ダンテの森    
11 Mar 2014   02:46:18 pm
3年目を迎えた311
ブログ管理人

 今日は寒いが快晴である。国内メディアはここ数日は311の追悼番組で目白押しである。海外メディアも取り上げている。ドイツ・ベルリンでは311を記念して世界から原発をなくす為のデモが行われた。この災害を振り返って見る。

 2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒(日本時間)、宮城県牡鹿半島の東南東沖130キロメートル、仙台市の東方沖70キロメートルの太平洋の海底を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生した。地震の規模はモーメントマグニチュード (Mw) 9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震である。震源は広大で、岩手県沖から茨城県沖までの南北約500キロメートル、東西約200キロメートルのおよそ10万平方キロメートルという広範囲すべてが震源域とされる。最大震度は宮城県栗原市で観測された震度7で、宮城・福島・茨城・栃木の4県36市町村と仙台市内の1区で震度6強を観測した。


 この地震により、場所によっては波高10メートル以上、最大遡上高40.1メートルにも上る巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害が発生した。

 2014年3月10日時点で、震災による死者・行方不明者は18,517人、建築物の全壊・半壊は合わせて40万0,151戸が公式に確認されている。被災された方々のご冥福を心よりお祈り致します。

 日本政府は震災による直接的な被害額を16兆円から25兆円と試算しており、世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額としては史上1位としている。

 地震から約1時間後に遡上高14-15メートルの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、全電源を喪失して原子炉を冷却できなくなり、1号機・2号機・3号機で炉心溶融(メルトダウン)が発生した。水素爆発により原子炉建屋が吹き飛び、大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展した。この事故は国際原子力事象評価尺度で最悪のレベル7、チェルノブイリ原子力発電所事故と同等に位置づけられている。最近の調査結果では電源喪失は地震発生と同時に起きており、想定外の津波が電源喪失の原因としていた東電の説明は認識不足であり、地震対策の不備が原因である。現在も1時間に400トンの水を循環させる事で燃料棒の崩壊熱を冷却し続けなくてはならず、その為に発生する汚染水が屋外に設置された仮設タンクに溜まり続けている。

 日本に地震は昔から有った。記録に残る最古の地震は416年で日本書紀に記録されている。理科年表にある416年以降のM6.1以上の地震は現在までに303回あった。5年一度は大地震に見舞われている事になり、日本は正に地震大国なのである。昔の幕府は大きな自然災害が起きると、神道、仏教を問わず神社仏閣に加持祈祷を依頼し自然を鎮めようと努力し、天変地変は人の生活の乱れが天の怒りを招いたものとして怖れ、自らも含め国民律する事を行った。太陽を唯一のエネルギー源として完全な持続可能社会を形成していた昔の社会では、自然は怖れるに足るもので有ったのである。

 産業革命を境に化石燃料と言う無限のエネルギー源を手に入れた人類は、自然に対する怖れを忘れ、自然は征服できるものとの驕りが蔓延している。自らが作った原子炉が破壊されると、その燃料が熱と放射性物質を出し続ける事を抑えることもできない。その程度の知識で自然を征服できる等と思う思いあがりが自然界を怒らせ、警告を発していると受け止めるべきではないだろうか。

 安倍政権は何としても原発を日本の基本エネルギー源であると言い張り、一日も早い再稼働をしたいらしいが、世界的にも珍しい地震多発地帯に制御する技術も持たない未完成技術の原発を動かそうとするのは、自然を畏れぬ傲慢では無いだろうか。
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10 Mar 2014   10:11:45 am
ティッシュペーパー考
 スギ花粉の季節になり、ティッシュペーパーが手放せない人が増えていることであろう。あるブログに、スギ花粉でティッシュの山を築いている。これまでに何本の木を捨てたのだろうかと、心配する書き込みがあった。

 もう40年以上前のことであるが、ブログ管理人が働いていたドイツ企業の事務所には、50歳半ばのドイツ人の婦人が居た。彼女に僕はいろいろとドイツ式の作法を教わったものである。事務所には、屑かごとゴミ箱が有り、書き損じた紙や、いらなくなったカタログは屑かごに、その他のゴミはゴミ箱に入れるように厳しく言われたものである。プラスチックの袋や消しゴムのかす等を屑かごに入れようものなら、カミナリが落とされる。屑かごは、再生可能な紙のみを入れる保管場所で、ゴミを捨てるところではない。もちろん、書き損じの紙を丸めてゴミ箱に入れようものなら、やはりカミナリが落ちる。


