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16 Dec 2014 09:43:58 pm |
衆院選中に世界では |
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日本が「お金」を求めて国政選挙をやっている間に世界は日本に全く別の事を求めていた。
ブログ管理人
予想通り自公の圧勝であっけなく終わった衆議院議員選挙では、環境問題も外交問題も争点にはなることはなかった。選挙期間中に世界では二つの大きなイベントが有った。一つはペルーの首都リマで開かれた国連気候変動枠組条約第20回締約 国会議(COP20)、京都議定書第10回締約国会合(CMP10)で、もう一つは中国南京で国家式典として開催された「南京大虐殺追悼式典」であった。
COP20には日本からは辛うじて環境大臣が出席したが、日本は京都議定書第二約束期間(2014年1月〜)からは離脱しており、ご存知の通り2020年に向けての地球温暖化ガス排出目標も1990年基準にすると増加目標と言う、EUの国々が、20%以上の削減目標を立てそれに向けて着々と進んでいるのに較べると全く反対に向いて進んでいる。今回のリマCOP20で日本は環境保護団体から、環境保護に最も不熱心な国に贈られる「化石賞」を受賞した。
中国政府は本年2月に9月3日の対日戦勝記念日と12月13日の南京大虐殺追悼記念日を国家行事に指定したもので、今回初めて南京市の「南京大虐殺記念館」で国家式典として習近平主席が出席して大々的に開催された。式典で習主席は「1937年12月13日、南京に侵略した野蛮な日本軍によって、30万人が虐殺され、無数の女性が乱暴され、子どもが非業の死を遂げ、3分の1の建物が破壊され、多くのものが略奪された」と演説している。安倍政権には南京大虐殺など無かったと公言する政治家が大勢いる。
この二つのイベントは日本のマスコミは、選挙報道の陰で小さくしか扱う事がなかった。マスコミだけでは無い、選挙中の各候補者も政党幹部も選挙演説で、この二つの国際イベントについて言及をしたとは聞いていない。もし、いずれかの党がこの二つのうち一つでも取り上げて選挙演説で行っていたことをご存知の方が居られたら教えてほしい。
日本では、ただただ経済だけが選挙の焦点として取り上げられ、環境問題はおろか、集団的自衛権も、特別秘密保護法、武器輸出三原則の解釈変更などが選挙の焦点になる事はなかった。環境問題に取り組むことは、すなわち経済を停滞させることにつながり景気の後退を招くと頭から決めてかかっている人たちが今、権力の中枢を握っており、彼らの書いたシナリオ通りの選挙が進められ終わった。
中国は、南京大虐殺を国際世論にアピールすることで、日本に対し安倍政権が模索している日本を再び戦前の軍事国家に戻そうとしている事に対してシグナルを発信している。しかし日本のマスコミはそれを日本国民に知らせようともしない。また、日本国民も知りたいとも思うことなく、ひたすら自分の収入が1円でも多くなることだけを望んでいる。収入が10%増えたところで、円の為替レートが10%下がれば、輸入品は10%上がり差引ゼロとなる。2012年1月には77円だったドルが現在は115円と安倍政権が取った円安誘導政策の為に50%上がっている。これは、輸入品は5割増しになっているのである。これを経済政策だ等と言っている安倍政権の経済音痴さにはほとほといや気がさす。
やっと勢いづいてきた再生可能エネルギーに危険を察知した、電事連と安倍政権はFIT(電力固定買取制度)を葬り去ろうとしている。年明けからは、電力会社が好きな時に好きなだけ買取拒否ができるようにすると言う。国際社会は、イデオロギーで戦う「ハイ・ポリティクス」を脱した後、経済成長を追う「インタレスト・ポリティクス」へと走ったがその持続可能性の無さに気づき、欧州の成熟した国では生命や生活に価値を求める「ライブリー・ポリティクス」へ向かおうとしている。しかし安倍政権は「インタレスト・ポリティクス」からこともあろうに「ハイ・ポリティクス」に向かうつもりのようである。 |
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Posted By : dantesforest |
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29 Nov 2014 06:57:39 pm |
