ダンテの森    
02 Sep 2013   10:24:37 am
CNNの福島報道
なぜ福島問題は、世界が考えているよりも深刻なのか?
CNN 2013-09-02 Mycle Schneiderの報告より、

 今日のCNNは、福島の問題を特集して報道している。遅きに期した感もあるが、やっと海外メディアが動き出した。

 はじめにCNN編集部から、マイクル・シュナイダ―氏はパリ在住のエネルギー及び原子力政策の専門家で、WNISRのコーディネーター。この報告中の見解は彼の個人的見解であるとのクレジットが有る。以下は要訳である。

 原子力規制委員会の更田豊志氏は福島第一原発における数100もある汚染水タンクからの漏洩に対する東電の検査方法について「不注意である」との評価をした。中国の外務大臣は、汚染水が太平洋に2年間も流出していた事は「ショッキングである」とのコメントをした。この2つの発言が、この問題を端的に言い表している。

 日本の内外を問わずこの事故が、どの位危機的なものであったのか、これから更にどの位悪化するのかに気づいていない。今、明らかになった事は、誰もが問題の深刻さのスケールを誤解させられていたと言う事である。実際にはこの国は国際的な援助を必要としている。それも緊急に。

 311の事故発生当時、福島から放出された放射性物質の量は過去最大の原発事故であるチェルノブイリで出された40万トンの汚染水の10〜50%だと言われていたが、現在すでにその2.5倍の汚染水が貯蔵されている。オリンピックプール160個分に汚染水は一体どこから来たのか?事故で1〜3号機の炉心はメルトダウンしているが、その破壊の程度は2年前に検査の為に送られたロボットが戻らなかったままで、全く分かっていない。

 溶解した核燃料は今も冷却され続けてなければならず、東電は日量400トンの水を送り続けて冷やしている。格納容器には亀裂が有りそこから多くの汚染された冷却水は漏れ続けていると思われる。回収された汚染水は現在60万トンで、それらは急作りの350個のねじ止め式のタンク(溶接では無い)に貯められている。その内60個には水位計が付けられているが、残りはパトロールによって人間が目視検査をして漏れが無いかを監視している。

 このような東電の基本的に間違った対処の仕方は、全般に及んで居り、汚染水漏洩は氷山の一角に過ぎない。このまま東電と日本政府に任せておくと、チェルノブイリの何倍もの被害を招くことになりかねない。

 3つの炉心融解、5つの燃料棒プールの損壊と言う大規模複合事故であるとの認識がこの当事者には欠けている。管理する立場の原子力規制委員会は、政府の意向で全国の原発の再稼働問題への対応に忙殺されており、福島には目が届かないのが現状である。

 311の事故発生の2週間後に、マイクル・シュナイダ―はITFF(国際福島タスクフォース)の設置を提案している。しかし、2年半経った今もまだ設置されていないが、早急な設置が必要である。設置後は当然日本政府も東電もITFFの指揮下に入ることになる。

 良いニュースとしては、最近の東電と日本政府の態度に軟化が見られる事である。(以下略)

原文(英文)URL:
http://globalpublicsquare.blogs.cnn.com/2013/08/30/why-fukushima-is-worse-than-you-think/?hpt=hp_c4

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31 Aug 2013   10:20:51 am
オバマ頑張れ
初代環境保護大統領の既得権益との戦いが始まっている。
Washington, 2013-08-29 ENS Newswireより、

 環境保護派が8月29日、オバマ大統領に対しカナダのキーストンXLタールサンド・パイプライン(Keystone XL Tar Sand Pipeline)の建設を認可しないようにと、報告書を提出した。

 シエラクラブ(Sierra Club)とオイル・チェンジ・インターナショナル(Oil Change International)は、カナダ、アルバータ州のオイルサンド採掘は気候変動を大きく加速するとの報告書を作成し、ホワイトハウスに提出した。

 カナダからアメリカにサンドオイルを輸送するキーストンXLパイプラインが完成すると、サンドオイルの生産は現在より36%増産となり、大量のCO2を排出して気候変動を加速し、使われる大量の熱湯は地下水脈を汚染するとしている。

 シエラクラブのマイケル・ブルース(Michael Bruce)は「キーストンXLパイプラインは、環境破壊そのものである。オバマ大統領が6月25日にジョージタウン大学で行った環境演説で、このパイプラインについては、環境への影響をテストする必要が有ると述べた。この報告書がその答えである。」と語った。

