ダンテの森    
09 Jul 2015   06:35:37 am
オーストリアに拍手
オーストリア 英国の新規原発建設への政府補助支出を欧州司法裁判所に正式に提訴。「原発は補助金で支えるような革新的技術ではない」「原発はコスト高」と主張(FGW)
RIEF(旧ファイナンス・グリーンウオッチ)2015-07-07

オーストリアは6日、英国の新規原発ヒンクリー・ポイントCの建設計画へ英国政府が巨額の補助金を支出することを認めた欧州委員会を欧州司法裁判所に正式に提訴した。原発への国家補助が自由化が進むEUの電力市場での競争原理を歪めるかどうかという論点に司法がどう評価をするかが注目される。

 焦点となっているのは、英国がサマセット州のヒンクリー・ポイントに新たに設立を計画している同C原発。フランスの電力会社EDFが主体となって原発の建設は仏アレバ社が担当する。しかし、日本の東京電力福島第一原発事故後、原発の安全対策コストが上昇したことで、事業の採算性が悪化、英政府はEDFが事業から撤退しないように、176億ポンド(約3兆2000億円)の補助金の支出を決め、欧州委員会も昨年10月に認めている。

 この欧州委員会の承認が「誤りだった」としてオーストリアが承認無効の提訴に踏み切った。オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相は「原発は政府が補助金で支援して開発を促すようなイノベーティブ(革新的)な技術ではない。補助金の対象にするのはおかしい」「補助金は、もっと新しく、近代的な技術の支援に使われるべきだ」と指摘した。

またルプレヒター環境相も、「原子力エネルギーはもはや経済的にも生き残れない。これを政府補助金で人為的に下支えするべきではない。安全でもなく、コストも高い原発への支援は時代遅れ。我々はその代わりに再生可能エネルギーをさらに拡大する『欧州エネルギー大転換』を促進すべきだ」と述べた。

 さらに原発推進者が主張する原発はCO2を排出しない「クリーンなエネルギー」という論点についても、ファイマン首相は「たとえ、原発が温暖化抑制に効果があるとしても、原発の全体的な環境負荷が地球にとってマイナスであることは議論の余地がない」と断じた。オーストリアは脱原発路線をとっている。同国の政治家の「原発はオールド技術」「原発はコスト高」「原発の環境負荷は大きい」という指摘は、わが国での原発議論にも影響を与えそうだ。

 英国政府は当初、ヒンクリー・ポイントCの建設コストを160億ポンドとはじいていた。しかし、その後の安全性対策等で、245億ポンドに上昇している。さらに完成後の運転コストの上昇等を見越して、170億ポンドの補助金を支出するという。補助金の使途は、原発電力の販売価格を35年間にわたって事実上保証するほか、原発が早期閉鎖となった場合の補償金を含む。

 これに対して英国のエネルギー気候変動省(DECC)のスポークスマンは「我々は欧州委員会による補助金承認の決定は法的に問題はないと確信している」との声明を発表した。欧州委員会は、どのエネルギーを使うかは、各国の国内問題、との立場をとっている。

原文URL: http://rief-jp.org/ct13/53155

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 以上がRIEFのニュースであるが、注目したい点は原発問題は一国の問題では無いとオーストリア政府が認識している点である。福島第一原発からは大量の汚染水が毎日4〜500トン太平洋に流れ出している。311から4年4ヶ月経った今日無謀な凍土壁計画は失敗に終わろうとしており、汚染水流出はすでに65万トンになったと推測できる。日本政府の福島県沿岸の放射線定点観測は海の表面の海水を計測しているだけで深部に渡っての詳しい観測はしていないので、実態は把握していない。大量の放射性物質を含んだ海水が深度の異なる部分でどのように流れを作っているかの調査が行われていると言うことは聞いた事が無いので、実際に海洋資源に与えている状況は全く把握していないのである。太平洋に面している国々はそのリスクを抱えているわけであるのでいまの内から、日本政府に対し福島原発が大量に汚染水を流し続けている事を即時やめるように声を上げるべきである。環境保護団体は、環太平洋の各国と連携を取って国際的な世論を形成するべきである。オーストリアを見習うべきである。(ブログ管理人)
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07 Jul 2015   06:15:11 am
暴挙、新国立競技場
特集ワイド:なぜ見直せない「新国立」 核燃サイクルと同じ“国策の暴走” 「復興五輪」の理念どこへ
毎日新聞 2015年07月06日 東京夕刊

