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28 Apr 2012 05:55:20 am |
開発途上国の省エネ |
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無担保低金利融資による再生可能エネルギーの普及
非OECDの世界の60億人は地球全体の温暖化ガスの20%しか排出していない。個人消費の分野では35%を排出しており、地球温暖化ガスの単一セクターとして無視をする訳には行かない。但し、保健衛生面ではもっと電力エネルギーを必要としている。うち10億人は全く電気の恩恵にも浴していない。
石油や木材を光源や暖房源にしている人達は2億5千万人いる。年間160万人が煤などによる呼吸器障害で死亡している。また、最近の研究ではこの煤が大気圏に留まり気候に悪影響を与えている事も分かった。
バングラデシュのムハマド・ユヌス博士(Dr. Muhammad Yunus)が1983年に設立したグラミン銀行(Grameen Bank)は貧者の為の銀行と呼ばれ、マイクロクレジットと呼ばれる小額、低金利、無担保の融資を行っている事は有名で、2006年にはノーベル平和賞を受賞している。姉妹会社のグラミン・シャクティ(Grameen Shakti)は小規模再生可能エネルギーシステムへの融資を行っている。
簡易太陽光発電システムは、太陽電池パネル、蓄電池、充電器、蛍光灯器具、取り付け金具、電線と取り扱い説明書のキットで約50Wの電力を供給する事ができその価格は400ドルである。電力インフラのない地域にラジオ、TV、PC、携帯電話などを提供する。
小規模バイオガス発生システムは、牛、豚、鶏の排せつ物や残飯からバイオガスを取り出す簡易的な装置である。価格は215〜1400ドルで1.6〜70立方メートル/日のガスを生産する。
グラミン・シャクティは1997年に228世帯に太陽光システムとバイオガスシステムの購入資金を貸し出した。2008年には135,000件に達し、毎月5000件が申込みをしており、2015年には100万件の太陽光システムとバイオガスシステムが設置される事を目標にしていたが、2011年に既に100万件を達成した。これらのシステムは全て地元の小さな企業が、受注、販売、設置、修理、メンテナンスを行っている。
Grameen ShaktiのURL(英語のみ)
http://www.gshakti.org/ |
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27 Apr 2012 09:03:43 am |
温水の省エネ |
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20年以上使った電気温水器は効率が悪い
家庭やオフィスで使用する温水に消費されるエネルギーの割合は、地域により異なる。EU(2004)では9%、アメリカ(2005)では11%、中国(2000)では27%となっている。
家庭やオフィスでの温水使用量は使用者の節水の心がけで大きく変わるが、設備の断熱の改善も効果がある。IPCCによると太陽光温水パネル、熱交換式温水器(日本ではエコキュートとして普及)、廃温水からの熱回収、これら全てを実施すると90%の改善が可能であるとしている。
費用が掛らない温水の節約方法には、節水カラン、節水シャワーヘッドの使用、節水洗濯機の使用がある。旧式(20年以上前の型)の電気温水器は電力消費が多いのでできるだけ早く新型に交換する事が勧められる。又、家族構成に応じた適正な容量を選ぶ事も有効なポイントである。
具体的な対策としては:
■電気温水器と温水配管の断熱の改善で最大30%の省エネが可能である。最新型の電気温水器の断熱は改善されている。
■生活パターンに応じた電気温水器のON/OFF。長期出張や休暇の際にこまめに電気温水器を切る。プログラマブル・タイマーの使用も有効である。
■適正な温度設定。たいていの場合60〜75℃の設定となっているが、通常の家庭やオフィスの場合50℃程度で十分である。ただし地域によっては水に含まれる微生物の為に温水の温度を高く設定する必要がある場所も有るので、地元の情報を確認する必要がある。
■適正な温水器の容量の選択。OECD諸国では核家族化が進み、単独世帯が20〜30%、2人世帯が10〜20%となり家族構成数が少なくなっているにも拘わらず、設置されている温水器は200リッター前後である。単独世帯でシャワーだけの使用の場合30リッターで用が足りる。
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24 Apr 2012 06:15:29 am |
建築のファクター5 |
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パッシブハウス基準の考え方はファクター5と一致
パッシブハウス基準の考え方はファクター5の原理と一致する。