 同パイプラインは、カナダ、アルバータ州から1897km離れた米国ネブラスカ州迄延伸されサンドオイルを日量83万バレル(11万9千トン)輸送する。サンドオイルは砂と原油が混じりアスファルト状になったオイルサンドに熱湯を掛けて原油を砂と分けて取り出す。1トンの原油を取りだすのに、0.3トンの熱湯が必要で、高圧ポンプなどのエネルギーも必要で約0.6トン分の石油を燃やすエネルギーを使用する。取り出された1トンの石油が燃やされる分と共に従来の石油の1.6倍のCO2が発生すると言う、大変環境負荷が高い化石燃料である。

 6月25日の環境演説は、カナダ下院の多くの議員からも賛意が示され、オバマ大統領はカナダのハーパー首相に騙されてはいけないとの声も上がっている。

 この環境演説で、オイル・エネルギー産業からの政治的圧力との対決姿勢を明らかにしたオバマ大統領であるが、今はシリア情勢を産軍複合体から突き付けられている。オイル・エネルギー産業にしても産軍複合体にしても、かつてはアメリカを支えてきた経済基盤であり、歴代の大統領は彼らと共存してきたのがアメリカの歴史であった。オバマ大統領はそれらと対決すると言う宿命の大統領と言えよう。彼が戦端を切りたいと思っている訳は無い。何故なら、戦争は最大の環境破壊であるからである。

原文記事(英文)URL:
http://ens-newswire.com/2013/08/29/keystone-xl-pipeline-flunks-climate-test-new-report/

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30 Aug 2013   02:41:42 pm
リサイクルか焼却か
ゴミ焼却か、リサイクルか、――環境先進国での議論
Yale Environment 360 2013-08-28より、

 欧州では、ゴミ焼却炉による地域暖房、温水供給、発電は、ゴミからのエネルギーとして一般的であるが、ゴミゼロ派にとってはリサイクル運動の障害となっているとしている。

 ゴミゼロを推進する、ゴミゼロ欧州(Zero Waste Europe)と、世界焼却炉オルターナティブ連合(Global Alliance for Incinerator Alternative)は、ゴミが十分有り余っている事は間違いないが、ゴミを焼却してエネルギ―に変えてしまう事は、再生可能エネルギーとは呼ぶことができない、何故ならリサイクルして資源となりうるからであると、主張している。

 欧州では、昔は都市ゴミは埋め立て処分を行っていたが、現在はほとんどが大規模ゴミ焼却施設で燃やし、そのエネルギ―を地域暖房の熱源、温水、電力に変えて販売し、高価な焼却施設の建設コストの回収に充てている。

 1995年に米国ワシントン州オリンピアのSound Research Management研究所が行った調査では、ゴミはリサイクルするよりも燃やす方が安上がりであるとの結果がでており、ゴミゼロ派の言う、リサイクルすればエネルギーに変えるよりも3〜5倍の価値が生まれると主張しており、議論は尽きない。

 ゴミ焼却施設は燃やすものが無ければ成り立って行かず、途切れの無いゴミの供給を必要としており、その為に焼却施設を運営している地方公共団体がゴミゼロやリサイクルに消極的になるとの指摘もある。

 ドイツでは、ゴミのリサイクル率は上昇しており、45%に達し、焼却されるゴミは37%になっている。その為ドイツはゴミを東欧や南欧から輸入しており、何千キロもゴミを運送すると言うパラドックスが発生している。北ヨーロッパ、スカンジナビア諸国のリサイクル率はいずれの国でも30%を大きく上回っている。一方東欧、南欧ではいまだに埋め立てが主流でゴミ焼却は行われていない。


 日本では、ゴミはほとんど焼却されているが、焼却炉は小規模で発生したエネルギーは一部発電に使われたり、併設されている温水プール等に使われるのは、わずか10%である。日本全国に1900ものゴミ焼却設備が有り、ドイツ150、フランス130、英国50、韓国50に較べて異常に多く、その規模が小さい事が分かる。日本では自治体単位でゴミ焼却施設を作るのが一般的で小規模なものになっている。これは建設する事に重点を置いた補助金制度に問題が有ると言える。欧州で起きているような議論は、ゴミ焼却施設はゴミを燃やすだけでエネルギーを利用等していない日本では全くない。

原文URL:
http://e360.yale.edu/feature/incineration_versus_recycling__in_europe_a_debate_over_trash/2686/
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29 Aug 2013   01:53:43 pm
自転車国家への道
自転車は環境に優しく、人々の健康を増進する
ENS-Newswire 2013-08-26ロンドン発

 英国のデビッド・キャメロン首相は、全国的規模で自転車普及を推進し、自動車に依存しない社会をつくる為に、サイクルパス(自転車専用レーン)の整備を進めると発表した。その為の予算として、2億3千万ドル(230億円)の支出が決められた。このうち、1億2千万ドル(120億円)は、マンチェスター、リーズ、バーミンガム、ニューキャッスル、ブリストル、ケンブリッジ、オックスフォード、ノーウィッチの8の市に配分される。ニューフォレスト、ピークディストリクト、サウスダウンズ、ダートモーアには国立公園内の自転車道路整備費として26億円が分配される。