 これはもう「無謀な国家プロジェクト」と呼ばざるを得ないのではないか。巨額な資金を投じることに反対の声が強まる中、2020年東京五輪・パラリンピック大会の主会場になる新国立競技場(東京都新宿区)の建設計画が進んでいることだ。総工費は当初予算を895億円上回る2520億円になるが、財源が確保できていない。国の借金は1000兆円超なのに、なぜ、一度動き出した国策は止まらないのか。【堀山明子、吉井理記】

 「(東京五輪誘致で)支持を獲得できた大きなポイントは、あの新国立競技場の姿のはずだ」。大会組織委員会の調整会議が行われた6月29日、会長を務める森喜朗元首相は、アルゼンチンのブエノスアイレスで2013年9月に行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会の最終演説を思い起こさせた。「あの姿」とは、キールアーチと呼ぶ2本の巨大な構造物を備えた現計画案だ。

 確かに、この総会で東京五輪の開催が決まり、関係者らは歓喜した。しかし、総工費が倍近くに膨らむ前の話だ。

 巨額な総工費を懸念する建築家らは計画の見直しを提案してきた。だが、建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)を管轄する下村博文・文部科学相は「国際公約だから」とほぼ原案通りの設計で建設を進める方針だ。

 JSCは7日に開く新競技場の将来構想有識者会議で、契約内容を報告。その後、施工予定業者の大成建設と竹中工務店と正式に契約を結ぶ段取りになっている。

 新国立の建設予算に895億円の追加がポンと決まる2日前の6月27日、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市で、震災後初の「復興マラソン」が開かれた。市は、壊す前の国立競技場から聖火台を借りており、市総合運動公園に設置。この日、初めて「復興の火」がともされた。聖火は1964年の東京五輪で戦後復興のシンボルとされた。その聖火に被災者を励まそうという願いを込めていた。同公園周辺に仮設住宅が建ち並び、市全体では1万人以上が仮設住宅で暮らす。

 主催者は当初、火を絶やさないことを検討したが、断念した。理由は予算不足。火をともし続けるには発火装置の修繕が必要で費用は約800万円。だが、地元企業や市民の寄付は260万円を集めるのがやっと。復興マラソンでは、仮設の簡易発火装置で除幕式とハーフマラソンの4時間だけ聖火を維持するのが精いっぱいだった。

 復興マラソンの事務局関係者は語る。「今後も修繕費を集め、聖火をともし続けられるようになったら、仮設住宅に聖火台を持って行きたい」

 800万円と895億円??。被災地がコツコツと資金を集めている時、新国立の巨額の追加予算が決まった。どう考えても金銭感覚がずれていないか。思い出してほしい。安倍晋三首相は「なんとしても『復興五輪』にしたい」と訴えてきた。石巻市で建設中の復興公営住宅は4000戸に約1000億円かかる見通しだが、もし895億円が被災地に回れば、単純計算で住宅3580戸分の財源になる。

 「国際公約というなら、震災復興を世界に示す『復興五輪』こそ、東京が支持された理由です。復興五輪、環境五輪、コンパクトな五輪という公約の原点に立ち返るべきではないでしょうか」

 こう話すのは、宮城県岩沼市の復興計画を支援してきた石川幹子中央大教授だ。新国立の建設問題が焦点になるあまり本来目指すべきビジョンが失われていると懸念する。

 石川さんは、日本を代表する科学者の組織、日本学術会議の分科会委員長として今年4月、新国立建設計画の修正案をまとめた。約1500本の樹木を伐採して人工地盤を造る現計画案は、自然への配慮が欠けると批判。樹木を残し、地下に眠る水循環を復元して競技場建物周辺に「本物の森」を創り出す案を提示している。学術会議は、首相所管の専門家機関で、政府に勧告ができる。現行案の反エコぶりを見かねて「最低限これだけは修正できるはず」と現実的な案をまとめたという。提案に文科省は「検討する」と答えたというが、採用されるかは未知数だ。

