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20 Mar 2014 10:22:53 am |
ファクター5の読み方 |
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いよいよ発売される「ファクター5」の読み方をアドバイス
ブログ管理人
3月25日に明石書店から「ファクター5」が刊行される。すでに明石書店のホームページやAmazonから予約注文が可能になっている。400ページの本で横書きでぎっしりと字が詰まっており、読み終えるのには忍耐がいりそうだと引いてしまう人の為に、読み方を考えてみたので参考にして戴ければ幸いである。
明石書店 新刊 URL: http://www.akashi.co.jp/search/next.html
アマゾン URL(画像はない) : http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_ss_i_0_6?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83t%83@%83N%83%5E%81%5B%82T&sprefix=%82%D3%82%9F%82%AD%82%BD%81%5B%82T%2Cstripbooks%2C304
地球環境問題やエネルギー問題を少しかじった事のある読者は、そのままこの本の構成順で読むのが最も適正である。環境問題をはじめて読まれる読者の場合、まず、13〜38ページの「はじめに」をまず我慢強く読んで戴きたい。ここで地球環境問題と言うのが何であるのかが書かれている。
次に、Part Iは、産業全体、建築、鉄鋼とセメント、農業、交通の5つの章に分かれているが、ひとまず第1章の産業全体のファクター5を読んでみるのも良いし、もし興味の有る産業分野が有ればそこから読み始めるのも良いだろう。もし読者が、科学技術関係が苦手であればここに書かれている事は、ここに挙げられている、大量の温室効果ガスを出す分野には既にそれを1/5にする事ができる技術がとっくに完成していると言う事であると、取敢えずは認識した上で飛ばして、Part IIに行かれるのも良いだろう。
その場合、208ページからの4ページの短い序論はきっと興味を持って読むことができるだろう。第6章〜第10章は法律、経済、政治の面から、技術的には解決済みの地球温暖化緩和策を促進されていない現状とそれを打破する方策が述べている。
最後の第11章「足るを知る」は、ライフスタイル、考え方から地球温暖化を緩和するアプローチである。かなり哲学的であり宗教的かも知れないが、持続可能な社会が持つべき大事な角度であり、経済・経済のパラダイムを根幹から変革しなければ、持続可能社会の達成はおぼつかない事を示唆して、この本を結んでいる。 |
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Posted By : dantesforest |
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17 Mar 2014 11:37:56 pm |
競争では無く協調を |
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ヴァイツゼッカーの著作「ファクター5」が訴えているもの
ブログ管理人
発達したIT技術のお陰でブログ管理人のような一個人であっても、このようにインターネットを経由してブログを発信する事が可能となった。今日も、思わぬ人が小ブログを読んでいると聞かされ驚かされ、ブログは規模は小さくとも一つのマスコミュニケーション・メディアなので、誰が読んでいるのかは分からないので、書く内容はいい加減であってはならないと、気の引き締まる思いをさせられた。
ファクター5のパートIは、分野別にどうすれば資源やエネルギーを5倍に活用できるかを紹介している。その目的は、我々人類は、現在の科学技術で、資源やエネルギー生産性を5倍以上に上げる技術を既に手にしているのだと言うことを知ってもらう事に有る。それなら、何故すぐに我々ははじめないのか、それこそがドイツの環境学者ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー教授が言いたい事なのである。
パートIIでは、法的規制、経済的手段、環境リバウンド、長期的環境税、国家と市場のバランスと言う5つの章で、人類がこれまで何故、化石燃料を野放図に使い続けているのか、社会科学のアスペクトから論じ、どのような解決策があるかと提言している。
最後の第11章「足るを知る」では、17世紀の哲学者トーマス・ホッブスと現代人類学者のメアリー・クラークと言う対称的な2人の論を対比して人間の本質に迫る議論を展開している。産業革命台頭と同時期にホッブスは人間の本質は闘争状態にあるとし、競争社会の基盤となる思想となった。それに対し、クラークは人類は本質的に協調をする存在で、社会的連帯があってこそ社会そのものが生き延びる事ができてきたとする。詳細はファクター5をお読みいただきたいが、このなかで人間が本質的に持っている欲求の一つに、新生児が生まれ、母とのつながりを求め、それを獲得するための結び付きへの欲求があるとしている。例え原始時代のような過酷な条件下で生きる人間であっても、生まれたての赤ん坊が、母の乳房を欲しがる様子を見る時には、優しい感情が呼び出され、この小さな命を守る為の勇気を奮い立たせる事ができた。それは家族で無くても自然に出るものある。現代人でも、赤ん坊の笑顔を見て悪い感情を持つ人は居ない。
市場経済と言うエゴイズムと闘争心から生まれた社会システムは、地球環境すら支配下に置こうとして来た。それが、持続可能では無い事に半分気が付きながら、競争を止められないのが現代人である。それを変えるのがグリーン経済革命であるとヴァイツゼッカーは提唱している。
ローマクラブ共同会長となったヴァイツゼッカーが、ローマクラブへの報告として上梓した「ファクター5」は来る3月25日明石書店から刊行される。A5版 400ページ 本体価格4,200円で全国の書店で販売される。 |
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15 Mar 2014 10:43:14 pm |
省エネ・クルセイダー |
