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22 Dec 2013 03:30:24 pm |
気候変動と人類史 |
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数十年サイクルで起きる気候変動が歴史を変えた。
ブログ管理人
12月16〜17日に名古屋大学で開催されたグローバルCOE国際シンポジウムの発表の中で、名古屋大学環境学研究科の中塚武教授の話は大変興味深いものがあった。
中塚教授は、海洋ではサンゴの年輪、地上では樹木の年輪の酸素同位体を調べる事で、何千年もの昔にさかのぼって気候の詳細を年月単位で復元する研究をされているが、古気候の復元と人類の社会活動の歴史を組み合わせることで、地球環境と人類の営みの関係を探っている。酸素同位体の変化をウエーブレット解析して数十年の周期の変化と歴史年表を重ねる事で相関を見ると言う、自然科学と人文科学の学際的研究である。
中塚教授の研究によれば、地球環境が数十年サイクルで大きく変動をした時に歴史上の大きなエポックが起きていると言う。まだ、西洋史との関連性の検証は終わっていないとの事であるが、これは世界的にあてはまることらしい。
数十年サイクルで干ばつと洪水が交互に発生する気候変動サイクルが何度か起きた後には、戦争や政権の交代が起きているという。これは、数十年と言う単位が人間の寿命の単位と近い事に起因しているらしい。
干ばつによる飢饉が襲ってきても、その世代に生きている人達の記憶には、数十年前にも同じような事が有ったが、また元に戻ったと言う記憶が残っており、こんども辛抱していれば又元に戻るであろうと期待し、大きな改革を起こそうとしない。その為に人類は環境の変化に対応しようとせず、一つの文明の崩壊のような大きな歴史的変化が人類社会に現れていると言うのである。
その端的な例として、交通渋滞を取り上げて説明していたが、交通渋滞に対応する方法として、右肩上がり経済を経験して来た世代が出す答えは、道路幅を広げ、高速道路を増やすと言うものになる。この結果は化石燃料の大量消費と大気汚染、地球温暖化などの環境負荷の増大である。車離れが起きている若い世代の中には、極端に自動車を無くせば良いと考える人もいるであろう。理想的な答えは、交通機関を車から電車や自転車に変えるモーダルシフトであるが、過去の記憶に引きづられてなかなか決断ができない。これが現状の様である。
高度成長経済、バブルなどを経験した団塊の世代前後の世代は、刷り込まれた右肩上がり経済からなかなか脱却できない為に、地球環境の変動に対し反応が悪いのかも知れない。今後も中塚教授の研究に注目したい。
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Posted By : dantesforest |
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19 Dec 2013 06:08:02 am |
スマートシュリンク |
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「競争」から「共生」で、賢く経済を収縮させるスマートシュリンクは可能
ブログ管理人
12月16〜17日に名古屋大学で開かれた、グローバルCOE臨床環境学シンポジウムでホストを務められた林良嗣環境学研究科教授は、地球環境の未来にとって、日本などの人口減少が始まっている国こそが、成長経済ではなく収縮経済を基本にする産業構造、社会構造、市場経済の賢い再構築にとりかかるべきであると数年前から論じている。
日本は、世界に例を見ない早さで少子高齢化が進み、人口減少が進んでいる。2012年に内閣府が発表した人口予測によると、2010年に1億2600万人であったが2060年には8700万人と50年間で30%の人口減少が予測されている。人口が減ってゆくのであるから、経済は縮小して行くと考えるのが普通の考え方である。
しかし、今の経済学は全て成長経済を前提に、つまり右肩上がり経済を基本に作られている。経済は成長するもので、政府も企業も成長を続ける事しか前提にしていない。そうやって世界は産業革命以来成長を続けてきた結果、1800年には10億人であった地球人口は200年後の2000年には60億人となり、現在は70億人、2040年には90億人に達する。しかし、これまで成長を続けてきたOECD諸国の内、アメリカやメキシコと言った一部の国を除いて日本、韓国、欧州諸国では人口減少が始まっている。
経済を収縮させるということは並大抵の事ではない。戦争でも攻撃より、撤退する時の方が損害が大きくなる。過去に、ナポレオンもヒットラーも撤退の戦略が考えられていなかったので、撤退の際に大きな損失を出している。これまでの経済学者は、収縮経済など聞いたことも無いので恐らくイメージもできない。
これまでの経済は「競争」を基本にしていた。市場競争に勝つことで、利益を上げることができた。しかし、市場競争は多くの資源の無駄を生む。食糧問題を例にとると、現在世界で年間23億トンの食糧が生産されているが、そのうち11億トンが消費者の手に渡る前に廃棄されている。世界で13億人の人が飢餓で苦しんでいるのにかかわらすである。これは、市場性の悪い商品を売ると競争に負けるので、初めからそれらは市場に出さないからである。この無駄を無くすことは売上の低下になるが、環境負荷は大幅に緩和される。