 なぜ、日本は走り出すと止まらないのか。公共事業に詳しい千葉大名誉教授の新藤宗幸さんは「ありえないずさんさ。公共事業の常識からもかけ離れている」とあきれ顔だ。公共事業で当初予算より増加することはあるが、倍増はほとんどありえないという。図面を作る「基本設計」、構造上の強度などを計算する「実施設計」、建設材料を定める仕様書など何段階も確認するのが常識だからだ。

 新藤さんは、思い起こす数少ない非常識の事例として八ッ場ダム(群馬県)を挙げた。建設費は1986年の当初計画では2110億円だったが、現在では4600億円に倍増した。首都圏の水需要増加を見越して始まった計画だが、節水技術の進化や人口減で水需要は減少。このため政府は2009年にいったん計画を中止したが、2011年に「洪水を防ぐ治水」という新たな目的で建設を再開した。「必要性などおかまいなく、造ることや予算を維持すること自体が目的化した典型例です。新国立も、本当にあのデザインが必要なのか、吟味しないで決まったのでしょう」と疑問を呈した上でこう批判する。「文科省などは、五輪は国家威信を懸けた事業という時代錯誤的な意識が抜けていない」

 青森県六ケ所村で建設が進む核燃料再処理工場を取材し続けるルポライター、鎌田慧さんも「国家威信」のワナにはまっていると警鐘を鳴らす。国が音頭を取って始めた核燃料サイクル計画に基づく工場建設の予算は、1993年の建設開始当初は7600億円だったが、現在は約3倍の2兆2000億円まで膨らんだ。「核燃サイクルは、技術的問題やコストなどの課題が多すぎ、諸外国はとっくに撤退したのに、日本だけが夢物語にしがみついている。一度決めたら変えない官僚主義のせいです。原子力船むつ、そして新国立も一緒。これでは、日本軍が『撤退は恥』と大勢の兵士を玉砕させた発想と、今も変わっていない」と批判する。そして市民にもこう問い掛ける。「国威発揚のために無謀な新国立計画を進めることは、必ず民衆にツケが回ってくる。私たち自身、なめられたままで本当にいいのですか」

 IOC調整委員会のジョン・コーツ委員長は6月末、現行の奇抜なデザインでなければ国際公約違反かを問う毎日新聞の単独取材に、けげんそうな表情を浮かべて答えた。「(日本)政府が決めること。IOCが象徴的な施設を求めたものではない」

 国際公約でないなら、市民はもっと声高に叫んでいいのではないか。「この暴走、おかしい」と。
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18 Jun 2015   09:40:18 am
安保法案、学者の意見
安保関連法案:「国民を愚弄」「珍妙な引用」 長谷部・小林両氏の与党批判詳報
2015年06月15日毎日新聞

昨日に引き続き、日本の将来を決定する重要な政治局面なので今後の日本の環境保護政策・エネルギー政策に大きく関連するので、安保関連法案に関する毎日新聞の記事を、長文であるが転載する。<ブログ管理人>


 6月4日の衆院憲法審査会で、自民党が推薦した長谷部恭男・早稲田大大学院教授ら憲法学者3人が集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を「憲法違反」と明言した。その後、自民党幹部からは「憲法学者はどうしても(憲法)9条2項の字面に拘泥する」「学者の言う通りにしていたら、自衛隊も日米安全保障条約もない。平和と安全が保たれたか極めて疑わしい」といった発言が飛び出し、安保法案を巡る議論は過熱している。憲法審査会で参考人として意見を述べた長谷部氏と小林節・慶応大名誉教授が15日、日本記者クラブで会見を開いた。「違憲」を主張する両氏は果たして「現実を知らない」学者なのか。その発言の真意に迫った。【石戸諭/デジタル報道センター】

◇「自民党の政治家は『憲法とは何か』という話に納得してくれない」

 会見は小林氏の「自民党の政治家はいまだに憲法とは何かという話に納得してくれない」という嘆きから始まった。「憲法は主権者が権力担当者、政治家、公務員に課した制約」(小林氏)。これは立憲主義と呼ばれる考え方だ。長谷部氏は「世の中には多様で、衝突しあう価値観がある。それでも公平な形で社会生活を送るための枠組みをつくるという考えだ」と補足する。

 「自民党の勉強会に行くと、毎回『どうして憲法は政治家だけを対象にしているのか』という話になり、そのうち『国民が守らなくていいのか』という話になり、『権力者も一般国民も守る』ものだとなり、(国民が政府に)協力するという話が入ってくる。憲法はそんなものではない」。小林氏はそう語気を強めた。

