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01 Dec 2011 09:20:00 pm |
鉄道貨物輸送(1) |
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最も効率の良い陸上輸送システム
近・中距離輸送の1トンの貨物を1km輸送するのに必要なエネルギー(単位メガジュール)を比較すると、小型トラック21.07、大型トラック2.95、超大型トラック0.98、貨物列車0.09と格段に鉄道輸送の燃費が優れている事が分かる。本質的に鉄輪とレールの摩擦はタイヤとアスファルト摩擦に較べて小さいからである。その上多数の貨車をけん引する事で更に効率が上がる。
鉄道輸送事業者は図に示すように1980年〜2007年にかけて燃料消費は殆ど横ばいなのに輸送量はほぼ2倍になるような努力を重ねている事がわかる。
スイス鉄道はその最も先端を行っており、エンジンの効率アップ、回生制動技術の向上、車両重量の低減、摩擦の低減などで合計60%の省エネを達成している。
さらに鉄道事業者は貨車編成、経由ルート計算、貨車編成作業の効率化、出発地点から目的地までの貨車の移動距離の最小化などロジスティックの研究により単位輸送距離当りの全体コストの低減化を図っている。現在までに実施されている鉄道貨物輸送における省エネは次の通り。
1.エンジン効率はエンジン構成部品の材質改良による軽量化、最新燃焼技術の導入に依るディーゼルエンジンの効率を55%向上させた。これは全体の燃費を20%向上させた。
2.アイドリングストップにより10%の燃費改善を達成した。貨車編成ヤードで使うディーゼル機関車をコンピュータ制御された小型700馬力ディーゼル搭載のものにし、自動アイドリングストップにした為にヤード内での燃費が50%向上した。
3.ヘッドライトや運転席内の照明をLEDにした事で照明電力はバッテリーからのみで行えるので照明を点灯する為にエンジンをかける必要が無くなり燃費が向上に寄与した。
4.空の貨物台車は空気力学的に空気の流れの乱れを作り抵抗を増やす。これを防止する為のカバーを取り付ける事で25%の摩擦低減ができた。
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30 Nov 2011 06:46:42 am |
水資源(3) |
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警告段階の世界の水資源枯渇
穀物の生産に世界で7130立方キロメートル(7兆1300万トン)の水が消費されている。これは地球上の70億人で割ると一人当たり日量2740リットルになる。
FAO(国連食糧農業機関)の発表によると2000年から2030年までの30年間に開発途上国において穀物は67%の増収が必要であるとされており、その為には農業用水を14%今以上に確保する必要があるとしている。しかし、ワールドウオッチによると2025年には多数の河川や湖沼からの農業用水の取水は30%減少するであろうと予測されている。中国農業科学アカデミーは2050年には14〜23%の水不足が起きると指摘している。
世界の水事情は逼迫しており水不足警報が出されるのは時間の問題である。地下水の過剰な汲み上げにより湿地帯面積は半分になった。アムダリヤ、コロラド、ガンジス、インダス、リオ・グランデ、マーレイ、黄河では既に断流が発生している。又、水量の分布と人工過密地帯の分布が異なっている為に余計問題を深刻にしている。
今後の開発途上国の計画には水利計画が優先されるべきであるし、水資源利用の効率化が灌漑計画や都市計画段階で取り上げて行かれなければならない。
水資源の70%は農業用水であり、23%が産業で使われており、8%が家庭用水及び飲料水である。
ファクター4で紹介され、このブログの9月20日に書いた点滴農法を実施することで農業用水の使用は80%低減され、農薬の使用は95%節約できる。
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29 Nov 2011 07:52:25 am |
次世代バイオ燃料 |
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石油に代わるバイオ化学原料
農作物や農作物残渣は化石燃料に代わる次世代燃料として注目を集めている。あらゆる種類の植物がエネルギー源として提案されており、穀物、農作物残渣、繊維を多く含む植物(スイッチグラスやサトウキビ)それにいろいろな種類の樹木が直接燃焼されたり、液化されエタノールやディーゼル燃料として使用されている。
現在主にブラジルで生産されるエタノールの60%はサトウキビと穀物を原料にしている。
第一世代のバイオ燃料は省エネの観点から見ても決して効率が良くないばかりでなく、食糧の価格を吊り上げると言う反社会的な側面を持っている。又、不適切な管理方式の下ではバイオ燃料を作るために同量の化石燃料を消費する結果になっている場合もある。次世代バイオ燃料は食糧供給には影響を与える事が無い材料を選び、適切なプロセスで効率よくエネルギーを取り出そうとするものである。
基本的には食糧とならない植物や作物残渣をエネルギーに転換することになる。建築材料等の資源とはならない樹木、間伐材、雑草、コケ類、藻類も一度含水炭素や繊維エタノール等に加工したのちエネルギー源に変換する。
エタノール、バイオディーゼル、ブタン、メタン、メチルテトラヒドフラン(MTHF)等がファクター10を目標に開発中である。
バイオ燃料のみならずバイオ化学工業に応用され、現在は石油化学として生産されている幅広い製品を全てバイオ原料から生産する事が可能で、この分野のGHG(地球温暖化ガス)排出量を90%低減する事ができる。
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28 Nov 2011 07:28:12 am |
バイオガス |
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畜産農家が生産するエネルギー
中国は現在世界最大のバイオガス生産及び使用国である。1800万の農家が既に30年も前から家畜の排せつ物を発酵させてメタンガスを作り熱源に利用している。中・大規模のバイオガス発酵プラントが年間2億3千万トンを生産している。北京郊外にあるバイオガスプラントでは日量220トンの鶏の排せつ物と170トンの下水を使用して年間14.6GWhの電力を発電し、同時に近隣の農家に温水を供給している。これにより年間12億円のエネルギーコストを節約している。
タイでは2011年に政府が1540個所で100MW級のバイオガスプラントを建設すると発表した。これには養豚場の排せつ物、下水、雑草が原料として考えられている。
インドでは年間500メガトンの農作物の残渣が廃棄されているが、このうち25%はエネルギーに変換する事が可能であり、それは12.5GWに相当するとしておりこの利用が計画中である。
フィリピンではマニラ首都圏の養豚場では22,000頭の豚が日量1700立方メートルの排せつ物を生産しているが、これをバイオガスプラントでガス化し更に圧縮して液化し自動車の燃料として利用する計画がある。
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27 Nov 2011 10:02:06 am |
建築(7) |
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LEEDプラチナ認証ビルの一例
2010年10月にスエ―デンの大手ベアリングメーカーSKFのアメリカ本社ビル(ペンシルベニア州)がLEEDプラチナの認定を受けた。
2009年12月に始まった同ビルのグリーン化プロジェクトは2011年6月までの18カ月をかけて2300万ドル(約18億円)が投資され、延べ床面積10,800平方メートルのオフィスビルがグリーン化された。
・3400メートルの深さの井戸から汲み上げる年間を通じて殆ど一定温度の水を使った冷暖房システムは30%の省エネを達成した。
・自然光を有効に取り入れる事と、蛍光灯やLED照明との組み合わせた室内照明設計により照明に消費される電力を40%低減した。
・トイレ洗面所の機器をより少ない水の量で有効に機能するものに交換することで44%の水道の使用量を低減する事ができた。
・改築の際に出された廃材の93%は埋め立て処分に依らない処理方法でリサイクルや焼却処分された。その内20%は同ビル内で再利用された。
・屋上には500kWのソラ―パネルが設置されている。
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