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21 Nov 2012 12:20:15 pm |
省エネ型自販機 |
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断熱・密閉・インバータで68%の省エネを達成
2012年11月19日、日本コカコーラ株式会社は富士電機株式会社と共同で、ピークシフト電力使用の自販機を2013年1月から初年度は25,000台全国に設置すると発表した。
日中の消費電力を95%節減とアピールしている。これは、夜間に冷却と加熱を行い、昼間の電力消費を最低限にするというピークシフト型にした結果昼間の消費電力が95%削減されたと言うものである。これを可能にする為には従来大変悪かった、断熱、蓄熱技術を改善する必要があった。
取り入れられた省エネ技術は大きく3つある。従来はウレタンを内張りに貼っただけの簡易的な断熱であったものを、真空断熱材を使用することで断熱効果が10倍になったとしている。また、悪かった気密性も向上している。また、従来は冷却はコンプレッサーを使った冷却機で行い、加熱は電気ヒータを使っていたものをヒートポンプを使う事で、冷却機が出す排熱を加熱に使う事で20%の省エネを達成したとある。これら全ての対策で68%の省エネに成功した。消費電力が95%削減されたわけではないことに注意する必要がある。
自販機については当ブログ8月27日にも書いたが、全国に500万台が設置されており、世界どこにもない飛び抜けた設置台数である。現在500万kWの消費電力(原発5基分)であるが、例え全数がこの省エネ型になっても150万kWは消費されるわけである。
自販機での飲料水販売は年間7兆円で、従事者数35万人の決して無視はできないビジネスになってしまっている事の方が問題である。
日本コカコーラはこのピークシフト型自販機には、ポーラベア(ホッキョクグマ)をデザインして、吹き出しのセリフに、環境保護の文言を書くとの事だが、ホッキョクグマはきっと「自販機全廃!」と書きたいと思っているに違いない。
日本コカコーラ発表原文URL:
http://www.cocacola.co.jp/info/savingenergy_statement.html
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13 Nov 2012 04:00:12 pm |
2000ワット社会 |
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一人が消費する持続可能な年間エネルギー消費量
2000ワット社会と言う言葉を知った。ドイツのエネルギー効率に関する研究の権威であるフラウンホーファー(Fraunhofer)研究所のエバハルト・ヨッヘム(Eberhart Jochem)教授達が提唱する構想であり、エネルギーの80%を輸入に頼るスイスでは、この2000ワット社会に向かって国を上げて取り組んでいる。
一人の成人が一年間の間にどれだけのエネルギーを消費しているかを調査した結果、アメリカ人は12,000ワット(W)、中国人は1500W、バングラデシュでは200W、日本人は5400Wである。
この年間消費エネルギーには全てが含まれている。スイス人の場合を例にとると、住居やオフィスで居住する為に冷暖房や換気、給湯、照明で30%、毎日使う食料品や消費材を作ったり運んだりするのに使うエネルギーが20%、公共のインフラが18%、電気としてTVを見たり、PCを使ったりするのに12%、自家用車に10%、飛行機に5%、鉄道・バスなどに3%のエネルギーが使われている。(図参照)
スイスのモ―リッツ・ロイエンベルガ―環境相は2000ワットで生活する為に必要な技術は既に存在していると、次のように述べている。「これらの基準を実施するにあたり問題なのは技術面ではありません。このビジョンを現実化するためには政治的意志が必要なのです。例えば、導入計画、エネルギー効率プログラム、ゼロエネルギー住宅、熱ポンプ、バイオガス、低エネルギー車、ハイブリッド車などのコンセプトの促進があげられます。この構想を実行するのは我々の政治的責任です」
今、アメリカや日本ではまるで宝物を見つけたように大騒ぎをしている、シェールガス・オイルやメタンハイドレート等の新たな化石燃料を掘り出すなどは、地球温暖化を全く無視した、とんでもない考え方である事を知るべきである。
この記事は国連大学のサイトにあるカレ・ヒューブナ―氏の記事を参考にしました。URLは次のとおりです。
http://ourworld.unu.edu/jp/2000-watt-society/
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09 Nov 2012 12:35:31 pm |
東西2大国の政権交代 |
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東西大国の指導者は着々とグリーン経済への変革へ手を打っている
11月6日にはアメリカの大統領選がオバマの再選で終わった。アメリカのグリーン経済への移行を目指している経済人は、息をつめて選挙の行方を見守っていたが、今ほっと胸を撫で下ろしているところだ。
昨日11月8日には十八大と呼ばれている中国共産党第18回全国代表大会が開催された。これは10年間続いた胡錦涛総書記最後の共産党大会であり世界第二の大国の政権交代である。