◇安保法制「違憲」の理由

 安保法制はなぜ「違憲」なのか。「9条の法意は『専守防衛』。9条は侵略戦争を放棄し、交戦権も認めていない。しかし、自衛は認めており、だから腕力の大きな第2警察としての自衛隊がある。他国を防衛するために海外派兵する集団的自衛権は国際法上、保持していても、憲法の制約があり行使できない」(小林氏)

 「違憲」発言でメディア露出が急増した長谷部氏は「合憲性を基礎づけようとしている論理が破綻している。自衛隊の活動範囲の法的安定性を揺るがしている」とこれまでの主張と同様、厳しく批判する。「憲法9条の下、行使が許されるのは個別的自衛権の行使。すなわち『日本に対する外国からの直接の武力攻撃によって、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険が切迫している場合』。これが従来の政府の憲法解釈。集団的自衛権行使は典型的な違憲行為だ。憲法9条を改正することなくありえない、と繰り返し政府によって表明されてきた。自国防衛の個別自衛権の行使の論理、他国防衛の集団的自衛権行使の論理は本質を異にする。前者のみ容認されるという論理が、後者容認のための論理にはならない。安倍首相は『あれもしない、これもしない』と答弁するが、それは彼が今、そのつもりであるというだけで明日になって、来年になって彼が考えを変えればそれまでの話であって、歯止めは存在しない」と指摘する。

◇政府・与党の反論 「国民を愚弄」(長谷部氏)「珍妙な引用」(小林氏)

 こうした批判に対し、政府や、高村正彦副総裁ら自民党幹部が持ち出すのは1959年の砂川事件の最高裁判決を根拠にした集団的自衛権「合憲」論だ。砂川事件では駐留米軍が憲法9条の「戦力」に該当するか否かが問われた。最高裁判決は該当しないと判断し、1審判決を破棄して差し戻した。安保条約そのものについては憲法判断を避け「内閣や国会の高度の政治的、自由裁量的判断」(統治行為論)とするにとどめている。政府・与党は同判決にある「自国の平和と安全を維持し、存立を全うするために必要な自衛の措置」は集団的自衛権と個別的自衛権を区別していないとし、集団的自衛権は「合憲」としている。さらに「安全保障政策のような高度に政治的な問題については、国会と内閣に委ねると最高裁は言っている」(高村副総裁)という主張も展開している。

 小林氏は統治行為論の専門家。「(統治行為論は)選挙で選ばれた国会議員、選出された内閣、閣僚に一時的に判断を委ねると言っているだけで、最終的に委ねるとは言っていない。最終的には主権者たる国民が決めると言っている。高村副総裁のような解釈は初めて聞いた。司法制度は問われたことしか答えられない。砂川判決で問われたのは在日米軍の合憲性であって、日本の集団的自衛権はどこにも問われていない。(政府・与党は最高裁判決を)フルテキスト読んだような引用をしていない。珍妙な引用だ」という。長谷部氏も同調する。「政府が引用する段落は『憲法9条は、わが国がその平和と安全を維持するために他国に安全保障を求めることを、何ら禁ずるものではない』という結論で締めくくられている。その結論を導くために最高裁は日本には自衛権があると指摘するにとどまる。それだけだ」。

 長谷部氏はさらに批判を強める。「例えるなら、妻と自動車で出かけようとした際、夫が車のキーを忘れたことに気がつき、妻に『キーを忘れた。取ってきてくれ』と頼んだとします。妻が家の中にあるありとあらゆる鍵をすべて持ってきた時、夫は『僕の言葉通りに何ら区別することなくすべての鍵を持ってきてくれてありがとう』と感謝するだろうか。自民党が言っているのはそれと同じ。国民を愚弄(ぐろう)していると思う。最高裁が判断を示していないからといって『違憲』の法律を作っていいものではない。わらにもすがる思いで砂川判決を持ち出してきたかもしれないが、わらは、しょせんわら」。