高効率に設計施工された建築物は暖冷房に必要なエネルギーが (ドイツの) 最新の建築業界基準に較べて1/5ですむ、つまりファクター5を達成している。これを(ドイツの)平均的な建築ストック(現存建築物)から較べると、なんとファクター10を達成している。
パッシブハウス基準で建てられた建築物は省エネだけでは無く、■静粛 ■明るさ ■室温 ■湿度 ■におい等、生活に関わるあらゆる点で優れ、快適さを提供してくれる。
欧州で決められた枠組みにCEPHEUSと言うプロジェクトがある。これは、Cost Efficient Passive House as EUropean Standardの頭文字を取ったものであるが、この団体が欧州5カ国の250のパッシブハウス住宅で評価を行っている。その全ての住宅で暖房費が70〜90%安く上がっている。
パッシブハウス基準の建築物では5つの点が重要としている。
■外気に接する表面積を最小化する。
■断熱性能(熱貫流率=U値)の最小化と熱ブリッジの防止。
■高性能断熱窓ガラス、ガス封入2重ガラス窓サッシや断熱フィルムの採用。
■暖房及び冷房熱の再利用。外気の取り込みは室内温度になっている熱交換器を通して外気を取り込み事で室内温度に近付けてから室内に取り込む。窓の開放は極力行わ無い。
■室内熱源、電気器具、キッチン用電気器具、人やペットの発熱、シャワー・風呂、食器洗浄機などの再利用を細かく行う。
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23 Apr 2012 05:59:22 am |
農作物の適正な選択 |
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これまで作付けされてきた作物を見直す時が来ている。
農家は非生産的で灌漑用水を大量に消費する作物から、付加価値が高く水の必要量が少ない作物に変更することを進めるべきである。年間降水量が十分ある地域に於いてはあまりその考慮は必要が無いかもしれない。この様な提案は特に人口密度が高い中国、インド、バングラデシュ等、水の需要と市場の要求を考慮の上で食糧の方が綿花よりも多い収益が期待できる。
綿花栽培から野菜や果物への転換は収入の増加が期待できるし、野菜や果物も灌漑が必要ではあるが必要な水の量は綿花に較べると半分以下である。
穀物は人類にとって特別に重要である。世界の農業の約半数は穀物である。2008年に20億トンであった穀物の消費量は2025年には人口が80億人になる事から30億トンに増加する。その為、農業用水の枯渇の問題がにわかに重要課題にクローズアップされてきた。
■地球の半分の人口は米を主食としており、地球上の利用可能な真水の30%は水田で使われている。アジアで作られる米の90%はアジアで消費されている。
■とうもろこしはアメリカ大陸原産であるが、現在では世界が最も重要とする穀物になっている。収量の少ない地域向けの改良品種の研究が盛んにおこなわれている。
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22 Apr 2012 10:57:14 pm |
船舶輸送の省エネ |
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ファクター5が可能な船舶の省エネ
海上輸送は陸上のトラック輸送に較べて25〜50%もエネルギー効率が良い。しかし、世界の海上輸送から排出されるGHG(地球温暖化ガス)は9億6千万トンで5%に匹敵するが、世界の物流量は増える一方で現在値から2020年を推定すると32〜72%の増加が見込まれ、その影響は更に大きくなると予想される。その為、海運業界には船舶の省エネが要請されており、次の様な研究が行われている。
■燃料電池を天然ガスを使って動力源とする研究。現在のディーゼル機関に較べ50%の省エネとなる。米海軍の研究によると、まずディーゼルからガスタービン発電機にすることで30%が、さらにPEM(個体高分子型)燃料電池で発電し、発熱で蒸気タービンを回して発電する複合システムで64%の効率アップが可能としている。
■船底に付着するフジツボ等の貝類や藻による船舶の燃費の悪化は40%に上るとされている。これらの付着を防ぐ船底塗料の開発により3億8千万トンのCO2排出量を減少する事ができる。
■居住区の断熱を良くする事で暖冷房に掛るエネルギーが15%節約できる。
■マイクロバブルによる摩擦の低減で15%の省エネ。オランダのDKグループは船底に細かな気泡を噴き出す事で船体全体の摩擦抵抗を少なくする技術の開発を行っている。現在プロトタイプが作られ2〜3%の造船コストの増加で15%の省エネが可能であるとしている。
■係留中船舶への100%陸上電源の供給で係留中の排出ガスを90%低減。
■インペラー推進(ジェット推進)により10%の省エネ。
■コンピュータ制御の帆走併用で40〜50%の省エネ。
■低速運行で省エネ。船の速度を2倍にすると燃費は8倍悪くなる。
これらを総合的に行う事でファクター5は十分可能である。
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