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26 Jun 2012 05:57:51 am |
進まぬコージェネ化 |
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いまだに拡大を企業目標に掲げるエネルギー業界の愚かさ
大規模な電力と熱源を必要とする重工業においてコージェネは理想的で最も簡単に実現できる解決策である。重工業では電力も熱源もほぼコンスタントに使用する為に、ボイラーを停止したり運転したりして効率が悪くなる事も無く高効率で運転ができる。当然、鉄鋼、アルミニウム、セメント、製紙、印刷、化学、食品製造、石油精製などの重工業は全てコージェネになるべきであるが、現実は世界で8%しかコージェネ化されていない。
デンマークはコージェネ先進国で2003年に52%をコージェネ化した。アメリカはコージェネ発電量は85GWでトップであるがわずか10%にも満たない。ドイツは2005年に13%になったが、政府は57%を目指している。
重工業分野で最も簡便に実行可能な省エネであるのにかかわらず増加率が低いのは、電力会社が大口需要家が離れるのを恐れ大口需要家向けの電力料金を値下げしてコージェネへ逃げるのを引きとめているのが一要因と考えられる。電力会社はその為に一般家庭向けの電力料金を吊り上げて収支のバランスを取っている。
電力会社は電力をより多く売る事から脱皮し、徐々に供給電力を少なくして行く事を企業の目標と転換することが、グリーン経済への移行に適合することに気づくべきである。エネルギー業界は縮小をその企業目標に掲げる時が来ていると気づくべきだ。
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Posted By : dantesforest |
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25 Jun 2012 05:59:20 am |
火力発電とコージェネ |
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コージェネはどうして効率的か
また、暑い夏がやってくる。昨年は計画停電さわぎで大変であったが、今年はどうだろう。電力会社の発電所以外にコージェネからの電力が相当あると言う報道があったが、コージェネは何故効率が良いのだろうか。
火力発電所のエネルギー効率は悪く投入した燃料の熱量の35%しか電気として最終ユーザーに届かない。家庭で1000Wのエアコンを使うと遠く離れた火力発電所では2849W分の石油、石炭、天然ガス、バイオマス等を燃やして発電する事になる。発電所の変換効率は39%で1111Wの電気を発電する。1738W分のエネルギーは排熱として海水を暖め、煙突から逃がして大気を暖めている。その後、変電所や配電網を通るうちに更に約10%の111Wが失われる。
一方、大工場では必ず熱源が必要でその為に蒸気ボイラーで熱水を作って必要な部署に送っている。最近のハイテクボイラーは高効率で90%の熱効率がある。
コージェネレーションはこの工業用ボイラーでまずタービンを回して発電をする。発電した電力は長距離送電のロスもなく、電力会社の管理費も掛らない為に大変安くなる。タービンを回し発電を終えた蒸気はまだ十分熱く工業用の熱源としては申し分が無いのでそのまま使える。つまり、工場内で熱源と発電を兼ねて行う事で効率が50%以上良くなると言うものである。
図では右側のコージェネに100の燃料を投入して得られる50の熱源と39の電力を得る為には電力会社は130の燃料を投入し、工場用ボイラーには59の燃料が投入されなければならずその合計は189となることを表している。
電力会社の料金体系は大口需要家には、コージェネの安さに対抗する為に安い料金を設定し、そのぶん家庭の電力料金を高いものにしてバランスを取るようにしている。
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23 Jun 2012 01:04:03 pm |
部分乾燥灌漑 |
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点滴灌漑よりさらに水を使わない農業
農業はGHG(地球温暖化ガス)排出量の18%と淡水消費の70%の環境負荷を与える分野である。GHGの排出要因の80%は農業用水を確保する為に消費されるエネルギーを作る為に出されるものである。更に、淡水資源は後10年で危機的な状況になることが2006年に国連環境計画(UNEP)から報告されている。
点滴灌漑については本ブログで再三取り上げている(2011.9.19-20他)が、点滴灌漑を更に効率を上げる方法が部分乾燥点滴灌漑である。これは、一部にわざと水を送らずに乾燥させると言うものである。
作物の列の奇数列と偶数列を交互に一定期間灌漑すると言うものである。その期間や水量は作物と気候により異なるが、数日間から数週間のサイクルで交互に水を送る。