 マンチェスター広域市の運輸局は31億円を2025年に向けての自転車ネットワーク整備に財政出動する。これは、市の中心から市の外環道路へ向かって自転車のスポーク状に作られるサイクルパスの整備にを行うものである。これにより自転車によるドアツードアが実現し、住宅街の自動車の通行制限速度30km/hの施行と相まって自転車による通勤・通学数を5年間で倍増し、さらに2025年までに倍増することを目指している。これにより、市民の健康の増進、快適な環境、低エネルギー都市を実現するとしている。

 キャメロン首相は、オリンピック、パラリンピックに続いてツールドフランスでの英国人の自転車熱はこれまでに無く高くなっており、これを勢いにして一気に英国の自転車人口を増やしたいとしている。現状では、英国には2%の自転車人口があるが、オランダの30%、ドイツの14%には遠く及んでいない。

 道路整備にあたっては、自転車優先交差点の増設、道路幅員を増やして初心者でも安心して自転車に乗れる環境を整備して、一気にオランダ、ドイツ、デンマーク等の自転車先進国に迫りたいとしている。 英国には、現在総延長8000kmのサイクルパスが整備されており、年間延べで1億人が利用している。

 日本では、自転車優先交差点はおろかサイクルパスもほとんど無く、東京などでは自転車が歩道を走り、歩行者との事故が起きている。先日も、自転車に乗った子供が婦人を撥ねた裁判で、子供の親が1億円もの賠償を請求された。これは本来、自転車道を整備していなかった道路管理者が訴えられるべき事件である。こんな事では、車に依存しない社会など日本では程遠い。

原文(英文)URL:
http://ens-newswire.com/2013/08/26/britain-invests-148-million-to-boost-cycling/

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28 Aug 2013   03:25:53 pm
世界エコ乗り物祭
世界初のエコ・モビリティー・フェスティバルが韓国・水原市で開催

 世界最大のグリーン・モビリティーのお祭りがお隣の韓国・水原市で9月1日〜30日まで開催される。これは、一ヶ月間にわたってエコモビリティーが体験できるイベントである。この間、水原市の中心部に近いヘングンドン町内会(住民数約4500人)は自動車の乗り入れができなくなる。住民と来訪者が安全、健康的、排出ガスが少なく、資源生産性の高い、持続可能性社会の生活スタイルを体験できるイベントである。

 同時に、世界最大のグリーン・モビリティー展示会でもある。世界の自転車、三輪車、セグウェイ、ベロタクシー、カーゴバイク、軽EV等のメーカーが最新の技術を出展し、住民や来訪者が体験できる。米国、ドイツ、韓国、中国、台湾等から8カ国40社からの出展が予定されている。

 未来のエコモバイル都市における生活を、自分の目で覗き見るチャンスである。イノベーションと最先端技術が、どのように自動車の無い生活では利用される事になるのか、それによりどの位資源生産性が向上しているのかを実体験をすることができる。

 会場となる水原市は、首都ソウルの南30kmの100万都市で、市内に世界遺産の李氏挑戦時代の城塞遺跡「華城」がある。水原市は韓国で最初に、市としてCO2削減量を2020年には2005年基準で40%削減する事を宣言し、国連に約束しており、これまでも数々の環境関連の国際会議をホストしている。

 このイベントはイクレイ(ICLEI)、持続可能性を目指す自治体協議会の主催で、国連ハビタット(国連人間居住計画)と水原市の協賛で開催される。

 このイベント会場となる、ヘングンドン地区では7月から数度の「ノーカーサンデー」を実施して自動車の無い生活を体験している。地元住民には反対する声も有るが、去る8月15日の「解放記念日」を期して、「車からの解放」イベントを開催、地区内の4800台余りの自動車を全て地区外の駐車場に移動(写真)して現在地区内にはすでに自動車が存在しない。道路は全て自転車などの人力や低電力で動く電動の乗り物用に、道路標示がされ開催を待つばかりである。水原市の、世界のグリーンシティーのリーダーになろうとする並々ならぬ意欲を感じる。

 こんなところにも韓国のグリーン経済への移行への意欲が感じられる。因みに、日本の自転車メーカーのホームページを見て回ったが、このイベントに参加する事を告知するメーカーは一社も無かった。まるで申し合わせた様に。

エコ・モビリティー・フェスティバルのホームページURL: http://www.ecomobilityfestival.org/

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