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29 Aug 2011 06:18:33 am |
製鉄所(2) |
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国情に左右される製鉄
製鉄は歴史的背景、国政、国情に大きく影響される分野である。中国は現在世界の44%の鉄の生産をしているが、低効率のシーメンス・マルタン炉が数多く使われている。地球を温暖化から救う為には一日も早いシーメンス・マルタン炉の閉炉をお願いしたい。急速に鉄の生産量を増やしている中国、インド、ブラジルなどに於ける高炉の建設もできればやめて戴きたい。これらの国々は最初から最新技術のストリップキャスティング等の技術を取り入れてCO2を出さない製鉄法にしてもらいたい。OECD国には豊富に有る鉄のスクラップは、これらの新進の国々には豊富には無く中国はスクラップを輸入している。
製鉄に於いて今後開発するべき効率アップは:
・電気炉への転換
・直流電気炉への転換
・酸素燃焼バーナー
・スクラップの予熱
・ストリップ・キャスティング
・化石燃料に依らないエネルギー
・排熱の回収
これらを行う事で、ファクター5が達成できる。
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Posted By : dantesforest |
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28 Aug 2011 09:39:31 am |
製鉄所 |
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製鉄所のファクター5
地球温暖化ガスの7%は製鉄から排出されている。単一産業としてはセメントと並ぶ大きな分野である。2010年の世界の鉄の生産量は約14億トンである。
製鉄を産業基盤と捉える国が多く、歴史的背景や政府の政策に大きく影響を受ける産業でその国の国情を反映しているために一概に効率の違いを国家間では比較しにくい複雑な産業である。
製鉄の効率は1トンの鉄を作るのに必要なエネルギーの総量で表す。世界平均(1995年)では約28GJ/T、1トンの鉄を作るのに28ギガ・ジュールのエネルギー、電力にして7700kWh、石炭に変換すると約1トンを使っている事になる。製鉄所と言うと高炉を連想するが、製鉄の方法には大きく分けて高炉と電気炉がある。高炉では主に鉄鉱石から電気炉では鉄スクラップを原料とする。石炭を大量に使う高炉は熱効率は40%にとどまるが、電気炉はその半分のエネルギーで済む。いずれの方法もまだまだ改善の余地がある。電気炉では1965年から1990年までの間に50%の効率アップを達成しており、1990年には550kWh=2GJ/トンを達成している。世界の44%を生産する中国では高炉と低効率のシーメンス・マルタン炉による生産が主で有る為に36.7GJ/tonである。ドイツは18GJ/ton、日本は22GJ/ton(いずれも1995年)である。
現在世界で一番効率の良い製鉄工場はアメリカのNucor社である。ここでは主に自動車のスクラップを電炉で溶解しそのまま直接薄板を作るというストリップキャスティングと言う技術で製鉄から最終製品まで全てを含めて2GJ/tonを達成している。Nucor社はリーマンショックの際に1名の解雇者も出さずに乗り越える事ができた優良企業である。このストリップキャスティング技術は日本のIHIとオーストラリアのBHP Billiton社の共同開発になる技術である。ちなみにこの技術は1857年に英国で発明され150年間日の目を見る事の無かった技術である。
Castrip社のホームページ(英文のみ)
http://www.castrip.com/
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Posted By : dantesforest |
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27 Aug 2011 05:12:11 am |
パッシブハウス(2) |
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パッシブハウスは建築基準です
パッシブハウスについては8月17日に書いたが、地球温暖化ガス総排出量の40%を占める建築物のエネルギー消費を抑える事は大変有効なファクターであるので、今後も何度も書いて行くことになると思う。
これは、単なる考え方だけのものでも、運動でもない、ドイツのウォルフガング・ファイスト博士の開発になる厳密に定められた建築基準である。目標はアクティブな冷暖房に使用するエネルギーを「ゼロ」にすることにある。
1.年間の冷暖房エネルギーが15kWh/平米以下であること。(単位面積あたりのエネルギー消費)
2.建築物の外気圧が50パスカル高い時に、流入する外気の量が一時間当たり建築物総容積の0.6倍以下であること。(気密性)
3.総エネルギー消費(電気、ガス、温水など全部合わせて)が120kWh/平米/年以下であること。(総エネルギー消費)
これらを達成する為には、太陽光熱の利用、十分な厚さの断熱材を使った壁、気密性能の良いドアと窓サッシ、遮熱性の窓ガラス、排熱(排気と排水)回収システム、熱交換器を用いた排熱に依る外気や水道水の加熱システム、効率的な自然光の取り入れと効率的(LED等)照明、高効率なキッチン機器類などが含まれる。これらのほとんどはすでに過去のブログに書いたので参考にしていただきたい。
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Posted By : dantesforest |
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26 Aug 2011 06:15:15 am |
第三世界の照明 |
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LEDは15億人の希望の光
非OECD加盟国は人口60億を擁しているが地球温暖化ガス全体の35%しか排出していない。
世界人口70億のうち15億人はいまだに電気の恩恵に浴してていない。暗黒の恐怖から逃れるために、灯油、木、ローソクを燃やして僅かな明かりの下で夜を過ごしている。照明全体から排出されるCO2の内20%はこのような形で光源として燃やされた炎から排出されている。因みに石油消費の3%が光源として使われている。世界銀行によると7億8千万人の女性と子供が石油ランプの燃焼ガスを吸入している為に、タバコを1日2箱吸うほどの肺がん発生の危険にさらされていると言う。これらの地域の平均余命は42歳に達しない。
このような地域にLEDは大きな貢献ができる。石油ランプの1千倍の効率で光を出すLEDは電力網などのインフラを待つ事無くソーラーパネル、バッテリー、LEDランプの組み合わせのマイクロソリューションで家庭に明かりを提供できる。石油が光源に消費されている3%は約5兆円であり、これを原資として考える事ができるはずである。OECD加盟国10億人の責任は重い。
Light Up World Foundationは各地のマイクロバンクとの連携でこれまでに1万4千世帯、10万人にソーラーLEDシステムを提供してきた。
Light Up World FoundationのURL(英語のみ)です
http://www.lutw.org/
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25 Aug 2011 06:20:37 am |
住宅照明 |
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90%の省エネが可能な分野
住宅が出す地球温暖化ガス排出は40%であるが、そのうち9%を照明が占めている。しかしこの分野の省エネは比較的に簡単にファクター4から10、つまり75%から90%の省エネの達成が可能なようだ。
①自然光の利用。もっともこれは住宅の設計段階で自然光を積極的に取り入れる事を十分考慮をしなければならない。また自然光が有り人工光を必要としない場合はセンサーにより消灯するしくみも必要である。
②フィラメント電球からLED等の高効率ランプに交換するだけで、ファクター4(75%省エネ)が達成できる。
③部分照明と人感センサーなどによる不要照明の消灯。
①+②でファクター5(80%)は達成可能である。さらに③を加えることでファクター10まで達成が可能となる。
住宅以外の店舗、事務所、工場、道路、公共施設などの照明を同じようにして行く事で、現在照明全体で19%を7%に下げる事が可能である。
この分野は日本の得意分野で有る為「省エネ照明」をキーワードにするとたくさんのメーカーのホームページが有ります。
環境省の省エネ照明のホームページのURLです。
http://www.challenge25.go.jp/shoene-shomei/
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