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パッシブハウス・ジャパン4周年大会に参加して
ブログ管理人
昨日3月14日午後1時から東京竹芝ふ頭前のアジュール竹芝で開催された、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンの4周年記念大会に代表理事の森みわさんの特別な取り計らいで参加してきた。
パッシブハウス・ジャパンは2010年に設立されれ、日本におけるパッシブハウス認定のサポートをはじめ、現在10棟が日本で認定された。また設立と同時に省エネ建築診断士制度をスタートし、これまでに11回の認定資格試験を行い、現在全国に496名の省エネ建築診断士を作ってきた。また、建物燃費ナビソフトを開発し、これまでに445本を販売している。今回の大会には全国から、工務店、建材メーカー、設計事務所、省エネ建築診断士など総勢98名が集まって開催された。
テーマは、「真の省エネ住宅・エンドユーザーへの伝え方」と言うものであった。冒頭、代表理事の森みわさんの基調講演の中でパッシブハウス・ジャパンの平成26年度の方針が発表された。最初に地球温暖化が進んでいる現状をIPCC第5次評価報告書の内容や異常気象の頻発をとりあげて説明し、日本の温室効果ガス排出量の増加と日本政府の目標削減の状況が示された。日本の住宅の省エネ基準は2009年に下方修正されて以来、次世代省エネ住宅と呼ばれている基準でも環境負荷は殆ど下がっていないことが報告された。
その上で、日本政府の省エネ等級4と言う最高レベルでも、欧州の最低基準の4倍の環境負荷が有り、それよりも更に厳しいパッシブハウス基準は余りにもかけ離れている現状から、新たにパッシブハウス・ジャパン・ミニマム基準を設けて、より数多くのパッシブハウスに近い住宅を建設する事で市場を刺激して底上げを図るとしている。そして2030年には年に3,000棟の「真の省エネ住宅」が建設される事を目標としたいと述べた。
工務店、エンドユーザー、設計事務所から3つの事例が発表されたが、なかでも施主が自らパッシブハウスを指向して設計をした東京の宮川昌己さんの報告は大変興味深いものであった。
省エネ建築の建設と啓蒙に取り組んでいる人が100人も居る事が、ブログ管理人に大きな希望を与えてくれた。また、参加者の多くの方から「ファクター5」の予約も戴く事ができブログ管理人の喜びが倍加したことは言うまでも無い。森みわ代表を先頭に、日本の住宅建築業界に新風を送り込む精鋭たちは、省エネ・クルセイダーである。 |
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14 Mar 2014 09:38:11 am |
マスコミの視点 |
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環境関連の新製品を報道するマスコミの興味はもっぱら売上高
ブログ管理人
LED市場の伸びが好調で有ると言う。環境ビジネス・オンラインが伝えている。
URLは次の通り。:
http://www.kankyo-business.jp/news/007234.php?utm_source=mail&utm_medium=mail140313_d&utm_campaign=mail
この報道に限らないが、日本の環境関連のニュースは環境関連商品の売れ行き、や売上高予測のみであり、本来の環境ビジネスが目指す最終目的が地球温暖化の緩和にあることが全く忘れられている。
地球温暖化ガス要因の約40%は建築物で消費されて居り、その約10%は照明である。つまり地球温暖化ガスの4%が照明の為に排出されている。LEDは従来の照明の20%以下の電力で済む事から、もし全ての照明がLEDになれば、3.2%のCO2排出が削減される事になる。世界全体の3.2%なので大変な量である。
いつまで立っても売上高がどうなるかと言う事だけが報道の対象では、グリーン経済へのパラダイム・チェンジをけん引することはできない。取り扱っている記事の内容がどの位地球環境負荷を低減させるものになるのかを、常に念頭においた記事作りと取材をしてもらいたい。 |
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12 Mar 2014 11:51:27 am |
ファクター5日本語版 |
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来る3月25日、ファクター5日本語版が刊行
ブログ管理人
ブログ管理人と日本語版翻訳プロジェクトチームの合わせて5人が、2012年4月からほぼ2年間の歳月を費やしてドイツ語版から日本語版に翻訳をした、ドイツの環境学者エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー教授の「ファクター5」が明石書店から刊行される。
「エネルギー効率の5倍向上をめざすイノベーションと経済的方策」と言う副題は、全く夢物語などではない。エネルギーを5倍に使う方法は既に確立されており、グリーン経済への技術的準備はとっくに終わっているのである。しかし、莫大な化石エネルギーを掘り出し、運搬し、消費することで今日の経済の多くが成り立っている事こそが問題なのである。エネルギー需要が1/5になれば、現在のエネルギー産業、電力会社、エネルギー設備産業は1/5で済む事になり既得権益の多くが失われる。その為に、これまで洋の東西を問わず真剣な省エネ策は検討すらされる事がなかった。
本書では、パートI においてエネルギーと資源を5倍に使う技術的方法を分野別に多くの事例を上げて、全て既存技術で可能である事を報告している。パートIIでは、市場経済と国家がお互いの利益を守りながら、グリーン経済へのパラダイム転換をする方法を提案している。
従来の専門書の枠を超えて、一般読者にもお読み戴けるようにと翻訳には工夫をしたつもりである。環境問題・エネルギー問題に取り組んでいる人、これから環境問題に取り組もうとしている人、中央・地方政府・政党の政策立案に携わる人には是非一読してもらいたい。もちろん、一般読者にもお読みいただきたい。
全国の書店、Amazonなどで3月25日から販売される。本体価格4,200円+消費税。
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