ダンテの森    
04 Dec 2013   06:09:01 pm
特別秘密保護法(1)
「特別秘密保護法」は産軍複合体日本版を作る為の準備では無いか?
ブログ管理人

 小ブログでは、環境問題やエネルギー効率向上に直接関係の無いテーマは極力扱わないように心がけており、これまで政治問題は余り取り扱ってこなかった。しかし、今回の特別秘密保護法(案)に対する政府の余りにも強引さは目に余るものが有るので取り上げる事にした。

 なぜ安倍政権はここまでこの法案の成立を急ぐのか、それにまず訝しさを感じる。先だって成立した日本版NSC法は、もう既に動き始めており、その準備の手際良さには驚かされる。これと対をなすのが特別秘密保護法であり、日本版NSCはこの法の実行部隊である。第二次大戦後アメリカのトルーマン大統領が産軍複合体を作り米国の経済推進力としたが、それを安倍政権は真似ようとしているとしか思えない。三菱、日立、東芝を中心とした軍需産業を作り、新興国相手に軍事ビジネスで経済成長をしようとしているのではないだろうか。中距離核弾頭付きミサイルの開発や、迎撃ミサイル、防空システム等を発展途上国に売れば経済成長を続ける事ができると考え、その為の秘密保護システムなのだと考えられる。その為には原発も、核廃棄物処理システムも必要なのである。

 中国を仮想敵国と見なした政策を掲げて、特に東南アジアの中国と国境線を持つ国々に対し、民生機器よりも利潤の多い軍需製品を日本のこれからの主力製品にしようとしているふしが有る。

 かつてアイゼンハウアー大統領は、産軍複合体が米国の国家・社会に過大な影響を与える事になると警鐘を鳴らしたが、その予言の通り米国はベトナム戦争、イラク戦争の泥沼に陥った。それをオバマ大統領は変更をしようとしており、米国は大幅に軍事予算を減らしている。当然、遠く離れた東南アジア・極東地域の軍備も縮小している。安倍首相のブレーンはそれを好機と見て、民生分野でのエレクトロニクスで失敗をして完全に敗北した日本の産業を、軍備産業で建てなおすことを考え出したのではないだろうか。

 日本のエレクトロニクス産業が、世界市場で負けたのはもともと経産省が取った「メモリーは産業のコメ」政策にある。メモリーの微細化に勝てば世界のエレクトロニクス市場を席巻できるとした政策が、失敗したのである。その失敗の反省も無く今度は産軍複合体を作って1950年代の米国の真似をしようとしているように思える。

 世界は既にグリーン経済への移行へと進んでいる。世界の動向を見る事が無い日本の政策は又失敗する。エレクトロニクスでの敗北は、日本を政治的孤立に陥れる事にはならなかったが、グリーン経済への移行をしない国は異端児として世界で孤立することになることを心配する。(写真はイラク戦争)
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03 Dec 2013   10:02:31 am
ドイツ人と自販機
年間170万トンのCO2を排出する飲料水自動販売機は「犯罪」?
ブログ管理人

 先日、ドイツから来ていた技術者と話す機会があった。彼は、工学博士でドイツの特殊な化学プラントメーカーの営業を担当している。彼は野立ちの飲料水の自動販売機が目に付いたらしく僕にいろいろと質問してきた。

 最初の質問は、アルミニウム缶での飲料水の販売は資源の浪費であると言う。僕が、いや日本では100%アルミニウム缶は回収されリサイクルされていると説明したが、ガラス製のリタ―ナルビンの方が省資源であると言う。確かにドイツのスーパーマーケットではアルミニウム缶やペットボトルでの飲料の販売はしていない。すべてリタ―ナルのガラス瓶であり、それで事が足りている。なぜアルミニウム缶で販売しなければならないのかと聞かれ、それは自動販売機で売る必要が有るからだとしか答えようが無かった。

 次の質問は、日本のようにコンビニエンスストアが多い国は見た事が無い。こんなにコンビニが有るのになぜその上に、飲料の自動販売機が必要なのかと言う。それに対しては、コンビニよりも数が多い自動販売機の方が更に便利が良いからであるとしか答えようが無かった。

 タクシーで移動の途中彼は窓から見える自動販売機を数えはじめ、一体どれくらいの自動販売機が有るのか知っているのかと聞くので、僕が知っているかぎり、約600万台が日本全国に設置されており、一台0.5kWhの電力消費として約300万kWhの電力を消費していると言うと、彼は即座に「それはもはや犯罪である!」と言った。