食料はほんの一例で全ての資源を無駄に使って経済成長を支えてきたのである。これからは、「競争」から「共生」に変えて行かなければならない。その為の経済戦略を作る必要がある。日本は人口減少と少子高齢化の最先端を走っているのだから、最も早く問題解決の方法を見つける事ができるはずである。安倍政権の経済成長戦略会議などは直ちにゴミ箱に捨てて、経済収縮戦略会議に変えるべきである。これには、旧態依然とした経済学者や財界人は必要ない。彼らもゴミ箱行きである。シカゴ学派に変わる名古屋学派の台頭を期待する。 |
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18 Dec 2013 05:50:17 pm |
地球環境未来学 |
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世界学術会議が設立したフューチャー・アースは地球環境の未来を研究する10年関限定の問題解決型機関
名古屋発2013-12-18ブログ管理人
2013年12月16-17日に名古屋大学環境学研究科の主催で、グローバルCOE臨床環境学国際シンポジウムが、ドイツからローマクラブ共同会長のヴァイツゼッカー博士を招いて開催された。
17日にはパネルディスカッションが持たれ、その中のパネリストで、日本学術会議議長の安成哲三教授が2012年に設立された国際研究機関フューチャー・アース(Future Earth、以下FE)についての議論が行われた。安成教授はFEの設立委員会の一人である。
FEは2012年に世界学術会議の呼びかけで「押し潰されそうな天体・地球」をテーマに議論された会議で設立が決まったもので、これから10年間の間に世界中の人文科学、社会科学、自然科学、経済、産業、政治の英知を集めて解決策を見つける為の機関である。
最初にヴァイツゼッカー博士が、FEの一番の課題はどのように人々を巻き込んで行くかにかかっている。単なる学者の研究に終わっていては地球環境にとって何の価値も持たないと語った。また、科学者と一般人は異なる言語を話しており、相互理解のためには共通の言語が必要であるとした。
安成教授は、FEは研究団体では無く解決型のプロジェクトで、そのメンバーにはスポンサーでありステークホルダーとして経済界の人もいる。彼らは、損得に疎い研究者とは違って鋭い鼻を持っている。彼らの同意が受けられなければプロジェクトは始まることはないと述べた。
ヴァイツゼッカー博士は、古典的な経済学者は統計を基に数学的に理論を組み立てている。統計とは過去から学ぶ事であり、未来を展望する力は無い。FEは地球の未来を考えるのであるから、過去のデータから地球の未来を計画することはできない。FEに加える経済学者は従来の数学的に経済を論じる古典的な経済学者ではない人を選ぶことが重要であると述べた。
このシンポジウムの主催者である林良嗣教授は、最近の研究者は特に自然科学系の研究者には将来を見通し構想を持つことが不得手のようであるが、FEの研究者には欠かすことができないと語った。
ヴァイツゼッカー博士は、FEの科学者はとにかくできる限り多くの人たちと会話をすることが重要である。人々の持っている経験から学ぶ事は多い。そして、地球環境について、エネルギーの使い方について若いころから教育をすることを考えてもらいたい。小中学校で環境問題について教えるようにするべきである。また、資源価格を高くすることが資源を無駄遣いしない最も良い方法であることを教育して行かなければならないとし、環境税も有効な方法であると述べた。
林教授は、ロンドン市が市内乗り入れの自動車に課税した渋滞税について話し、ロンドン市民は最初は反対する人が多かったが、導入後市内の交通がスムースに流れるようになり、5ポンドだった税金が今は8ポンドに上がっている。その税収で、公共交通機関の近代化を進めた為に、現在のロンドンは見違えるように市内交通が順調に流れるようになったと例をあげて説明し、科学者は市民に説明する事が重要であるとした。
このようにFEに関して活発なディスカッションが行われ、ブログ管理人にとっては、大変に勉強になるシンポジウムであった。
フューチャー・アースのホームページ(英文) URL:http://www.futureearth.info/ |
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14 Dec 2013 12:35:07 pm |
「死の商人」への道 |
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軍産複合体を育てることが経済成長の早道と考える日本政府
ブログ管理人
ブログ管理人が得た情報によると、トルコとの原発契約には使用済み核燃料の処理方法に核拡散防止条約に抵触する部分がある事がリークされそうになり、政府と自民党は急きょ契約文書を見直したとの事である。このような情報のリークが今後おきないようにと、特別秘密保護法案を大急ぎで作ったと思われる。
安倍政権が今行っているASEAN首脳への、軍備、安全保障システム、原発などの売り込みの為には、どうしても特別秘密保護法の成立が必要であったのだろう。やはり、経産、外務、財務、防衛の各省の官僚たちが書いたシナリオである公算が強い。
それをいみじくも証明するような記事が産経新聞電子版11月23日に掲載されていた。以下がその全文である。
原子力協定締結 国会承認困難に トルコ、UAE輸出に影
SankeiBiz 2013.11.23
