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09 Oct 2011 07:17:35 am |
住宅(1) |
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最大のGHG排出源
GHG(地球温暖化ガス)排出の約40%は建築物から出されており、水資源の12%を建築物が消費しており、GHG排出の最大の原因である。世界の電力消費の27.5%にあたる430万ギガワット時が住宅で消費されている。
1997年に出版したファクター4でロッキーマウンテン研究所(RMI)が省エネ住宅を紹介した。2007年に出されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書の住宅部門では全ての対策を実施する事でファクター5の達成が可能であるとされている。この最新の報告書は10年前のファクター4の提案である住宅の基本的な構造設計によるエネルギー効率のアップが骨子となっている。
住宅の電力消費の内訳は、
1. 住居空間の暖冷房
2. 温水供給
3. 家電
4. 室内照明
5. 食品の冷蔵・冷凍
に分ける事ができ、アメリカ、欧州、中国では大きく異なる。これは、地域の気候、生活様式、歴史、国情によるので、アプローチに当たっては各国が最も効率的な方法を選択する事が重要である。
各国は既にそれぞれアプローチを始めており、英国の例を取れば、2016年以降に建築される住宅は全て「ゼロ・カーボン」である事が決められ、2050年には80%の省エネ(ファクター4)の達成を目標にすると2007年の終わりに政府が決定をしている。
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Posted By : dantesforest |
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07 Oct 2011 06:01:15 am |
都市交通(3)カーシェアリング |
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自動車の効率を上げる使い方
カーシェアリングは15年前にファクター4で提唱したが、その頃には世界に数えるほどしかカーシェアリングは無かった。現在は世界の600以上の都市にカーシェアリングができている。
カーシェアリングの考え方は簡単である。個人は車を所有しない為にローン、税金、保険などの固定費の負担から解放される。ユーザーは車を保有するカーシェアリング運営体に入会金、年会費などを払い、支払い方法等の契約を結ぶ。使いたい時に電話やインターネット等で予約して最寄りのステーションから車を出して使う。乗った分だけユーザーに課金される。
カーシェアリングにより欧州では4〜10台の車の保有が少なくなる。オーストラリアでは7〜10台、アメリカでは6〜23台の車が減少する。
フランス、パリ市は2012年9月から電気自動車の大規模カーシェアリングを実施すると発表した。パリ市では2007年から市内に20万台の自転車を市内数100個所のステーションに配置し市民に低料金で貸し出しており、これが好評を博している。この電気自動車版である。
計画によると3000〜5000台のEVが投入され、市内1000個所以上のステーションに配置される。利用者は目的地近くのステーションに乗り捨てする事も可能である。
パリ市によるとこのカーシェアリングの導入により市内の交通量は一気に25%削減され、GHG排出量も25%以上減少する。
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06 Oct 2011 05:53:40 am |
都市交通(2)市内電車 |
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電車はエネルギー効率の優等生
電車はバスに較べて2.5〜5倍エネルギー効率が高い。車に較べると17.5〜35倍エネルギー効率が高い。実際、米国内の平均的な自動車よりもフィリッピン、マニラ市の電車システムは59倍のエネルギー効率である。北京でも同じ結果が出ている。
人口密度がより低い欧州の都市に於いても自動車より路面電車の方が7倍エネルギー効率が良い事が実証されている。
架線から電気を供給する電車は車上にエネルギーを保存する必要が無いので、システムが簡単になりより効率が良くなる。
カナダのカルガリー市の市電C-Trainはそのエネルギー源を風力に求めた事により、電車の電力を火力発電から供給した場合の2万トンのGHG ( Green House Gas、温暖化ガス)の排出を全くのゼロとする事ができた。風力タービンを導入した事により運賃は0.5%高くなり、導入当初は不評であったが、整備されたパーク・アンド・ライド・システムと相まって現在はカルガリー市民から愛され、北米でNo.1の乗車率を誇る市民の足となっている。
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05 Oct 2011 03:32:00 pm |
都市交通(1)自転車 |
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エコな乗り物の代表
18世紀に発明されて以来個人用の乗り物として世界に定着している。19世紀に発明された自動車に人気をさらわれたが、最近グリーン社会時代の乗り物として見直されはじめている。
発展完了国の中にも市民の30%以上が自転車を主たる移動手段としている都市がある。オランダのアムステルダム、デンマークのコペンハーゲンそれにドイツのフライブルグである。
アムステルダムでは市内のすべての場所に機能的に結ばれた自転車専用道ネットワークを使って早く、楽に行けるようになっている。12歳以上の市民の75%が自転車を保有しており、その半数は毎日使用している。
コペンハーゲンでは自転車使用者は車の運転手と同じ道交法上の優先度が与えられており、市民の36%が通勤に自転車を使用している。
フライブルグでは35%の市民が自動車を保有せず自転車を利用している。
アジアの都市でも自転車は広く、通勤、通学、買い物等で日常的に使われている。
自転車は世界で年間7千500万台生産されており、その3/4は中国で生産されている。中国には5億台の自転車がある。中国の自転車産業は15万人の雇用を生み出し、85億ドルの外貨を稼ぎだしている。
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02 Oct 2011 07:15:55 am |
排熱の再利用 |
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コ・ジェネレーション
エネルギーを大量に消費する製鉄所では排熱を再利用する事は広く行われている。製鉄所には発電所が併設され排熱利用を行っている。溶鉱炉から排出される高温を使ってボイラーで蒸気を発生させてタービンを回して発電している。製鉄所内で使いきれない電力は電力会社に売電している。製鉄についでエネルギー消費量の多いセメント産業でも多くの排熱が出る。1トンのセメントを作る時に出る排熱から20〜45kWhの電気を作る事ができる。日本のセメント産業では1970年台のオイルショック時に高騰したエネルギー価格に対応する為に排熱利用のコ・ジェネレーションが広く取り入れられ、セメント工場の消費電力の10%を賄っている。しかし、世界最大のセメント生産=消費国である中国初め世界のセメント産業では殆ど手つかずと言う状態である。2000年から年率13%で生産量が増加している中国、インド、インドネシア、マレーシア等の国々に日本は先輩として世界に貢献できる。小さなエネルギーでも作れるセメントについては9月7日のブログをご覧ください。
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