 もう一つ、当時大変に気になったのはドイツ人は鼻拭き専用のハンカチを持っている事である。鼻水が出るとポケットから大きめのハンカチを出して拭う。それはまたポケットに入れて次に又使う。Tempo Taschentuchと言う使い捨てのポケットティッシュも売っているが、それを使う場合も何度か使って最後には「ゴミ箱」に捨てる。全てに清潔好きなドイツ人が、何故鼻紙を惜しむのか当時は不思議に思えた。ついでに思いだしたが、ドイツでは人前でクシャミをする時には噛殺すモノで、間違っても「ハックショーン」等と声を出したりしてはいけない。これは訓練で出来るようになると、クシャミを「クチュッ」位の小さな音にする事ができる。そんなエチケットを知らなかった僕は一度、事務所で「ハックショーン」とやったら、その婦人に傘を開かれて笑われた。

 ところで、日本は世界一のティッシュペーパーの消費国であることを御存知だろうか。日本では一人当たり200W枚入りカートン16箱を1年間に消費しダントツで世界一である。アメリカは年間一人5カートンである。欧州の数字は見当たらないが、アメリカよりもずーっと少ないと思う。日本では、販売以外に、街頭や銀行で無料で配ったりしているがこれは日本だけのもので、欧米人はこれを見て驚く。また、乗用車にティッシュを積んでいるのも日本だけのものである。

 ティッシュは100%バージンパルプが原材料で、リサイクル紙は無い。年間150万トンの上質のパルプが衛生紙として生産されている。そして、ティッシュ、トイレットペーパー、キッチンタオルはリサイクルされないので、一回きりの使用で有る。

 やはり環境の事を考えると、ドイツ人の鼻拭きハンカチが正しいのかも知れない。
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09 Mar 2014   10:12:08 am
平均寿命は12分
世界中に散乱するレジ袋は年間1兆枚
ブログ管理人

 レジ袋は世界で年間5000億〜1兆枚消費されていると言われている。アメリカでは1000億枚で一人当たり年間360枚でほぼ毎日1枚の割である。欧州でもほぼ同量の1050億枚で一人当たり年間200枚となる。日本では300億枚が消費され、一人当たり年間250枚である。

 1兆枚のレジ袋を作るのに1,630万トンの石油が使われる。これは50万トン積載のスーパータンカー33隻分であり、大きな環境負荷となっている。

 レジ袋の一番の問題は、使われる寿命は12分と短いが、プラスチックゴミとして世界中に散乱することである。自然に分解するには数百年掛ることから、今すぐに全てのレジ袋の使用をやめても地球上からレジ袋ゴミが消滅するのは2500年以降とされる。

 1960年代からレジ袋は海洋のあらゆる場所で浮遊している事が確認されるようになり、北極海から南極海まで地球上の隅々までレジ袋は浮遊しており、殆どの海洋生物や鳥類の消化器官からレジ袋が見られ、多くの海洋生物はレジ袋を食べた為に死んでいる。

 レジ袋のリサイクルも行われているが、その割合は1/200に過ぎない。風に吹かれてアフリカに飛んでくるレジ袋を利用して帽子やバッグを編んで村の産業にしているところがある。その村では飛んでくるレジ袋を集める仕事が有り、月に3万枚ものレジ袋を集める人もいると言う。アフリカに飛んでくるレジ袋は、恐らく欧州からのものでありその飛行距離はかなり長いと思われるがそれに関する報告はまだ目にした事が無い。

 レジ袋問題への取り組みは各国さまざまである。アメリカのスーパーでは、チェックアウトした後はいくらでも自由に取れるレジ袋が用意されて居り、自然とその使用量が多くなる。その使用制限に関しては地方政府に委ねられている。欧州では2013年にレジ袋規制法が制定され、厚さ0.05mm以下のプラスティック袋の使用を禁止する方向が示されたが、その施行にあたっては各国に委ねられている。日本の使用量も対応もアメリカと欧州の間にある。東京都杉並区や名古屋市の様にレジ袋の有料化による使用量の抑制に乗り出した自治体では、その効果はてきめんで、レジ袋の使用量が40%減ったとの報告も有る。
 
 マイバッグでの買い物を心がけたいものである。
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06 Mar 2014   06:54:36 pm
ダンテが戻りました
読者の皆様にご心配をお掛けいたし申し訳け有りませんでした。

 本年1月29日の更新を最後に更新が止まっていたブログ「ダンテの森」ですが、明日より更新を再開致します。この間、何人もの方からメールで激励やら叱咤を頂戴いたし、有難うございました。
 
 昨日ドイツの環境学者ヴァイツゼッカー博士の近著「ファクター5」の三校(三回目の校正のこと)が終わり、いよいよ校了を迎えることになりました。A5版全400ページの大作となってしまい最後の校正作業に追われて、ブログの更新にまで手が回らなくなっていたと言うのが実情でした。