 ドイツやEUが省エネを必死になってやっているのは、これまで先進国が排出して来たCO2のせいで気候変動が起き、先日のフィリピンの超大型台風のような気候の狂暴化が起き、その為に何千人もの人命が失われるのを今後少しでも回避しようとしているからである。それにも関わらず日本の様な技術先進国が、僅かな利便性を追求する余り、年間170万トンものCO2を大気に放っている事は犯罪としか言いようが無いと言うのである。

 僕が、いやしかしこれは利便性の追求だけではなく、この清涼飲料水販売で6万人に職場を提供しているのだと言うと、「それは環境問題に対する反論の標準的な答えだ。それを言っていたら何も変わらないよ。」と言われてしまった。彼は特に環境意識が高い部類の人なのかも知れないが、政治家でも環境保護運動家でも無い一人の技術者である。ドイツ人の環境問題意識の高さを改めて感じさせられた。
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28 Nov 2013   10:12:54 am
新幹線に乗って
新幹線は世界に誇れる環境に優しい乗り物である
ブログ管理人

 関西へ友人の仕事の手伝いで行ってきて、昨日は京都嵐山の紅葉観光もして来た。往復は新幹線であった。新幹線車内前方ドア情報にLED電光パネルが有り、そこには走行情報、ニュース、企業広告などが絶え間なく流されている。この企業広告を良く見ていると、決して何でも有りと言うわけではなさそうである。ほとんどは省エネ関連テーマにした企業広告となっている。素材技術、再生可能エネルギー、リサイクルなどを前面に出した広告である。

 当然、JR東海のCMも流れるが、その中に「JR東海は環境に優しい新幹線を使ったグリーンな出張をお手伝いしています」と、言うような意味の広告があった。実際、新幹線の乗客は8割方がビジネス客であり、自動車や飛行機に較べて一人当たりのエネルギー消費量は格段に小さく、環境に優しい乗り物である。新幹線で東京から大阪まで一人の乗客を運ぶのには90MJ(メガジュール)のエネルギーが使われ、4.2kgのCO2が排出される。飛行機を使用した場合、国内線に投入されている航空機で最もエネルギー効率の良いボーイング777では730MJでCO2は49kgである。

 現在、東海道新幹線は、のぞみ、ひかり、こだま合計で1日最大184本運行している。これは5.4分に一本の割合である。新幹線は16両編成で1編成に1323名が乗れる。新幹線の平均乗車率は58%で、これは公共交通機関としては、採算性が有り、顧客はまず希望の電車に乗る事ができる理想的な乗車率と言える。

 新幹線は、長年にわたって省エネの努力を重ねて現在の700系で現在の省エネ性能に到達した。

 だから、JR東海は胸を張って環境に優しい新幹線と宣伝する事ができる。矛盾しているのは、リニア新幹線計画である。リニア新幹線では現在東京―大阪間は2時間半であるものが、1時間半になると言うが、一人当たりのエネルギー消費は5倍と言われているので450MJとなりCO2は30kg排出するようになる。

 その上、これから人口が減少して行く日本では、乗客数は減少すると考えるのが普通であろう。実際、新幹線の乗車率は2005年以来横ばいである。

 東京―大阪間をどうしてももっと早く移動したいと言う需用がそんなに有るとは思えないし、路線の95%がトンネルの中と言う景色は全く楽しむ事ができなくただ早いだけの乗り物に乗りたい人がいるのだろうか?

 JR東海は、リニア新幹線が開通した後は、現在の新幹線の運転量を減らして「不便」にする事で乗客をリニア新幹線に誘導するつもりだと言うが、これは顧客不在の考え方でありマーケッティング的にも間違っており、巨額の建設費投資を回収できず破綻となる可能性が高い。

 経団連の米倉会長は、自分が生きている内に乗れたらこんな幸せな事は無いと早期完成を望んでいると言っているが、米倉氏が乗ろうがそんなことには興味が無いが、経団連は巨大な建設費が魅力なだけである。

 折角、世界に誇れる環境に優しい新幹線を作ってきた新幹線の開発陣には忸怩たる思いの人も多い事と思う。JR東海は、本当に営利企業としてリニア新幹線のフィージビリティー・スタディー(事業化計画)を行った上での決定なのか訝しい。アベノミクスとやらのまやかしに乗せられているのではないだろうか。
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26 Nov 2013   06:21:43 am
有害農薬を日本は推進
ネオニコチノイド系農薬は欧州では規制され日本では推進
ブログ管理人

 ミツバチの大量死の一因として知られている神経伝達物質に働く農薬ネオニコチノイドは、EUでは規制の対象となっているが日本では農水省、JAがいまだに推奨している。これについては3月27日の小ブログで書いたが、なぜ日本では使用が規制されないのかを考えて見た。

