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02 Apr 2012 08:14:27 am |
車体の軽量化 |
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世界のトレンドになった自動車の小型軽量化
新低密度素材、高張力金属、生分解性プラスティックの使用により自動車の車体の軽量化、小型化が進んでいる。車重が軽くなるとエンジンや変速機などのパワートレインと呼ばれる推進機構に要求されるパワーは小さくても良い事になる。自動車の部品としては最も重いパワートレインが小型軽量化されると車体全体は更に軽くできる。EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)ではバッテリーが小型軽量化できやはり自動車全体が軽くなる。
車重が軽くなると転がり軸受の摩擦が低減される為に推進エネルギーの効率は更に上がり、パワートレインはさらに小さくできる。
ロッキーマウンテン研究所(RMI)によるとカーボンファイバーで車体を作ったことで燃費は50%向上したと有る。
アルミニウムやマグネシウムは鉄に変わってエンジンの主要な材料になっているし、ボディーの板金にもアルミニウムが使われ始めている。
タイヤも「エコタイヤ」等の商品名で販売されており2〜9%の燃費が向上する。
車体の小型軽量化が世界のトレンドになって来ている事は2012年3月に開かられたジュネーブ・モーターショー(2012/3/21ブログ参照)で顕著になった。
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31 Mar 2012 07:18:31 am |
環境問題は厄介 |
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人類が犯した大きな間違い。
環境問題と言うのは厄介な問題であるとの認識が世の中にはびこっている。技術革新を全て止めて中世の生活に戻すのかとかいうレトリックは40年も使われているが、これは間違いである。
我々人類は過去に狩猟中心の生活から農耕に移った事で土地利用を100倍にした。つまり同じ面積の土地で100倍の人口を養えるようになった。100倍の食糧を土地から得られるようになったが、そこで人類が起こした間違いは自然には何も返す事をしなかったことである。
森を焼きはらって耕地を作り作物が取れなくなるほど土地が痩せると、次の森を焼き払うだけで森をもとに戻すことをしなかった事から間違いが始まった。
そして産業革命が起きた。William Stanley Jevonsは150年前に、その時から70年前を振り返ってJames Wattの蒸気機関は石炭の効率を4倍にした素晴らしい発明であったと褒め称えた。しかしその時、この発明により石炭の消費は減るどころか10倍以上に跳ね上がっていた。James Wattの発明は効率アップと言うより消費社会への招待であったのである。そしてこの考えが今日まで続いている。
環境問題と言うと、進歩にブレーキをかける障害に他ならないとの考えがぬぐい去れないが、消費の増大がそもそも進歩と言えるものだろうか。
ところで、再生可能エネルギーを推進する人達にもこの考えから抜け出せない人達が多くいる事は大変残念なことである。
もし、我々がエネルギー効率を上げる努力をしてもその効率が上がった分は別の消費が増えると言うこれまでのパターンを続けるのであれば今後も人類は自然環境には何もお返しをしないと言う事になってしまう。
かつてロナルド・レーガンがやったように環境問題には目をつむって消費は拡大させることは市場には歓迎されるかもしれないが、これは絶対に繰り返してはならない。彼の政権の環境大臣James Watt氏は環境を守るどころか自然から最大限取り出せるものは取り出すべきであるとの考えで市場から歓迎された。
だから環境問題は火急の最重要課題なのだ。
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30 Mar 2012 05:41:34 am |
研究所の省エネ |
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紺屋の白袴―意外に遅れている研究所の省エネ
今日の研究施設、特に自然科学分野の研究施設のエネルギー消費は高く一般の事務所棟に較べて時には100倍もの消費をするものも有る。その上、研究施設の省エネは遅れており僅かに2%程度である。
アメリカ、カリフォルニア州のローレンス・バークレイ国立研究所(LBNL, Lawrence Berkeley National Laboraory)の省エネ・プロジェクトチームによると、自然科学分野の研究施設の省エネは、現在の快適性と安全性を損なうことなくファクター5(80%)が達成可能であるとしている。