環境関連の出版物 |
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少なくなる一方の環境関連書籍の出版
ブログ管理人
ファクター5の出版が終わった4月から、ほぼ週2〜3回の割で図書館に通っている。図書館ですることは、まず主要日刊紙に全て目を通して環境関係の記事を読むことである。ついでに必ずチェックするのは、新刊書の広告と書評欄である。どの日刊紙の題一面の下の3段は新刊書の広告と決まっている。今年の3月から今日までチェックした中では、環境関係の書籍の広告は殆ど無かった。統計を取ったわけでは無いが、一番多いと感じるのは健康関連でこれが無い日はまずないと言っても良いくらい多い。つぎはライフスタイル関連、歴史も結構多い、ハウツーもの、ノウハウもの、旅行関連、時事問題などが多く、文学作品は意外と少ない。繰り返すが環境問題関連の本は皆無と言って良い。
図書館には、コンピュータ端末が備えて有り図書館内の蔵書検索ができるようになっている。この端末でキーワードを「地球環境」「地球温暖化」「省エネ」などとインプットして蔵書を調べる事ができる。その本が何時図書館の蔵書となったかも分かる。これで調べて見たら、環境関連の本が一番多く図書館に入ったのは2005年でこの年だけで100冊以上の本が入っている。2006〜2007年には急激に減り続けているが、それでも2007年には30冊位の本が入っていた。それが2008年には数冊となり、それ以降は毎年数冊かゼロの年が続いている。リーマンショックが起きたのが2008年であるので、それと符合する。景気の悪化がピークに達すると同時に、環境に等構っては居られなくなったと言うところであろうか。
アマゾンで調べても2007年以降は、地球温暖化などの本はほとんど出ていない事も分かる。経済のデフレが始まった2001年から景気刺激策が始まったことと環境問題に蓋をしたことに関連が有ると思われる。政府は、エネルギー消費が減少する事は景気の後退を意味するとの解釈から、環境問題への取り組みは景気を刺激せず、それどころか景気を後退させかねないと考えて、国民を環境問題への真っ向からの取り組みをさせないような誘導策を講じた兆しが有る。それが、クールビズやワームビズと言う服装を夏は軽装にして冷房温度を上げ、冬は暖かいものを着込んで暖房温度を下げると言うキャンペーンである。
これは、一見正しい事を言っている事が味噌である。確かに夏の無駄と思える程の冷房は、軽装にして冷房設定温度を上げるのは理に適っている。一時TVコマーシャルに、女性が家で厚手のソックスの重ね履きをして、暖房温度を下げると言うのが有った。しかし、これは人に環境に優しい事は幾分かの苦痛を伴うものであると言う潜在意識を埋め込むのが目的で有ったのではなかろうか。
それが証拠に2008年から「オール電化」がキャンペーンされるようになる。これは、電力需要が減る夜間にも発電量の調整ができない原子力発電から出る余剰電力を、家庭で消費させるための政策で夜間電力割引料金が設定され、熱効率が悪い為に、すでに欧州では使用禁止となっていた夜間電力利用のタンク式の電気温水器で暖房と給湯をさせるものである。空気を汚さないクリーン暖房とのキャンペーンが功を奏して、3年後の2011年には、東京電力だけで原発三基分の200万kWの夜間電力消費が増えている。
そして、2011年3月11日の東日本大震災以降は、災害からの復興も加わり、ますます経済の復興のみがまるで、日本人の目標のようになってしまい、環境問題は全て棚上げとなり、京都議定書からは2013年から離脱、CO2排出量目標は大幅に下げて、現在の目標は2020年において1990年に比べて+3%と言う
なんとプラス目標である。ちなみにドイツは2020年には1990年に比べマイナス40%を達成しようとしている。生物多様性を決議した名古屋議定書にも日本は産業界からの反対を理由に批准していない。
官民一体となって反地球環境保護政策を進めているのが日本であるので、おおよそ国民の殆どは環境問題の存在すら意識をしていない。その為に、出版社は環境問題の本は出版しても売れないので出版もしない。作家も環境問題を扱っても売れないと思い本を書かない。新聞にも定期的に環境問題を載せる環境のページは無いし、環境の問題は一過性のトピックスとしか扱われない。そして日本国民の環境問題意識は薄くなって行く。 |