◇自衛隊は「合憲」

 両氏は「自衛隊そのものが違憲」だとして安保法案に反対しているわけではない。そもそも自衛隊合憲論者だ。「30歳から大学教員を務めてきたが、そのときから自衛隊合憲説をとってきた。国家には自然権としての自衛権があり、憲法9条は侵略戦争は放棄しているというもの。自衛隊合憲説は学会でそんなに少なくない。国連による国際安全保障に参加することは否定しない」(小林氏)。長谷部氏の立場はこうだ。「自衛隊は合憲であると考えている。立憲主義と絶対平和主義という9条解釈は両立しないと考えている。絶対平和主義で国民の生命・安全を保障することはできない。絶対平和主義という価値観を憲法に読み込むのは特定の価値観の強制である。そもそも学者の中でも9条で論文を書く人は少ない。その中で自衛隊違憲説の方はいるが、それをもって憲法学者の多くが(自衛隊を)違憲だという結論を導くものではない。私は安保法制にしても全部が全部、違憲とは思わない。例えば国連平和維持活動(PKO)の武器使用基準拡大は憲法違反とは考えていない」(但し、小林氏は外人記者クラブの会見で、自衛隊の警察権行使は認めるが軍事裁判を持たない自衛隊を戦争を遂行する軍隊とは認めていない。−−ブログ管理人)

◇政府・与党に都合が「いいと『専門家』」「悪いと『素人』」

 「(憲法学者は)現実を知らない。安全保障問題の『素人』だ」という批判に対しても、こう反論する。「英オックスフォード大出版局が刊行した比較憲法の辞典がある。世界の研究者が参加している。憲法による軍事力行使の制限について各国の法制を分析する『戦争権限』の項目は私が執筆している」と長谷部氏。「仮に私が素人だとしましょう。そうすると、自民党は『素人』を特定秘密保護法という、安全保障に不可欠な歯車というべき法律の参考人に呼んだことになる。明らかな人選ミス。立法過程に重大な問題がある以上、同法を作り直したほうがいいのではないか」

 小林氏はこうだ。「学者が『字面に拘泥』するのは当たり前。政治家が拘泥しないときに、『ちょっと待って』と言うためにいる。そうでないと法治主義がなくなる」

 学者の見解をどう受け止めるか。政府・与党の姿勢にも厳しい言葉が続く。「今の与党の政治家は参考人が都合のいいことを言った時は『専門家』、都合が悪い時は『素人』だという」(長谷部氏)。「自民党の政治家には意見が違うと怒り出す人がいる。思う通りにならないと我慢がならないというのはどうなのだろうか」(小林氏)

 長谷部氏は淡々とした口調で自身の考えをこう述べた。「自民党の推薦で(憲法審査会の)参考人となった。国会の参考人と呼ばれたことはあるが、自分がどの政党の推薦かわからないこともある。どの党の推薦か自覚して発言したわけではない。私は自分の発言が周囲にどういう反響をもたらすか気にしない人間。いつも、聞かれたことには私が正しいということを答えるだけ」

原文URL: http://mainichi.jp/graph/2015/06/15/20150615mog00m010012000c/001.html
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11 Jun 2015   03:35:16 pm
マスコミが報じないG7
「G7エルマウ・サミットで日本などの抵抗を押し切り、先進7カ国は温暖化ガス排出量の大幅削減で合意」(大貫康雄)
NOBORDER 2015年6月10日


 エルマウでのG7先進7カ国首脳会議で話し合われた問題の一つ温暖化対策で、NHKはじめ大かたのマスコミが何点かきちんと報じなかったことがあり、その一つを指摘する。

 G7各国は気候変動化対策で温暖化ガス排出量を、2050年までに2010年基準で40%〜70%の大幅削減で合意を宣言した。宣言を読むとG7各国は、更に“今世紀中に排出を最終的にゼロに”、“世界の平均気温上昇を2度以内にする”ことでも合意した、という画期的なものであるが、この合意は日本の安倍首相とカナダのハーパー首相の抵抗を抑えて実現したことを指摘しておく。

イギリスのガーディアン紙などは今回の画期的合意は、“気候変動と闘う首相(climate chancellor)メルケル首相がG7首脳らの襟首を捕まえて(Angela Merkel took the G7 by the scruff of the neck)実現”、“特に手に負えない反抗的な日本とカナダを説得して今世紀中に温暖化ガス排出量ゼロ(化石燃料の利用をゼロ)に(persuading climate recalcitrants such as Japan and Canada to sign up for phasing out fossil fuels by 2100)合意させた”、などと記し、メルケル首相の指導力と業績を讃えている。