LBNLが2006年に完成した6層8800平方メートル、建設費75億円の鉄骨とガラス構造で熱反射性屋根の分子工学研究棟はLEEDゴールド認定を受けている。(LEED認定については2011/11/25を参照) 同棟は同等の研究を行う他の施設に較べ85%の省エネを達成した上で、再生可能エネルギー電力と契約した事でゼロエミッション(排出ガスゼロ)を達成した。
LBNL全体としては自らが開発した省エネ技術を実際に自ら応用する事で省エネを進めるプロジェクトを推進している。2009年からはオバマ政権が国営施設が率先して省エネを図るべきとの方針を出したのを受け、省エネ、廃棄物の減少、水資源の節約が徹底して行われた結果、年間5%の省エネが推進された。その結果として2010年には6万トンのGHG(地球温暖化ガス)の排出を低減した。
LBNLは4200人の研究者を擁し過去に12人のノーベル賞受賞者を出している。
LBNLのホームページのURL(英語のみ)は次の通り。
http://www.lbl.gov/
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29 Mar 2012 05:39:44 am |
HVACの省エネ |
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建物の省エネはまずデザインと構造から
世界のGHG(地球温暖化ガス)排出の40%は建築物からである。
HVAC(Heat Ventilation and Air Conditioning暖冷房と換気)装置が消費する電力はアメリカでは30%、欧州では56%、中国では61%となっている。
HVACが消費する電力は建築物の設計時に太陽光の入射角度と方角、建築物の大気との接触面積の最小化が図られたデザイン、室内の空気の流れを考慮した設計、外断熱工法等、いわゆるパッシブハウスの設計をする事でファクター5、80%の省エネが可能である。
窓ガラスに赤外線のみを反射するフィルムを貼る事で70%の太陽光熱をカットできる。(2011年8月16日参照)
暑い地域では屋根を白くペイントする事で10℃の温度差が確認されている。
昼間は気温が高くても夜間には大気の温度が下がる地域では、夜間に大気を取り入れて建築物全体を冷やすことで翌日の日中に備える事ができ、日中の冷房の運転時間を短縮できる。
第一には省エネする事を考え、どうしても足りない分を暖冷房に頼ると言う考え方が重要である。建築物の構造には手を下さずに、太陽光パネルやヒートポンプで再生可能エネルギーを作り出す事を先に考えるのは本末転倒である。
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26 Mar 2012 06:05:29 am |
省エネのパラダイム |
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何故、環境問題は最重要課題にならないのか?
我々は過去の経験から、まず我々自身が豊かになる事、財力が十分になれば環境問題にも回せば良いと思っている。これは、過去に産業先進国の発展途上の時代にあちこちで起きた公害問題を解決してきた経験則から得た考えだ。
どの国も始めは貧乏で美しい、そこで工業化が起きると豊かで汚くなる。そのうち財力に余裕ができ、豊かで美しい国になる。いずれの国の経済政策も環境政策もこのパラダイムから考えられている。
ここで問題になるのは環境問題にはこのパラダイムは適応できないと言うことだ。
15年前に書いたファクター4で50以上の例をあげて資源を4倍に使う方法を述べた。その中でリッター26kmの燃費のハイパーカーを実際に作った。この話をドイツ、スエ―デン、アメリカの自動車メーカーの幹部と話したが、このような大幅なモデルの変更には数千億円のお金が掛るので、もしこの車が売れない時のリスクを考えて株主はゴーサインを出さないであろうと言うのが大方の考えであった。
車の他にパッシブハウスは10倍の省エネができるし、白熱電球をLEDに交換すれば10倍の省エネが可能である。繊維製品も4倍の省資源が可能な素材ができている。鉄鋼も5倍の寿命と資源の節約ができるものがある。この他いろいろな分野を総合する事で4倍〜5倍の省資源、省エネは掛け値なしで実現可能である。
ファクター5は省エネで改善されたエネルギー消費分を環境税としてエネルギー価格に上乗せする事でエネルギー価格が上がる制度を提案している。この制度では同一のサービスを得るのに消費者が負担する金額は変わらないがエネルギー価格は上がり続けることで、企業には更なる省エネへのモチベーションとなり消費者は無駄なエネルギーを使わない道を選ぶ持続可能経済のサイクルが回り始める。どうしてもエネルギ―価格の上昇にはついて行けない産業分野には補助政策を適用して援助する。
エネルギー価格は市場任せにするべきでは無い。
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