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26 Nov 2014 08:32:36 am |
各党の環境度 |
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衆議院選挙に向かっての各党のキャッチフレーズと環境政策を比較
ブログ管理人
安倍第二次内閣になってから2年、任期まで2年を残して安倍首相は解散に打って出た。野党の足並みがそろっておらず、選挙準備もできていない今総選挙を打てば、自民の勝利は間違いなしと踏んでの決断だろう。各党選挙戦が始まったが、各党の環境問題に対する姿勢はどうだろうか、比較をして見た。
各党の選挙に臨むキャッチフレーズを並べて、選挙用の政策集などから環境政策がどうなのかを調べて見た。
自民党 「景気回復、この道しかない。」
この党は経済のことしか頭にない。経済さえ良くなればそれで良いとなりふりを構わない。政策のパンフレットを隅から隅まで見たが、「環境」の2字を見つける事ができなかった。この国には環境問題は存在しないらしい。
民主党 「今こそ流れを変える時」
マニフェストの10の重点政策の7番目に、原発・エネルギーがあり、省エネルギー法を改正し、住宅断熱の義務化・省エネの「見える化」を推進している。
公明党 「いまこそ軽減税率実現へ」
選挙向けの政策集などの資料は無く、党のHPを調べると「原発ゼロ社会をめざす」とあり、再生可能エネルギー、省エネルギー、火力発電の高効率化を掲げている。
共産党 「ストップ増税 くらしを守る」
環境政策は見当たらない。その理由として考えられるのは、この党は政府与党の言っている事にことごとく反対する党であるので、政府与党が話題にもしない環境問題は、この党にとっても問題では無いのであろう。
次世代の党 「次世代が希望を持てる日本を」
政策を見る限り、基本的には新自由主義を進め市場優先の自由経済が目標らしい。自民党よりもさらに復古調で、原発推進派で高速増殖炉や核燃料サイクルもまだこの党では生きているから恐ろしい。党名は次世代では無く旧世代いや古世代の党の間違いではないのか。
みんなの党 「The改革 私たちは進み続けます。」
この党にも環境政策はないが、2030年までの脱原発を謳いその為に再生可能エネルギーの推進をあげている。
維新の党 キャッチフレーズは不明
政策の中に、市場メカニズムを通じた「原発フェードアウト」と「自然エネルギー立国」と言うフレーズが有るが、市場メカニズムはこれまで経済優先、環境無視を行ってきている。市場に任せていては環境問題は先送りされるだけである。これ以外にこの党の環境政策は無い。
緑の党 緑の党は当ブログ11月19日で東京比例ブロックから音楽家の三宅洋平さんを擁立すると書いたが、比例には1会派で最低4名の候補が立候補する必要が有り、一人当たり600万円の供託金つまり2,400万円の供託金を用意する必要がある。前回2012年の時には寄付が1,600万円しか集まらず出馬を断念した経緯があり、今回も難航しているようである。同党のHPには、来年の統一地方選の事しか書かれておらず衆議院の解散についての記述は無いので、恐らく今回も立候補見送りになるのでは無いだろうか。
このように、各政党の中で環境政策と言えるものは民主党のマニフェストにある原発・エネルギーのみであり、環境政策として掲げた党は皆無である。欧州では今や環境問題は政策の中心課題であると言うのに、日本では野党の政策にもならないと言う情けない現状である。選挙戦にあたって各党は、それなりの市場調査を行い、どんな政策を持って戦うのが最も自党に有利になるかを検討した上でのことであろう。逆に言うと、いずれの調査会社やシンクタンクの調査からも、日本国民が環境問題を政治に求めていると言う結果は出なかった。つまり環境問題は、日本国民の興味の対象にはなっていないと言う事になる。つまり電通、共同通信、時事通信による情報のコントロールが、まんまと成功していると言うことなのだろう。
今月初めに行ったドイツでは、環境問題は日常問題であるが、日本では一過性のトピックスでしかなく、日本には環境問題は無いと一般的に考えられている。今回の選挙戦でも「環境」の言葉を聞くことはないと思うと、国際社会と日本の乖離がますます大きくなって行く気がする。 |
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25 Nov 2014 04:33:08 pm |