 (安倍総理は国内だけでなく国際的にも嘘や誤魔化しを続けている人間だ。筆者はまさか安倍総理が、国際公約の中の国際公約であるG7合意を誤魔化して行くことは無いと思うが、それでも何処まで遵守するか疑念を持っている、、、)

 メルケル首相の強気には理由がある。昨年末リマで開かれた国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)
で、それまで消極的だったアメリカと中国が温暖化ガス排出量削減目標を表明。1990年基準にするとEUの目標には遠く及ばないが、アメリカは日本以上に排出削減を進めている。中国を7回も訪問しているメルケル首相、中国も各国の予想より大幅に削減しつつあるのを理解しているからだ。

今年12月パリで開催予定のCOP21で国際社会は2020年以降の新しい温暖化対策に取り組むことになっており、米中両国ともこれまで以上に積極的に削減に取り組むと見られている。

 そのCOP21の前にG7で打ちだされた今世紀中に温暖化ガスゼロに削減、平均気温の上昇を2度如何に抑えなければならない。

 この目標達成に日本は“2013年度比で26%削減”、などでお茶を濁すことはできない。今早急に取り組まないと実現できない恐れがある。問題の先送りは許されず2050年までの削減計画を国際社会に提示しなければならなくなった。

 温暖化ガス排出削減への国際社会の取り組み、日本政府が誤魔化している内に、日本のマスコミの報道では判らないくらいに野心的になっているのだ。

(文:NOBORDER大貫康雄氏、写真:Suddeutsche Zeitungより〉

原文URL: http://no-border.co.jp/archives/33473/
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05 Jun 2015   03:00:21 pm
伝説のスピーチ
今日は「環境の日」です。世界で日本で、数多くの人たちが環境保護を訴え、活動をしていますが、地球環境は一向に快方には向かわず、それどころか政府は経済成長の為には環境保護は犠牲にできると考えているようです。

いまから23年前、1992年ブラジルのリオで開かれた地球サミットで、カナダの12歳の少女セヴァン・スズキが行った伝説のスピーチの全文を読むことが「環境の日」にふさわしいと思い掲載しました。

1992年 リオ・サミットでのセヴァン=スズキ スピーチ全文

こんにちは、セヴァン・スズキです。
エコを代表してお話しします。エコというのは、子供環境運動(ECO: Environmental Children's Organization)の略です。カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、自然環境を守るための活動をしています。あなたがた大人たちに、どうか生き方をかえて頂くよう、お願いするために、自分たちでお金を集めて、カナダからブラジルまで1万キロの旅をして来ました。
 今日、私たちが話すことは、すべて嘘のない本心の言葉です。なぜって、私たちが環境運動をしているのは、私たち自身の未来のため。私たち子どもが、自分の未来を失うことは、あなたがた大人が選挙で負けたり、株で損したりするのとは次元の違う問題なのです。

 私たちがこれから話すことは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。
世界中の飢えに苦しむ子どもたちの泣き叫ぶ声は、あなたがた大人の耳には届きません。どこにも行くところがなく、次々と絶滅して行く数え切れないほどの生き物たちのことも同じです。だから、世界中の子どもたちや生き物たちに代わって、私たちが話すのです。

太陽のもとにでるのが、私はこわい。それは、オゾン層に穴があいているから。
呼吸をすることさえこわい。空気にどんな危険な化学物質が混じっているか分からないから。
お父さんと一緒に、よくバンクーバーで魚釣りに行っていました。数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまでは。
そして今、毎日のように動物や植物たちが絶滅していくのを、私たちは耳にします。
一度絶滅してしまった生き物は、もう永遠にもどってはこないのです。

 私には小さいころからの夢がありました。
それは、いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルや熱帯雨林を見ることでした。でも、私は見ることが出来ても、私の子どもたちは、見ることができるのでしょうか?あなたがた大人は、私ぐらいの年令の時に、今の私と同じように、未来の自分の子どもの心配したことがありますか?

 こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようにのんびりと構えています。まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。そして、あなたがた大人も、本当の解決法など持っていないと思います。だから、せめて、「本当の解決法など持っていない」ということだけは、自覚して欲しいのです。

あなたがた大人は、オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか知らないでしょう。死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって緑の森をよみがえらせるのか知らないでしょう。

 だから、大人のみなさん、どうやって直すのかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください。

 ここに集まっている大人のみなさんは、いろいろな国の政府の代表者や、企業や団体の代表者、そして、報道関係者の人たちです。でもほんとうは、あなたがたもだれかの母親であり、父親であり、姉妹であり、兄弟であり、おばさんです。そしてあなたがたの誰もが、誰かの子どもなんです。

 私はまだ子どもですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員であることを知っています。そうです50億以上の人間からなる大家族であり、3千万種類以上の生物からなる大家族です。いろいろな国の政府や国境が、どんなに分け隔てをしようとも、私たち地球で生きるものたちが1つの大家族だということは、変えようがありません。

 私は子どもですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。わたしは、今のひどい環境を見て、怒りで心が震えていますが、それでも、自分を見失ってはいません。わたしは、今のひどい環境を見て、恐怖で体が震えていますが、それでも、自分の気持ちを世界の人たちに伝える勇気を持ち続けています。

 私の国での無駄使いは大変なものです。買っては捨て、また買っては捨てています。そして、そんなにたくさんの物を無駄にしている北の国は、物が不足している南の国と分かち合おうとはしません。物がありあまっているのに、私たちは自分の富を、少しでも手放すのがこわいのです。 カナダで暮らす私たちは十分な食物と水と住まいを持つ恵まれた生活をしています。食べ物も、水も、お家も、何でも十分にあります。時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持っているものを数えあげたらきりがありません。

 2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。一人の子どもが私たちにこう言ったからです。

 「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べ物と、着る物と、薬と、住む場所をあげるのに。それから、やさしさと愛情もね。」

 住むところもなく、今日、食べる物もない一人の子どもさえ、自分のことだけでなく、みんなと分かちあうことを考えているのに、全てを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、どうしてなんでしょうか?

 この子ども達は、私と同じぐらいの年齢でした。私は、自分と同じくらいの年齢の子ども達が、こんな生活をしていたことが、とてもショックで頭から離れません。同じ人間なのに、同じ大家族の一員なのに、どこに生れついたかによって、こんなにも人生が違ってしまう。もしかしたら、私がここブラジルのリオの貧民窟に住む子どもの一人だったかもしれないのです。そして、飢えに苦しむソマリアの子どもだったかもしれないし、大人たちの戦争の犠牲になった中東の子どもだったかもしれないし、インドで乞食をしている子どもだったかもしれないのです。

 もし世界中の国の大人たちが戦争のために使っているお金を全部平和のために使えば、環境や飢餓の問題のために使えば、この地球がすばらしい星になるでしょう。私はまだ子どもですが、それでもこのことを知っています。

 小学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、世の中でどうふるまうかを教えてくれます。
たとえば、

*争いをしないこと

*話しあいで解決すること

*他人を尊重すること

*ちらかしたら自分でかたずけること

*ほかの生き物をむやみに傷つけないこと

*分かちあうこと

*そして欲ばらないこと

 ならばなぜ、あなたがた大人は、私たち子どもに「するな」ということを、自分達はしているのですか?

 みなさんは、今日、何のためにこの会議に出席しているのか、どうか、そのことだけは忘れないでください。そしてこのような会議をいったい誰のためにやっているのか。それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためなのです。あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めてようとしているのです。

 親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子ども達をなぐさめます。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりじゃあるまいし」と言いますよね。だけど、今の地球の環境を見たら、もうこんな言葉を自分の子どもに向かって言えないと思います。わたしたち子どもの未来のことなんて、みなさんの議題の中にすら入っていないじゃないですか。みなさんは、私たち子どもの未来のことを本当に考えてくれているのですか?

 私のお父さんは、いつも、「人間の価値は、何を言ったかではなく、何をしたかで決まる」と言っています。でも、私は、あなたがた大人がこの地球に対していることを見て、泣いています。それでも、あなたがた大人はいつも私たち子どもを愛していると言います。本当なのでしょうか?もしそのことばが本当なら、どうか、本当だということを言葉でなく、行動で示してください。

 最後まで私たちの話をきいて下さって、ありがとうございました。



このスピーチはYouTubeでもご覧になれます。
YouTube URL:
https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0
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にほんブ�前村
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