根が乾燥し始めた作物は危険を察知して葉の表面にある蒸発孔を閉じたり、背丈を伸ばす事を停止したりの対策を講じ始めるという。同時にこの情報を近隣の同種の作物にも伝達するらしい。その情報は現在灌漑を受けている作物にも危機管理の為の準備を始めさせる。一定期間の後、水が戻ってくると作物は水を今までよりも効率よく使い次の乾燥に備える。乾燥し始めた作物は既に情報を持っているので、すぐに対策を講じる。これを繰り返すことで、より少ない水量で作物は以前にまして成長するという。
点滴灌漑農業は、現在一般的に行われている溢水農業の30〜20%の水量しか使わない事が知られているが、この部分乾燥灌漑ではさらにその半分の水量で済むと言う。その上、作物は背丈が短くなり収量は増加する。フルーツでは糖度が上がり品質向上となる。
現在、国際コンソーシアムが作られ、キプロス、トルコ、ポルトガルと英国で実験が行われている。穀物の他、オリーブ、シトラス系果実、トマト、ナス、ラズベリーと綿花で成果が上がっている。
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12 Jun 2012 06:13:07 am |
自然光照明 |
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自然光の採用で省エネと快適性アップの両方を向上
GHG(地球温暖化ガス)の総量の40%は建築物から出されている。建築物の省エネは大きな意味を持つ。その中で照明は、アメリカで13%、欧州で12%、中国で9%を占めている。白熱電球を蛍光灯やLED照明に交換することで80%の証明が達成できるが、自然光を取り入れる照明を行う事で更に省エネの達成が可能である。自然光の取り入れは、省エネ効果だけでは無く、居住快適性も上げる効果が有る。
建物の中心部に自然光を取り入れる、高角度からの太陽光照明をするには、ビルの天井に、明り層、光シェルフなどを設備して採光する。光シェルフやブランドを備えない天窓は、直射日光が入ることで室内に強すぎるコントラストができて不快である。太陽光は拡散、分配をデザインして強さを調整することで心地よい明るさを作ることができる。窓の外に葉が余り密集しない樹木を配置して木漏れ日を取り入れるなどは効果的な方法である。落葉樹を選ぶことで夏は直射日光を防ぎ、冬は太陽光を採り入れることができる。
建物の中の家具の配置、色、材質を工夫して昼光の反射の分配、拡散を採光窓に設備した光シェルフ、ルーバー、ブラインドなどと組み合わせてデザインすることで、光を和らげ眼の疲労を軽減できる。昼光は、HVAC(暖冷房・換気)システム、パッシブ・ヒーティング&クーリング、音響制御システム、センサー制御の電気照明システム、調光システムなどのビル制御システムと組み合わせることで、より心地よい空間を少ないエネルギーで提供することができる。
昼光を取り入れた、事務所では、その快適性から集中力や能率が上がり仕事の生産性が上がったとの報告が数多くある。スーパーマーケットでは売り上げの増加が報告されている。工場では欠勤率が下がったとの報告も有る。自然光は人間の活動にプラスの影響を与える。
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11 Jun 2012 06:03:59 am |
成熟社会における充足 |
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世界は人間がひつようとするものは全て備えているが、人間の欲望を満たす用意はない。 ――マハトマ・ガンジー
2008年のリーマンショック以来、経済不況は数百万の家族を貧困にし、ホームレスにし、さらには飢餓におとしいれ、それは現在も続いている。世界は緊急に限られた資源を浪費すること無く、貧しい人々にも行き渡らせる賢い方法を見つけ出さねばならない。
この問題を掘り下げて行くと、何故人類は消費社会の夢から離れて充足感を得ると言うことが、そんなに難しいのかと言う問題につきあたる。
大多数の人々にとっての現代生活における安心とはなんだろう? それは、愛する家族と快適な住宅、自家用車が1台、健康的な食生活、品質の良い衣類と化粧品、安全な医療品と医療サービス、世界の文化や芸術に自由に接することができ、スポーツを楽しみ、休暇を楽しむことができると言うものであろう。そして、隣人が家をリフォームしたり、高価な家具や電気製品を購入したり、三つ星レストランでの食事をしたとか、豪華な長期海外旅行を楽しんだ等と聞くと、自分たちも負けてはいられないとそれ以上の欲望が湧いてくる。
彼らは市場の格好のターゲットになっているだけである。市場は欲望を掻きたてるありとあらゆる賢い戦略を使っているからである。
メディアも政治も経済学者も、環境負荷のことはそっちのけで経済の成長のみを望んでいる。経済成長のみが、消費財、観光ビジネス、建設業における雇用を保証するものであると信じられている。しかし、従来の経済構造のままでの成長を続けることは、環境の破壊を進めるだけであることを知らねばならない。
このままでは70億人の人々の持続可能性は有りえない。例え、省エネ政策が成功したとしても、今後も従来と同じような消費の増加を続けることは不可能である。
成熟した社会においては、無限に消費を拡大するという欲望には限界があることを知り、充足を得ることを学習する必要が有る。
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