不可解な報道姿勢 |
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グリーン機構基金に拠出を表明したオバマ大統領と安倍首相の共同記者発表を無視? ――主要メディア
ブログ管理人
環境問題関連の国際ニュースサービスENSは、11月17日ワシントン発として、オバマ大統領と安倍首相が11月16日にG20が開かれていたオーストラリアのブリスベーンで共同記者発表を行い、自然災害の早期警戒態勢や被災に強いインフラ整備への支援と、気候変動に抵抗力を持つ農作物の育成や温室効果ガス排出削減技術の導入などの促進を支援する基金、「グリーン気候基金(GCF)」に両国が他の国に先駆けて拠出をすると発表したことを報じている。
米国は30億ドル、日本は15億ドル(約1700億円)を拠出する。この拠出は11月20日にドイツの首都ベルリンに先進国が集まって開かれるグリーン機構基金会議で100億ドルを目標に拠出が募られる。ドイツとフランスはすでに各10億ドルの拠出を表明しており、米国と日本は欧州の国より多く拠出する事で、基金の主導権を取るのが狙いのようである。
大変に不思議なのは、日本の大手メディアのこのニュースの扱いである。読・朝・毎・日経などの大手メディアはこのニュースに全く触れていない。オーストラリア、ブリスベーンで開かれたG20関連のニュースで一番目についたのは、安倍首相、アベノミクスの成果強調、エボラ熱阻止声明、円安懸念話題にならず、プーチンが孤立などで、安倍首相がオバマ大統領と二人で「グリーン機構基金」への拠出を発表した事に触れた記事は無い。ただ、東京新聞は共同の記事として日本が15億ドルの拠出を表明することを11月14日に報じており、この記事は、かなりの地方紙でも取り上げられているが、中央紙には無いのが不思議なことである。次にその共同配信の記事を掲載する。
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日本、温暖化対策基金に拠出 G20で首相表明へ 2014/11/14 02:00 徳島新聞 (共同)
発展途上国の地球温暖化対策を支援するため設立された「グリーン気候基金8GCF)」に、日本政府が最大15億ドル(約1700億円)の拠出を検討していることが13日、分かった。オーストラリアのブリスベンで15・16日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で、安倍晋三首相が表明する見通しだ。
日本は10億〜15億ドルの拠出を検討。既に拠出を表明しているドイツやフランスの10億ドルを上回る額とし、経済規模に応じた貢献をすることで、温暖化対策の新たな国際枠組み交渉を加速させたい考えだ。
GCFは、豪雨や海面上昇など温暖化の悪影響を受けやすい途上国支援の基金。
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この報道では安倍首相が表明する予定とあるものが実際にはオバマ大統領との共同記者発表となったのに、それは取り上げられなかった。経済新興と環境対策は矛盾するものと、考えられている日本の風土に配慮しての報道姿勢ではなかろうかと思うのは、ブログ管理人の斜視の性だろうか。
オバマと安倍の共同記者発表を伝えるENSの記事のURL:
http://ens-newswire.com/2014/11/17/obama-pledges-us3-billion-to-new-green-climate-fund/ |
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22 Nov 2014 08:58:11 am |
ベルリンを歩いて見て |
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壁は無くなって25年経ったいまもくっきりと残る東西の差
昨日の朝日新聞デジタル版に、「特派員レポート『統一ドイツは今』の余話」と言うカラムがありその挿絵に国際宇宙ステーションから見たベルリンの夜景が出ていた。