 本は、3月25日に明石書店より一冊4200円で発売されますので、是非お読み戴ければと念願致します。お知り合いの、環境問題に関わりの有る方、興味を持って居られる方にもご紹介戴きたいと思います。

 ブログ「ダンテの森」は2011年8月15日から2014年1月29日まで、毎日更新を続けて参りましたが、今後は「ファクター5」発刊に伴い活動範囲が広まって来る事が予想され、それに伴い毎日の更新はでき無くなる事も有るやも知れませんが、できる限りの更新を続けて参る所存ですので、今後ともご愛読をお願い致します。

 今日は、このブログの名前を借りている我が家の雄猫ダンテについて少し書きます。ダンテは、2010年4月の恐らく10歳位の時に我が家にやって来ました。前に居たお宅ではお婆ちゃんが飼い主でした。しかし、お婆ちゃんは高齢の為に施設に移る事になりましたが、猫は一緒に行けません。家族はみんな動物嫌いで、保健所に持って行こうと言う話しになったのだそうです。それを聞いた友人の奥さんの紹介で貰い受けた、とても毛並みの良いアメリカンショートヘアーです。我が家に来るに当ってなぜか家内が名前をダンテとしました。なるほど、顔を見ると考え深げな芸術家のようにも見えます。今では、自分はすっかりダンテだと分かっています。多分いま13か14歳だと思うのですが、来た時より数倍元気になり、健康状態も良くなり当初はときどき行っていた獣医さんにもこの1年は行っていません。人間でいえば80歳位のはずなのですが体調が良く毎日若返って、ぼく達に手本を見せてくれているようです。

 明日からブログ頑張れよと、今もぼくに語りかけているようです。
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16 Jan 2014   10:30:19 am
再エネは救世主か
ドイツの再エネに見る、化石燃料の消費量の変化
ブログ管理人

 ドイツのエネルギー政策は、従来の化石燃料と原子力エネルギーから再生可能エネルギーに転換すると言うエネルギーシフト(ドイツではエネルギーヴェンデと呼ばれこの言葉が聞かれ無い日は無い)である。

 ドイツの再生可能エネルギーの割合は、1990年から順調に増え続け2012年には22.8%、2013年には23.4%を達成した。その内訳は風力7.9%、バイオマス6.5%、太陽光4.5%、水力3.4%、廃棄物0.8%(2013年)であった。ちなみに2013年の日本の再生可能エネルギーは水力を含めて7%台である。

 ドイツエネルギー省の今後の目標予測では、再生可能エネルギーの割合は2025年には40〜45%、2035年には55〜60%となっている。それでも、化石燃料の占める割合は、2023年までは横ばいでありCO2排出量には変化が出ない。その理由は、2023年までに原子力発電所を全面停止して行く為に再生可能エネルギーの伸びは原発の減少分に相殺されてしまうからである。やっと2024年以降CO2排出量が減少し始める。

 なぜ、このようになるのか。それはドイツのエネルギー計画は今後もエネルギー需要は増加し続けることを前提に作られているからである。これは現政権であるCDU/CSU(保守連合)が従来の右肩上がりの経済路線を脱する事と経済とエネルギー消費の切り離し、国連環境計画(UNEP)の提唱するデカップリングを政策に取り入れていないと言う2つの理由によるものと思われる。

 現在の経済システムは経済成長が続き、その為にはエネルギー需要は増え続けると言うことが前提に作られている。その経済基盤の上に立脚しているCDU/CSU保守政権は、その経済構造を根本から変えることになり、既得権益を脅かす事になりかねない政策変更をする事ができないのであろう。再生可能エネルギーは救世主では無い。


 エネルギーシフトを政策の柱にしているドイツですらこの状態である。日本は現在2035年までのエネルギー予測を描くことすらできない。今、自民党はエネルギー基本計画を立案中で、そこでは原子力を日本のベースエネルギーとすると言うことを決めようとしているだけである。4つのプレートが押し合う世界でも有数の地震多発地帯に原発建設など狂気の沙汰であるが、それを日本のエネルギーの中心に据え続けると言う。

 「ファクター5」では現在の経済はエネルギーの無駄遣いの上に成り立っているとし、全ての無駄を廃するならば、現在の快適な生活は1/5のエネルギーでも十分営める事を数々の例を上げて論じている。現在世界のエネルギーの80%は先進国の10億人により消費されている。世界の70億人が豊かな生活を営める為には必要なことは、無駄を無くす事を国を挙げて行う事である。エネルギー消費は増加するものであると言う呪縛から解放されなければならない。
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