 殺虫剤や農薬として散布され、神経伝達物質に作用して昆虫の神経を興奮し続けで死に至らす。ヒトにも自律神経系、神経筋接合部、中枢神経系に作用する事が認められている。ミツバチがこの農薬の影響を受けると方向感覚を司る神経伝達物質が阻害され自分の巣に戻れなくなる為に一つの巣が全滅してしまう。1990年代はじめから世界各地でミツバチの大量死、大量失跡が報告され2007年までに北半球では1/4のミツバチが消滅し、その原因がネオニコチノイドであるとされている。

 EUではヒトの神経にも作用するとして規制が進んでおり、オランダ、デンマークでは2000年、フランス、ドイツでは2006年に使用禁止となっているが、日本では逆に使用量が年々増加し、1997年から2007年の10年間で年間150トンから450トンと3倍になっている。野菜や果物のネオニコチノイドの残留許容量は農水省によって定められているが現在EUの500倍であるが、これを更に上げようとする動きがある。

 野菜や果物の表面に虫食い跡があると、日本では商品価値が無くなる。スーパーの野菜売り場にならぶ野菜には傷一つないピカピカの野菜しか並んでいない。欧米では多少の虫食い跡は消費者が許容するが、日本の消費者には通用しないので、日本ではこの農薬の使用をやめる事ができない。その典型的な例は米で、イネに着くカメムシは口を差し込んででんぷんを吸い取るが、その跡が米に黒い斑点として残るが無害である。しかし、この斑点の有る米が1000粒中2粒あると60kgあたりの価格が600〜1000円下がると言うから米農家はカメムシ対策の為に、多いところでは年間数10回もネオニコチノイドを散布している。ちなみにアメリカの米農家では2回程度である。

 ここでも国民の安全よりも、経済優先の考え方が表れているのであるが、消費者の考え方から変えて行く必要がある。昔の八百屋さんに並んでいた野菜や果物には時々虫くい跡があったし、コメにも時々黒い斑点があるものが見受けられたが、それをとやかく言う消費者はいなかった。もし、虫食い跡が気持ち悪ければそこを切って使わなければ良いだけの話である。ピカピカの野菜や果物が文化程度を表している等とは思わない方が良い。環境教育はこのあたりから始めるべきなのかも知れない。
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24 Nov 2013   08:03:34 am
COP19の成果HFC
COP19の大きな成果HFC削減は米中トップ会談の成果か、
ブログ管理人

 削減努力の底上げの中で、本命であるCO2削減ではないものの、温室効果の高いガスであるHFC(ハイドロフルオロカーボンで代替フロンと言われており、オゾン層の破壊はないが、地球温暖化効果はCO2の11,700倍ある)の削減にEUが、モントリオール議定書の中で、HFCの削減の仕組みを作ろうと提案している。

 モントリオール議定書は、オゾン層破壊物質を生産・消費を削減するために作られた条約で、環境条約の成功例として知られています。元々、HFCは代替フロン、つまり、オゾン層破壊物質の代替になるものとして作られたので、モントリオール議定書の対象ではないが、温室効果ガスとしては強力で、国連気候変動枠組条約で検討されることになっている。

 しかし、HFCは元々フロンの代替物質として作られたものであるので、モントリオール議定書の下での仕組みを活用した方が、削減がしやすいのではないかという考え方がある。そこで、EUは、国連気候変動枠組条約を根拠に、モントリオール議定書で取り扱うべきであるとの決定をすべきとの提案を行なってきたが、エアコンと冷蔵庫の普及が必要な主にインド等が反対していた。その理由は、HFCの代わりに使う物質の安全性や、技術などの面において、まだまだ途上国には負担が大きいという理由であった。

 そこで、EUは、締約国会議(COP)の下での正式な「決定」ではなく、事前の策として、有志国の大臣での共同「宣言」を出そうと各国に呼びかけている。HFCの削減は、決してそれだけで「ギャップ」問題の解決になるものではないが、その実効効果は決して小さくなく、今回の会議の中で成果が出せるかが注目されている。

 本年6月にカリフォルニアのアネンバーグ財団のサニーランド別荘で行われたオバマ大統領と中国の習近平主席の一対一の会談では、大変長い時間を割いてオバマ大統領が、中国政府にHFCの削減を説得したと言われており、今回中国は削減賛成に回ると言われており、米中のトップ会談の成果となる。安倍首相には環境と言うカードが無い為に、オバマ大統領とも習近平主席ともテーブルに着く事すらできない。環境問題は現代の国際外交では欠かせないテーマであるが、安倍首相には30年前の原発しか手持ちのカードが無く、相手にしてくれる国が無い。有るとすれば、北朝鮮くらいであろう。
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