この宇宙からのベルリンを見ると黄色い光が輝く右半分と白い光が輝く左半分にくっきりと分かれている。記事によると、右の黄色い光は旧東ベルリンで左の白く光る方が旧西ベルリンで有ると言う。右の黄色は道路を照明しているのはナトリウム灯で左はLEDか蛍光灯あるいはガス灯だと言う。東西が分離されていた頃、西ベルリンは電力を全て東ドイツから買っていた。電力はいつ止められるか分からないとの恐怖から、石炭を西ドイツから運んで自前のガス供給設備を備えていた西ベルリンは、道路照明をガス灯で行う事を整備した結果西ベルリンの道路は殆どガス灯で照明されるようになったと言う。電力に心配の無かった東ベルリンでは、当時は最も発光効率が良いとされていたナトリウム灯(黄色い光を出し明視性に優れているとされ日本でも一時道路照明に多用された)が設備されていった。壁が崩壊して25年経った今も、この差が宇宙から見るとくっきりと見える。
これは、交通機関にも言える。旧東ベルリンには路面電車網が発達している。路面電車は本当に網目のように走っており、本当の市民の足のように使われている。東西が分断されていたころ、西ベルリンはモータリゼーションの波が押し寄せていた。個人が自動車を所有するのが当たり前の時代となり、路面電車は自動車交通の邪魔になるとの事でことごとく取り払われ、幹線だけが地下鉄や高架鉄道になった。幹線であるので、主要な場所には駅が有るが東の路面電車のように細かに行き届いていない。分断されていた頃東ベルリン市民には自家用車は、例のプラスティックボディーのトラバント(愛称トレビ―)だけで、大きさは日本の軽自動車以下で、価格は一人の年収の倍もしており、その上お金を払い込んでから車を受け取るまで数年掛かると言う程の「高嶺の花」であった。当然、市民の足は路面電車であった。その為に路面電車が発達した。この区分けも歴然で、旧東ベルリンには路面電車網、西ベルリンには地下鉄網とはっきりと分かれている。
現在の路面電車の停留所には全て電光表示版が有り、次に来る電車の行き先、到着時間が次の3本まで表示されている。最大の待ち時間は10分のようで、どの停留所でも10分以上の表示にはお目にかかることは無かった。電車は2両か3両繋ぎで、低床になっており乗降に段差はほとんどなくお年寄りにも優しい。車内には、自動切符販売機が一台必ず備え付けられており、切符なしで載った人はこれで買える。最低料金は1.2ユーロ(170円)である。車内にも表示が有り、次の駅と3つ先の駅までが表示され、それぞれ停留所での乗り換え路線番号が表示される。これも大変に親切である。ちなみに、旧西ベルリンの地下鉄の中にはLCDディスプレイがあるが、そこにはコマーシャル・ビデオが流れているだけで乗客の為の情報は無かった。中には文字ディスプレイで次の駅が示される車両もあるが、3つ先の駅までの表示は路面電車だけで見ることができた。
その他、目につくのは建築物で、旧東ベルリンの建築物は、直線的なデザインのオフィスビルであったり集合住宅である。東西分離が行われた後に都市計画が行われたらしく、幾何学的に計画された幅員の広い道路に路面電車の軌道がつけられその両側にビルが整然と無機質な感じで並んでいて、いかにも東ベルリンと思わせられる。旧西ベルリンでは街並みが第二次大戦前の石造りの建物を残す形で復興されたらしく、道路幅は狭く路面電車の軌道は外されている。不思議なのは、壁の崩壊後建てられたらしい、いかにも西側臭いショッピングモールのような建物や、ビジネスセンターのような建物のいくつかが、使われなくなって落書きがされ荒れ放題となっているのはどうしてなのだろうか。ホテルの従業員に聞いてもその理由は知らなかった。
ベルリンの五人に一人は外国人と言われるがそれは本当で、トルコ人をはじめポーランドやボスニアなどのスラブ系の言葉を話す人たちが多い。治安対策の為か深夜になると、警備会社の人と分かる制服を着て拳銃を腰に下げて大型の犬を連れた人たちが多く出てくる。たいていが若者で、2〜3人の男女でチームを組んでと言うより、徒党を組んでと言う方が近い感じで歩いている。見ていると、片っ端から職務質問らしきことをしている。自分たちが深夜の街の治安を守っていると言う使命感に燃えた青年たちかも知れないが、見ていて安心感より不安感に駆られてしまうのは何故だろうか。
ベルリンの壁が崩壊して25年経っても東西の差は今でもくっきりと残っていると思うのは旅行者だけであろうか。わざわざLED照明入りの白い風船を壁の有った位置に8000個もならべないと壁の存在が忘れられるからと、大イベントが行われたが、これは国際社会向けのプロパガンダでは無かったのか。 |
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