「日の丸原発」輸出を可能にするトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)との原子力協定は今国会での締結承認が困難となり、来年の通常国会以降に持ち越される公算が大きくなった。特定秘密保護法案などを扱う衆院特別委員会の審議を与党が優先させ、衆院外務委員会での審議時間が十分確保できなかったためだ。原発輸出交渉に影を落とすとの懸念も出ている。
原発輸出は、安倍政権が掲げる成長戦略の柱だ。特にトルコに対しては、安倍晋三首相が今年に入り2度も訪問するなど力を入れている。同国のエルドアン首相が来年1月にも訪日する可能性があることを踏まえ、それまでに国会承認を済ませて関係強化に弾みをつける思惑もあったが、完全に外れた形だ。
関係者によると、今国会で岸田文雄外相は衆院特別委に出席するケースが多く、審議時間が削られた衆院外務委は前国会で積み残した条約承認案などを処理するのが精いっぱい。国会会期の大幅延長は困難で、参院での締結承認まで持ち込むのは不可能とみられる。来週以降に十分な審議時間が確保されたとしても、みんなの党が「脱原発」を掲げるほか、日本維新の会では意見対立がある。慎重審議を求めるのは必至で、スピード採決は見込めそうにない。 |
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06 Dec 2013 11:11:37 am |
特別秘密保護法3 |
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今日、参議院で採決されると思われる特別秘密保護法は軍産複合体への道筋
ブログ管理人
昨日、国会議事堂前に行ってきた。午後2時過ぎに地下鉄国会議事堂前駅に付くと既に機動隊が道案内?をしている。直接正門前にに向かう歩道はブロックされ、大きくう回して憲政記念館の有る公園へと誘導された。国会正門の道を隔てた憲政記念館がわの歩道に数百人がかたまって、太鼓とスピーカーで強行採決絶対反対などとシュプレヒコールをやっていた。
主催者らしき人達が、プラカードと空き缶で作ったカスタネットと鈴の鳴り物を配ってくれて、ぼくもそれを鳴らしてシュプレヒコールをやった。ここに来るのは原発再稼働反対の時以来である。車いすの女性が、紙に自筆で「この法律が通ると戦争になります。」と書いて持っていたので、年を聞いたら93歳だと言われていたのが印象に残った。午後4時10分頃、スピーカーで特別委員会は強行採決され閉会されたとの情報が流されると、大きなブーイングが起きた。その後、抗議を続けましょうと、使い捨てカイロを配ってきたがぼくは受け取らず、本会議での採決は今日は無さそうとの事で引き揚げる事にした。地下鉄の駅に向かうと、まだこれからデモに参加に来たと思われる人達が続々と歩いて来ていた。
参加者の3〜4人の人に、なぜ政府はここまで採決を急いでいると思いますかと聞いたが、だれもが分からないと言っていた。一体なぜここまで政府がこの採決を急いでいるのかを考えて見た。これはブログ管理人の個人的な観測で根拠は無い。横町のご隠居の話として聞いて貰えば結構である。
日本版NSC、秘密保護法、集団的自衛権の憲法解釈と順に進める先に見えるのは、軍産複合体を作る事ではないかと思う。恐らく、財務、経産、防衛の官僚が考えた計画だろう。中距離弾道ミサイル、防空システム、無人攻撃機などを三菱・日立・東芝が中心になって開発して、特に東南アジア諸国の中国との国境線を持っている国々に売り込む算段でしょう。その為に、安倍首相は各国を回って売り込みに歩いたが、軍備を売る為には法整備の必要性を感じての措置であると考えられる。
軍需産業で、経済成長をしようと目論んでいるのである。民生エレクトロニクスは、経産省の指導の大失敗で世界に負けた反省も無く、今度は軍需エレクトロニクス分野を狙っているのである。軍需エレクトロニクスは利幅が大きく、民生の数十倍の粗利が見込め、大変おいしいビジネスなのだ。
アメリカを始め世界がグリーン経済へ向かっており、特にオバマ政権は今後軍事予算をどんどんカットして行くのを、アメリカの肩代わりをする大きなチャンスと見ているのでしょう。ロシアやイスラエルに東南アジア市場を取られないうちにと、一日一時間を急いでいるだと思う。法的整備が整えば、各国の軍と売り込み交渉を即座に始めるつもりなのであろう。恐らく石波あたりはその旗振り役でしょう。彼らの頭には1950年台に米国の軍産複合体が景気を作り、数十年間米国を豊かにした歴史があることと思う。産軍複合体については、アイゼンハワーがその弊害について指摘しているが、結果米国は軍産複合体からの呪縛から逃れる事ができず、ベトナム、イラン、イラク、アフガニスタンと戦争を続ける事になり、多くの人命と巨大な資源の浪費を行う事になったのである。
この日本版を自民と官僚はやろうとしているのではないだろうか。これで、景気が良くなれば日本国民は、一も二もなく自民党を支持することであろう。東南アジアで戦争が起きて人命が失われようと、日本の景気が良くなれば、それで善しとする人は多いと思われる。先日、日立の社長が、原発が無くなったら日立は潰れると言ったそうである。原発の使用済み核燃料はプルトニウムの原材料である。軍産複合体の重要な商品になるものである。日本は死の商人の道を選ぶのか。
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Posted By : dantesforest |
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