オバマ大統領が第一期目の在任中にアメリカ経済を持続可能性社会を目指すグリーン経済に変革する準備を着々と進めて来ている事は昨日11月7日のブログで書いたが、胡錦涛総書記も中国の第12次5カ年計画(2012年8月29日のブログ参照)で持続可能性社会への変革の為に「省エネ・エコ産業発展計画」を発表し、2015年に省エネ・エコ産業の総生産額を4兆5000億元(約56兆円)に設定している。その為にこれからの3年6ヶ月の間に30兆円の予算を計上している。中国の年間国防予算は約8兆7千億円であるので、国を賭けての改革である。習近平次代総書記がこの路線を踏襲して進めてくれる事を祈るばかりである。
シーメンスは昨年、中国国家発展改革委員会と1985年に締結した合意文書を延長し、第12次五カ年計画期間より長い期間内に、産業のリニューワル、技術革新、省エネ技術、環境負荷軽減、中西部地区の発展整備などの重要分野で全面的な提携を継続するとしている。このように賢明な企業はグリーン経済を見据えて手を打っている。
しかし、オバマ大統領の演説にも、胡錦涛総書記の演説にも経済路線をグリーン経済に切り替えると言う事に触れたと言う報道を見た事が無い。これは、マスコミが報道しないのか、実際に指導者達が語らないのかは分からないが、何故か東西の二大国のいずれの国においても「無言実行」の形で進められているようである。環境問題は国民の理解がまだまだ得られないからなのだろうか。
日本では、指導者も国民も環境問題については語りもしないし、行動も起こさずひたすら無関心を装っているだけである。
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08 Nov 2012 12:21:10 pm |
オバマ大統領再選 |
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これからがオバマ政権本当の仕事のはじまり
昨日は、はじめてアメリカ大統領選の開票をライブで見た。年金生活者の特権だ。民主党のうまい選挙戦術が効を為した形でオバマが再選された。
2008年のオバマブームのChange! Yes, We can Do!などのキャッチコピーは無いが、4年間の多数党である共和党との政権運営の難しさが身にしみている様子が良く分かる、協調と話し合いで一つのアメリカを作ると言う勝利宣言であった。
本年、2月にオバマ政権は2013年度予算案を出している。この予算は全体的に、従来のエネルギー依存型のアメリカの経済構造を変えて行き、海外からのエネルギー輸入に依存しない経済を構築しようとするものである。その中に「持続可能エネルギーと運輸」と言う、再生可能エネルギーへの投資と交通インフラの整備を行う事で運輸部門のエネルギー消費を下げる事を目標にしている部門がある。オバマ大統領はこの予算の実施で、新たな雇用の創出と、グリーン経済への移行を始めようとしている。
この予算の原資としているのは、年間40億ドル(3200億円)の化石燃料への補助金のカットと、イラクとアフガニスタンからの軍の撤退によって浮く軍事予算から充当しようとしている。ロムニーは選挙運動のなかで、自分が当選したなら一番に大統領令を出して予算実行を阻止するとするターゲットになっていた。
昨日の勝利宣言の中では、この予算については触れられる事は無かったが、オバマがこれから取り組む大きな仕事である。この予算の実行にあたっては、石油メジャーや産軍複合体のロビーや共和党の利益代表議員のあらゆる反対が予想されるので、共和党との協調なしには実行不可能と思われる。
母なる地球(環境)が選挙戦の最後に送ったハリケーン「サンディー」の応援で再選を果たしたオバマ大統領を祝福すると同時に、環境政策の実現と成功を期待する。
環境関連の予算がまとめられたpdf(英文)がダウンロードできる。
http://files.eesi.org/budget_factsheet_022912.pdf
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07 Nov 2012 02:35:16 pm |
ファクター5プロジェクト |
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幅広く読んでいただける本を目指すと決定
今日は、いつもと違って僕たちのグループの事を書きます。このブログは持続可能な社会を目指しており、その基本的な考え方は資源を今の5倍有効利用すれば持続可能な社会は作れると言うもので、それはドイツの環境学者エルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー博士の近著「ファクター5」から学んだものです。
現在僕たちのグループはボランティアでこの本をドイツ語から日本語に翻訳を進めています。この本が明石書店から出版される事が決定した事は11月1日にお知らせしました。
昨日来日中のフォン・ヴァイツゼッカー博士と我々翻訳チームが東京でミーティングを持ちました。現在、博士は東京で開かれている国連環境計画(UNEP)の国際資源パネル(IRP)の議長として来日しています。
ファクター5日本語版は英語版、ドイツ語版の内容に加えて、3.11と言う新しい課題を得た環境先進国日本へのメッセージを加えて行く事と、対象を専門家や学者・学生だけでなく一般の方々に広く読んでいただけるものにしようと、決まりました。これからが僕たちの戦いが始まりだと、全員決意を新たにしています。来春出版に向けて頑張りますので、皆様のご支援をお願い致します。
写真はフォン・ヴァイツゼッカー博士(右から2番目)を囲むボランティア翻訳グループです。右から3番目は応援してくれているPaul Kuhn氏です。
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