通しが開いたと感じたものであった。持続可能な社会へ政界経済が移って行く予感があった。

 そして20年が経過した。政治家達は20年前と殆ど同じことを話し合っているが、世界の数多くの企業やNGOは国境を越えて活動をして進んでいる事こそが持続可能性社会の足音である。企業は環境保護の観点から原材料の調達先を選ぶことを初めている。例えば製紙工場や家具メーカーが調達先が森林保護を行いながら木材を輸出しているのかを選択条件にし、その現地の森林保護の状況はNGOが行っている評価を採用している。このように新しいビジネスモデルが形成されていることは持続可能性社会のDNAともいえよう。

 今日、世界経済の10%はすでに何らかの形で持続可能性との関わりを持ちながらビジネスをおこなっている。しかし、10%では問題解決にはならない。100%に近付ける為には政治の力が必要となる。グリーン経済への移行は各国政府による法整備や規制が必要であるからだ。

 今回、リオ+20から何のお土産も持たずに自国に戻った政治家達は帰国した後すぐに行動をおこすべきである。

原文:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/06/25/some-good-news-and-next-steps-take-rio

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