ダンテの森    
04 Dec 2012   09:35:35 pm
CFP認定製品
キヤノン株式会社の業務用コピー複合機9モデルがCFP(カーボンフットプリント・コミュニケーション・プログラム)宣言認定を受けた。

 (社)産業環境管理協会(JEMAI)は2012年4月からCFP試行事業を経済産業省から引き継ぎ、同年7月から本格運用を開始している。今回の認定はその第一号である。

 CFPは製品やサービスの原料調達から、廃棄・リサイクルまで製品ライフサイクル全体に渡って排出される地球温暖化ガスの量をCO2に換算して表示する事を目的にしており、2013年にはISO14067として国際標準化される。

 キヤノン(株)は環境ビジョン「Action for Green」の実現に向けてCFPに取り組んでおり、製品ライフサイクルの各段階における環境負荷の把握と削減を推進すると共に、ユーザーに対し印刷設定の変更などを通じて、より環境負荷の少ない使用方法の提案も行っている。

 例えば同社のカラ―複合機CR-DG01-12004の場合、カーボンフットプリントは3500kgであるがその内訳は、●原材料調達段階 900kg、●生産段階 100kg、●流通段階 43kg、●使用・維持管理段階(想定印刷枚数180.5万枚として) 2300kg、●廃棄・リサイクル段階 130kgとなっている。

 今後、各社がCFP値を表示して行くことになるが、ユーザーとしては自分が使っている製品がどのくらい環境負荷を与えているのかを知る事で、購入時の機器の選択や、使用時の注意を払う事が持続可能性社会でのマナーとなって行く。

キヤノン(株)のURL
http://web.canon.jp/pressrelease/2012/p2012dec04j.html

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30 Nov 2012   06:05:01 am
NASAの持続可能基地
NASAの持続可能な建築物のモデル技術を詰め込んだ実験棟

 カリフォルニア州モフェットフィールドにあるNASAの研究所に建設された持続可能基地(Sustainability Base)と呼ばれる建物は、建設費2500万ドル(20億円)のゼロ・エミッションを超えた電力を生み出すマイナス・エミッションビルである。この建設費は通常のビルに較べ6%高くなっているだけである。世界のCO2排出量の40%は建築物から出されているが、世界のビルがこの様になれば持続可能性社会が見えてくる。

 このビルは2012年4月19日にLEEDプラチナ認定を受けたのは当然であると言えるが、これはNASAの地上ミッションの一つである。2階建て延べ床面積5万平方フィート(4600平米)のオフィス、研究棟である。

 国際宇宙ステーションをイメージした2つの重なるアーク(弧)状のデザインをしているが、これは立地における太陽運行を計算に入れた形で、奥行きは16メートルと狭く作られ、年間40日は自然光のみで仕事ができるような採光設計になっている。広い窓面積は採光面だけでなく働くスタッフが周囲の環境とのコンタクトを感じられる作りとなっている。快適な居住空間の提供はグリーンビルの大きな目的の一つである。

 外層は軽量断熱金属パネルで覆われ断熱効果を高めている。冷房は天井に冷水を流す輻射冷房方式を採用して、エアコンよりも少ないエネルギーで快適空間を提供している。暖房は窓側のパネルに温水を流す輻射暖房である。

 NASAお得意の燃料電池、太陽電池パネル、小型の風力発電と99の地熱井からなる地熱発電で作ったエネルギーはビルが消費するエネルギーを上回り、電力収支はプラスとなっている。

 水のリサイクルも国際宇宙ステーションの技術が使われ、90%がリサイクルされている。

次のURLで詳しくこのサステナビリティー・ベースが見れる(英文)。
http://www.nasa.gov/externalflash/sustainability-base/index.html

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29 Nov 2012   12:18:46 pm
マイクロソフトのグリーン化
GreenBiz.com 2012-11-26 James Murrayの記事より
マイクロソフトが都市排水発電でデータセンターを運用

 2012年11月19日の当ブログで、巨大データセンターはエネルギー浪費をしていると書いた。多くのデータセンターはバックアップ電力としてディーゼル発電所を併設しており、非常時に瞬時に切り替える為に常にスタンバイ運転をしている。

 世界最大のIT大手、マイクロソフト社はこの問題を再生可能エネルギーで解決しようとしている。

 アメリカのFuelCell Energy社の発表によると、マイクロソフトと共同でワイオミング州の都市排水処理場の固形物処理施設からバイオガスを発生させて燃料電池で発電した電力で運用するゼロエミッション・データセンターを計画中であると発表した。
最初の実験プラントはFuellCell Energy社の200kW型直接発電燃料電池(DFC)システムを使い、ワイオミング州シャイアンで行う。

 このプロジェクトには、地元の産業界、州政府、ワイオミング大学も加わり、地元挙げての新エネルギープロジェクトである。
燃料電池が発電する際に発生する熱は、下水処理施設の熱源として使用される。燃料電池発電は従来の回転機による発電に比べ熱変換効率が高く発電電力当りのCO2発生量が少ない上に、従来は都市排水の固形残渣が埋め立てられた後に発生するメタンガスが出なくなる為に、ゼロエミッションとなる。

 マイクロソフトのサンタクララ・データセンターのディーゼル発電所は2008年と2009年に最も大気汚染をする発電所としてサンフランシスコ湾地域の大気汚染リストのワースト1になっていたが、このプロジェクトが成功すれば一気に汚名を返上する事ができる。

 他の、データセンターもゼロエミッション化を進めている。

原文URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/11/26/microsoft-debut-sewage-powered-data-center

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28 Nov 2012   04:49:40 pm
消費の再考
消費者はより少なく、より賢く買う傾向にある。

 アメリカでは先週の金曜日がブラック・フライデーと言う大買い物日であったようだが、日本も既に年末商戦がたけなわである。

 2012年11月22日、SCジョンソンとBMWグループは消費者動向調査を発表した。この調査は、調査会社のBBMG、GlobeScan、SustainAbilityに委託して、2012年10月に先進3カ国(米、英、独)と開発途上3カ国(中国、ブラジル、インド)の計6カ国で、合計6,224の消費者を対象にオンラインで行われたものである。

 調査対象の6カ国の消費者の2/3は、社会の一員として、もっと消費を少なくして将来の世代の為に環境改善を行うべきと考えている(66%)事が分かった。又、社会と環境に良いものを購入したいと考えている(65%)事も共通した動向で有った。

 持続可能な消費により親しみを感じているのは開発途上3カ国で、先進3カ国と倍近い差が表れている。社会と環境の事を考えて購入するは途上国51%に対し先進国では22%で、持続可能性の有る製品にはもっとお金を出しても良いは(60%対26%)、社会的、環境的に努力している企業の製品を選ぶは(70%対34%)であった。

 この調査結果により、消費者の購買判断材料として持続可能性が重要になりつつあるとしている。

 しかし、途上国の消費者の方が先進国の消費者よりも持続可能性の高い製品を望んでいると言う結果であった。先進国では価格が購買判断材料のトップ(78%)で、途上国では製品性能がトップ(72%)で、いずれも持続可能性商品を選ぶ妨げになっている。

 日本の消費者はどちらのグループに近いのだろうか。

この調査の詳しい内容は次のURL(英文)で読める。
http://theregenerationroadmap.com/

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27 Nov 2012   01:31:29 pm
UBrainTV(ユーブレインTV)
 ロンドンに本拠地を置くエネルギー・環境問題に焦点を当てている独立系メディア、ユナイテッド・ブレイン・ネットワークが運営するインターネットTV、ユーブレインTVが当ブログの元となっている「ファクター5」の代表著者、エルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー博士をインタビューした。

 2012年11月5日〜9日まで東京で開催されていた国連環境計画(UNEP)国際資源パネル(IRP)の共同議長として来日していたフォン・ヴァイツゼッカー博士を東京都内でUブレインTVのメインキャスターである柏木展子さんがインタビューしたものである。次のURLから視聴できる。

http://www.ubraintv.com/watch.php?id=539

 まず、インタビューでは「ファクター5」が資源を5倍に使う方法が現有の技術で可能であることが、幾多の例を上げて説明されていること、それを実現する政治的、経済論的方法も述べられていること、さらに資源を5倍に使う事が利益を生み新しい経済を生み出すことが書かれていることを紹介している。

 次にBRICS各国は開発方法を先進国とは異なる省エネルギー省資源に変えて行かねばならないこと、現実に中国が第12次五カ年計画で多大な予算を計上して20%のCO2削減を目標にしていることは歓迎すべきことであると紹介している。

 バイオエネルギーについての質問には、バイオエネルギーには長短両面が有るのでその運用方法が重要であるとし、食品残渣や農業廃棄物利用のバイオエネルギーはもちろん歓迎であるが、そのボリュームには限りが有るとコメントしている。

 最後に政治家としての環境問題への取り組みを聞かれ、政治家としては楽しませてもらったとしたが、現在の政治家は金融の強大な力の前には頭が上がらないともコメントしてる。

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